Domは訳ありSubを甘やかしたい

田舎

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番外編(前半)

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DomとSubのパートナー専用のコンセプトラブホテル。
利用規約には、”流血や嘔吐といったハードプレイはお断り”・”来店と退店は恋人パートナーと一緒”。パートナー兼恋人を歓迎したラブホテルで、ソフトプレイで心身ともに昂ったあとは恋人と甘いひと時を過ごすための場所だ。
一見それだけなら普通のラブホでも出来そうなものだが、ちゃんとDomとSubの為に作られたホテルだ。
レトロや可愛い部屋だけじゃなく監獄から野外風、さらに……


「おかえりなさい」
「ただいま。琥太郎」

俺が選んだのはマンションの一室のような部屋で、シチュエーションとしては行き過ぎた愛情でSubの恋人を自宅監禁してしまったというヤベェDomをやってる。

「ちゃんと待ってていい子だね。さぁ、おいで」
「う、うん…」

頬を赤らめて四つん這いになった琥太郎はぺたぺたと犬のように後をついてくる。
自宅じゃ絶対できないけど空調は完備されてるし、床だって痛くないよう柔らかい素材だ。万が一にも琥太郎を傷つけないと分かっているから安心してプレイに集中できる。

よいしょとソファーに腰かけると琥太郎は床に座ったまま、俺の片膝に両手と顎を乗せてじっと俺を見上げてきた。
まるで次は何してほしい?と催促しているみたいに

「家に誰も来なかった?」
「うん、来てないよ。熊狩は?」
「ん?俺?」
「職場で他のSubに言い寄られてない?」
「んんッ!?」

え、琥太郎くん!?ちょっとそれはズルくないか!?
こっちはあまりにもかわいいが過ぎる演出に心臓が飛び出しそうになっただけなのに、琥太郎は「は?おい?」とややジト目の様子。

「熊狩…まさか、お前」
「ちょ、ないないないないないっ!!そんなヤツいるわけないって!第一これまでSubにモテたことのない俺だよ!?」
「それは熊狩がそう思ってるだけじゃん、ばか」

(~~~~~~~ンンンンッ゛゛!?!?!?)

ぷっす~と頬を膨らませて拗ねる琥太郎にギュンッと心臓が締め付けられた。
さすがコンセプトラブホテル。DomだけじゃなくしっかりとSubの欲求も引き出してくれている。

え、なんだよ琥太郎…。ラブホに誘ったときは恥ずかしがって全然乗り気じゃなさそうだったのに"役"にハマってさぁ?
もしかして普段からそんな下らない事を心配してたのか?


「俺には琥太郎だけだ。それ以外のSubは必要ない」
「……なら、いいよ。信じてるし」

熊狩はオレのモノだと、マーキングするみたいにスリッと膝に頬擦りする琥太郎。
恋人とパートナーとしての余裕、そして嬉しさまで伝わってくる。そして俺は―――――

「…?熊狩?」
「~~~~~~~~ッ、不可抗力だ」

勃起しないわけがないだろ、こんなの拷問だ!!

ちょっとそれらしい会話を楽しんだ後はベッドルームまで歩かせるつもりだったけど無理だ。今すぐ琥太郎を抱き上げて、…と思ったとき下の方からカチャカチヤとベルトの音。


「お、おい!琥太郎!?」
「………お願い、勝利のが欲しい。ダメ?」


ね?ね?と上目遣いのおねだりにゴクリと唾を飲んだ。


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