ずっとしたかった異世界転生!その夢叶いました

伏目 もももん

文字の大きさ
29 / 34
2章 屋敷での生活

武器選び

しおりを挟む
 
 あれから父は仕事に行き、兄は勉強、そして母はお茶会に呼ばれているといってその場を離れた。ギリギリまで父と兄は粘ったが、母に連れていかれた・・・。
 そして、ついにティナはロセと一緒に武器を選び始めた。

(やっぱり、武器の王道と言えば剣だよね!)
 と、小振りの剣を手に取る。

…『カチャーーン!!』
「キャ!」
「ティナ様!大丈夫ですか!?」
 ティナは剣を握った瞬間、勢いよく落としてしまったのだ。

「わ、わからないの。剣を握ったら手が震え出して・・・。他の武器を試すね!」
 そう言ってティナは隣のレイピアを持つ。

「っ『カチャーーン!!』」
 またしても落としてしまった。
(もしかして、私武器を持てないの??)
 武器を離すと手の震えがピタリと止まる。ティナは泣きそうになりながらは次の武器を手に取る。
 ティナは武器を手に取っては落とし、手に取っては落とすを繰り返した。そしてついに・・・。

「ぁ・・・、落とさない!手が!手が震えないよ!!ロセ!」
 ティナは手に取った弓を持ちながらそう叫んだ。
「良かったですね!ティナ様!!」
 ティナは結果として、弓以外の武器は持つことが出来なかった。弓以外の武器を持とうとすると、皆同じように手が震えてしまうのだ。

(よかったぁ~!持てる武器があって!!あっ焦ったあぁああ!!)
 そして、ティナはこれから弓の訓練を受けることになる。何と、ロセが教えてくれるらしいのだ。

「一通りの武器の使い方は心得ています。」
 と言っていたので、任せることにした。

「持ち方はわかりましか?では、まずはあそこの的へ矢を放ってみましょう。」

(こう、かな?)
 ティナは言われた通りに、十メートル離れた的へ矢を放った。

『ピュン!!トスッ』
 何とど真ん中に矢が刺さった。

「え!」

「ティナ様、弓を使うのは今日が初めてですか??」

「うん、初めてだよ?」

「なら、これは才能ですね!!ティナ様は弓の才能がおありのようです!」
 と、ロセは興奮気味に話す。ティナはそれから的の距離を徐々に離していったが、ティナの放った矢は全て的の真ん中に刺さった。

(なんだろう、弓は初めての筈なのに凄く手に馴染む・・・)

「では、私が今から風で的を動かします。ティナ様は冷静に的を狙ってください。」
 ロセは器用に的を風で操り、不規則な動きをさせる。これは風の魔力属性を持つロセだからなせる技だ。

「よしっ!」
 ティナは目をつぶって深呼吸をしたあと、弓を構える。

「はぁっ!!」
 ティナが放った矢は右に曲がりながら進み、ロセが操っていた的に当たる。また、立て続けに放った矢も見事に命中した。

「こ、これは本当に凄いです!さすがです!!・・・あっティナ様、そろそろ昼食の時間ですし、一旦お屋敷に戻りませんか??」

「え、もうそんな時間!?戻ろっか!」
 そうしてティナ達は屋敷に戻ったのてあった。
しおりを挟む
感想 8

あなたにおすすめの小説

【長編版】悪役令嬢は乙女ゲームの強制力から逃れたい

椰子ふみの
恋愛
 ヴィオラは『聖女は愛に囚われる』という乙女ゲームの世界に転生した。よりによって悪役令嬢だ。断罪を避けるため、色々、頑張ってきたけど、とうとうゲームの舞台、ハーモニー学園に入学することになった。  ヒロインや攻略対象者には近づかないぞ!  そう思うヴィオラだったが、ヒロインは見当たらない。攻略対象者との距離はどんどん近くなる。  ゲームの強制力?  何だか、変な方向に進んでいる気がするんだけど。

【完結】ヤンデレ乙女ゲームの転生ヒロインは、囮を差し出して攻略対象を回避する。はずが、隣国の王子様にばれてしまいました(詰み)

瀬里@SMARTOON8/31公開予定
恋愛
 ヤンデレだらけの乙女ゲームに転生してしまったヒロイン、アシュリー。周りには、攻略対象のヤンデレ達が勢ぞろい。  しかし、彼女は、実現したい夢のために、何としても攻略対象を回避したいのだ。  そこで彼女は、ヤンデレ攻略対象を回避する妙案を思いつく。  それは、「ヒロイン養成講座」で攻略対象好みの囮(私のコピー)を養成して、ヤンデレたちに差し出すこと。(もちろん希望者)  しかし、そこへ隣国からきた第五王子様にこの活動がばれてしまった!!  王子は、黙っている代償に、アシュリーに恋人契約を要求してきて!?  全14話です+番外編4話

