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やってしまった。
「……やってしまった」
そう、やってしまった。
通学路を歩いているあいだも、家に帰ってからも、その一言がずっと、頭の中をぐるぐると回っている。
具体的になにが悪かったのかを考える心のゆとりはない。取り返しのつかない失敗を犯したという自覚。それに伴う落胆と、自己嫌悪と、後悔。それらのネガティブな感情や思いにさいなまれる中で、腰を据えて物事を考えるなど、精神的にもろい僕にできるはずがない。
それでも夕食をとると、心に少し余裕が生まれた。宿題を片づけたあとは、もう一つの懸案も片づけてやろうという気持ちになった。
悩みがあるなら気軽に相談してくれていい。僕は住友さんにそう声をかけた。
だけど、住友さんは怒りを露わにした。「消えて」とまで言った。僕の発言が気に障ったのだとしても、強すぎる表現だ。
住友さんはなぜ、あんなにも怒ったんだ?
僕の言動のどこに、彼女をあそこまで怒らせる要素があったんだ?
悶々と思い悩んでいるうちに、明日のことが気がかりになってきた。
にらまれて、「消えて」とまで言った人がいる教室に、僕はどんな顔をして入ればいいのだろう? 住友さんと僕は席が前と後ろという関係だから、プリントを後ろに回すさいなど、目と目が合う機会が一日一回くらいはある。その一回の機会に、住友さんは僕にどんな表情を向けるだろう?
認めなければいけない。
失敗の原因はまだ掴めていない段階だけど、認めざるを得ない。
住友さんに声をかけたのは間違いだった。
本人が「悩みはない」と明言しているのに、ただのクラスメイトでしかない僕が、「悩みがあるなら相談してくれてもいい」だなんて。勘違いもはなはだしいし、おこがましいことこの上ないし、おせっかい以外のなにものでもなかった。
クラスメイトという関係はこの先も長く続くというのに、僕はなんて愚かな真似をしてしまったのだろう。
僕は、馬鹿だ。
僕は、最低の人間だ。
バスタブでぬるめの湯に浸かる僕の頭の中で、自己嫌悪の念が禍々しく、とめどなく渦を描く。
この感情を適切な形で処理しないと、僕は壊れてしまう。大げさかもしれないけど、そんな危機感さえ抱いた。
こんなとき、頼れる存在は一人しかいない。
「……やってしまった」
そう、やってしまった。
通学路を歩いているあいだも、家に帰ってからも、その一言がずっと、頭の中をぐるぐると回っている。
具体的になにが悪かったのかを考える心のゆとりはない。取り返しのつかない失敗を犯したという自覚。それに伴う落胆と、自己嫌悪と、後悔。それらのネガティブな感情や思いにさいなまれる中で、腰を据えて物事を考えるなど、精神的にもろい僕にできるはずがない。
それでも夕食をとると、心に少し余裕が生まれた。宿題を片づけたあとは、もう一つの懸案も片づけてやろうという気持ちになった。
悩みがあるなら気軽に相談してくれていい。僕は住友さんにそう声をかけた。
だけど、住友さんは怒りを露わにした。「消えて」とまで言った。僕の発言が気に障ったのだとしても、強すぎる表現だ。
住友さんはなぜ、あんなにも怒ったんだ?
僕の言動のどこに、彼女をあそこまで怒らせる要素があったんだ?
悶々と思い悩んでいるうちに、明日のことが気がかりになってきた。
にらまれて、「消えて」とまで言った人がいる教室に、僕はどんな顔をして入ればいいのだろう? 住友さんと僕は席が前と後ろという関係だから、プリントを後ろに回すさいなど、目と目が合う機会が一日一回くらいはある。その一回の機会に、住友さんは僕にどんな表情を向けるだろう?
認めなければいけない。
失敗の原因はまだ掴めていない段階だけど、認めざるを得ない。
住友さんに声をかけたのは間違いだった。
本人が「悩みはない」と明言しているのに、ただのクラスメイトでしかない僕が、「悩みがあるなら相談してくれてもいい」だなんて。勘違いもはなはだしいし、おこがましいことこの上ないし、おせっかい以外のなにものでもなかった。
クラスメイトという関係はこの先も長く続くというのに、僕はなんて愚かな真似をしてしまったのだろう。
僕は、馬鹿だ。
僕は、最低の人間だ。
バスタブでぬるめの湯に浸かる僕の頭の中で、自己嫌悪の念が禍々しく、とめどなく渦を描く。
この感情を適切な形で処理しないと、僕は壊れてしまう。大げさかもしれないけど、そんな危機感さえ抱いた。
こんなとき、頼れる存在は一人しかいない。
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