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2章 屋敷での生活
魔力をきたえます!
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無事、武器選びを終えたティナは屋敷へ戻ると、素早くお風呂に入り昼食を食べることにした。
今日の昼食は、新鮮なレタスとトマトに、ピリッと辛いスパイスが効いている鶏肉を挟んだサンドイッチ、コンソメスープ、食後のデザートはレモンゼリーだった。
ティナの疲れきった体に、沢山あった食べ物達がスルスルと吸い込まれていく。あっという間に間食してしまった。
(う~ん。やっぱり家の料理人達は優秀だわ~~。甘辛のソースがよく鶏肉にあってた!コンソメスープも味に深みがあって美味しかったし、レモンゼリーはサッパリしてて食べやすかったなぁ……。)
ティナはのんびり食べ終えた物を思い返していた。
「午後の予定は特にありませんが、いかがなさいますか?」
ロセが食べ終えた食器を片付け終わり、そう聞いてきた。
(うーん、することかぁ~。あ、魔力を鍛えるチャンスだ!)
「魔力を鍛えることにします。」
___________________
数分後、ティナ達は中庭にやって来ていた。中庭の花壇には季節の花が植えられている。どれも丁寧に手入れされていて、見た者の目を楽しめている。そして、その一角をティナが育てているのだ。
「では、始めますか!」
ティナが花に向かって手を突きだし、魔力を込め『ウォーターシャワー』と呟く。すると、花の上に小さな雨雲が現れ、優しく花を濡らしていく。ティナは器用に雲を動かし、花壇全体に水をかけていった。30秒程たつと、ティナの額に汗が滲み出し、40秒程すると息が絶え絶えになった。
(魔力量が多い人は一時間以上この魔法を使えるのに!)
ティナが使った魔法は込めた魔力によって勢いが変わり、ティナは花に水をあげるだけなので少ししか魔力を込めていない。にも関わらず、すでに魔力切れの症状が出てしまっている。
この世界は魔法を使い過ぎると、魔力切れという症状になり、無理をし過ぎると気絶してしまう。なので、戦闘中は魔法切れをしないように考えて戦うのだ。
「ティナ様、そろそろお止めになったほうがっ!」
ロセが慌てて声をかける。
「そう、、だね。もう魔力もほとんど残ってないみたいだ、し、、。」
そうしてティナは本日二度目のお風呂に入り、気力を振り絞って自室に帰ると、倒れるようにベッドに横になり、そのまま眠りについた。
_________________
………その頃ロセは、布団もかけずに寝てしまったティナに優しく布団をかけながら
「あなたに危険が迫ったら、私が必ず守ります。だから、あまり無理をなさらないでください……。」
と、呟いた。ポツリと放ったその言葉は、誰かに聞かれる訳でもなく、部屋にはティナの規則正しい寝息が響いていた。
今日の昼食は、新鮮なレタスとトマトに、ピリッと辛いスパイスが効いている鶏肉を挟んだサンドイッチ、コンソメスープ、食後のデザートはレモンゼリーだった。
ティナの疲れきった体に、沢山あった食べ物達がスルスルと吸い込まれていく。あっという間に間食してしまった。
(う~ん。やっぱり家の料理人達は優秀だわ~~。甘辛のソースがよく鶏肉にあってた!コンソメスープも味に深みがあって美味しかったし、レモンゼリーはサッパリしてて食べやすかったなぁ……。)
ティナはのんびり食べ終えた物を思い返していた。
「午後の予定は特にありませんが、いかがなさいますか?」
ロセが食べ終えた食器を片付け終わり、そう聞いてきた。
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「ティナ様、そろそろお止めになったほうがっ!」
ロセが慌てて声をかける。
「そう、、だね。もう魔力もほとんど残ってないみたいだ、し、、。」
そうしてティナは本日二度目のお風呂に入り、気力を振り絞って自室に帰ると、倒れるようにベッドに横になり、そのまま眠りについた。
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………その頃ロセは、布団もかけずに寝てしまったティナに優しく布団をかけながら
「あなたに危険が迫ったら、私が必ず守ります。だから、あまり無理をなさらないでください……。」
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