転生したら悪役令嬢になりかけてました!〜まだ5歳だからやり直せる!〜

具なっしー
恋愛
5歳のベアトリーチェは、苦いピーマンを食べて気絶した拍子に、 前世の記憶を取り戻す。 前世は日本の女子学生。 家でも学校でも「空気を読む」ことばかりで、誰にも本音を言えず、 息苦しい毎日を過ごしていた。 ただ、本を読んでいるときだけは心が自由になれた――。 転生したこの世界は、女性が希少で、男性しか魔法を使えない世界。 女性は「守られるだけの存在」とされ、社会の中で特別に甘やかされている。 だがそのせいで、女性たちはみな我儘で傲慢になり、 横暴さを誇るのが「普通」だった。 けれどベアトリーチェは違う。 前世で身につけた「空気を読む力」と、 本を愛する静かな心を持っていた。 そんな彼女には二人の婚約者がいる。 ――父違いの、血を分けた兄たち。 彼らは溺愛どころではなく、 「彼女のためなら国を滅ぼしても構わない」とまで思っている危険な兄たちだった。 ベアトリーチェは戸惑いながらも、 この異世界で「ただ愛されるだけの人生」を歩んでいくことになる。 ※表紙はAI画像です

乙女ゲームのヒロインに転生したのに、ストーリーが始まる前になぜかウチの従者が全部終わらせてたんですが

侑子
恋愛
 十歳の時、自分が乙女ゲームのヒロインに転生していたと気づいたアリス。幼なじみで従者のジェイドと準備をしながら、ハッピーエンドを目指してゲームスタートの魔法学園入学までの日々を過ごす。  しかし、いざ入学してみれば、攻略対象たちはなぜか皆他の令嬢たちとラブラブで、アリスの入る隙間はこれっぽっちもない。 「どうして!? 一体どうしてなの~!?」  いつの間にか従者に外堀を埋められ、乙女ゲームが始まらないようにされていたヒロインのお話。

乙女ゲームの悪役令嬢、ですか

碧井 汐桜香
ファンタジー
王子様って、本当に平民のヒロインに惚れるのだろうか?

【完結】名前もない悪役令嬢の従姉妹は、愛されエキストラでした

犬野きらり
恋愛
アーシャ・ドミルトンは、引越してきた屋敷の中で、初めて紹介された従姉妹の言動に思わず呟く『悪役令嬢みたい』と。 思い出したこの世界は、最終回まで私自身がアシスタントの1人として仕事をしていた漫画だった。自分自身の名前には全く覚えが無い。でも悪役令嬢の周りの人間は消えていく…はず。日に日に忘れる記憶を暗記して、物語のストーリー通りに進むのかと思いきや何故かちょこちょこと私、運良く!?偶然!?現場に居合わす。 何故、私いるのかしら?従姉妹ってだけなんだけど!悪役令嬢の取り巻きには絶対になりません。出来れば関わりたくはないけど、未来を知っているとついつい手を出して、余計なお喋りもしてしまう。気づけば私の周りは、主要キャラばかりになっているかも。何か変?は、私が変えてしまったストーリーだけど…

猫なので、もう働きません。

具なっしー
恋愛
不老不死が実現した日本。600歳まで社畜として働き続けた私、佐々木ひまり。 やっと安楽死できると思ったら――普通に苦しいし、目が覚めたら猫になっていた!? しかもここは女性が極端に少ない世界。 イケオジ貴族に拾われ、猫幼女として溺愛される日々が始まる。 「もう頑張らない」って決めたのに、また頑張っちゃう私……。 これは、社畜上がりの猫幼女が“だらだらしながら溺愛される”物語。 ※表紙はAI画像です

王女の中身は元自衛官だったので、継母に追放されたけど思い通りになりません

きぬがやあきら
恋愛
「妻はお妃様一人とお約束されたそうですが、今でもまだ同じことが言えますか?」 「正直なところ、不安を感じている」 久方ぶりに招かれた故郷、セレンティア城の月光満ちる庭園で、アシュレイは信じ難い光景を目撃するーー 激闘の末、王座に就いたアルダシールと結ばれた、元セレンティア王国の王女アシュレイ。 アラウァリア国では、新政権を勝ち取ったアシュレイを国母と崇めてくれる国民も多い。だが、結婚から2年、未だ後継ぎに恵まれないアルダシールに側室を推す声も上がり始める。そんな頃、弟シュナイゼルから結婚式の招待が舞い込んだ。 第2幕、連載開始しました! お気に入り登録してくださった皆様、ありがとうございます! 心より御礼申し上げます。 以下、1章のあらすじです。 アシュレイは前世の記憶を持つ、セレンティア王国の皇女だった。後ろ盾もなく、継母である王妃に体よく追い出されてしまう。 表向きは外交の駒として、アラウァリア王国へ嫁ぐ形だが、国王は御年50歳で既に18人もの妃を持っている。 常に不遇の扱いを受けて、我慢の限界だったアシュレイは、大胆な計画を企てた。 それは輿入れの道中を、自ら雇った盗賊に襲撃させるもの。 サバイバルの知識もあるし、宝飾品を処分して生き抜けば、残りの人生を自由に謳歌できると踏んでいた。 しかし、輿入れ当日アシュレイを攫い出したのは、アラウァリアの第一王子・アルダシール。 盗賊団と共謀し、晴れて自由の身を望んでいたのに、アルダシールはアシュレイを手放してはくれず……。 アシュレイは自由と幸福を手に入れられるのか?

処理中です...