ずっとしたかった異世界転生!その夢叶いました

伏目 もももん

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2章 屋敷での生活

武器選びの報告をします!

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 どれくらい時間がたっただろうか、外はすっかり暗くなっていた。

「ん、、、」
 ティナは薄く瞼を開き、ゆっくりと起き上がる。

(ん?もう夜!?ほぼ半日無駄にしてしまった・・・。)
 せっかく丸1日予定がない日だったのに、と小さくため息をついた。
 すると、控えめなノックが部屋に響いた。
「ティアーナ様、そろそろ夕食のお時間でございます。ティアーナ様はご休憩なさっていたようですし、お髪とお召し物を整えさせていただきますね。」

 ティナが入室を許可すると、黒髪のメイドがやって来て、崩れた髪とドレスを素早く直していった。
 ティナはそのメイドにお礼を言い、廊下にでた。すると、ドアの前に心配そうな顔をしたロセが立っていた。

「ティナ様、体調はいかがですか?」
 形の整った眉をひそめ、心配そうに自分を見ているロセを見たティナは、内心悶えていたが、それを表情に出さないことに成功し、

「問題ないです。」
 とだけ答え、ロセと共に食堂へ向かった。
 食堂を着くと、すでにティナ以外の三人が揃っていた。
 ティナは「遅れてすみません!」と謝り、急いで席につく。
 今日の夕食のメニューは、チキンステーキにトマトスープ、バゲット、サラダだ。

(ん~~っ、このチキンステーキは塩コショウでシンプルな味付けだけど、噛めば噛むほど肉の旨味がでるし、バゲットの相性も抜群!トマトスープもすっごく美味しい!酸味の中に甘味もあって、いくらでもたべれちゃう。)
 ………少し前、ティナがトマトが好きと言っていたことを一人のメイドが聞いていて、料理長に話したらしい。それからトマト料理が出る回数が増えた。勿論ティナが飽きないように毎回工夫されて出てくる。
 こういったことから、ティナが屋敷の使用人達から愛されていることがわかる。実際、トマト料理が多くなってティナは喜び、今もにこにこしながらスープを飲んでいる。そんなティナを見ている使用人達は、常にメモ帳を持ち歩き、ティナの好物や苦手なものなどティナの表情を観察して察し、そういったメモを使用人達で報告しあっている。……最近そういったメモをとっていることが兄のリュオにバレ、報告の場にリュオが増えたことは言わなくてもわかるだろう………。
 リュオいわく、「ティナの好き嫌いは兄としてちゃんと把握しなくちゃね。」だそうだ・・・。
   

____________________

 食事が終わり、今は家族皆でゆっくり紅茶を飲んでいる。
 ルクシール家では、食事後に紅茶などを飲みながら1日あったことなどを報告しあう時間がある。フェルナンドは多忙なため、家族四人が集まることは少ないが、フェルナンドもなるべくこの時間を作るために仕事を頑張っているらしい。
 ちなみに、この時間を提案したのはティナだ。
「1日この中で少しでも家族と話し合う時間が必要だと思います!」
と熱弁し、皆も賛成だったためすぐ取り入れられた。
 実際、この時間を取り入れてから家族との仲が更に深まった気がする。兄のリュオルドも「今日は〇〇を習いました。」など報告しては、「勉強を頑張っているみたいだな、偉いぞ。」と父から誉められ、とても嬉しそうにしていた。
 それはそうと、ティナは今日のこの時間に武器選びの報告をしようと思っていた。

「あの、私がこれから練習していく武器は弓にしようと思います。というか、弓しか使えなかったので・・・。」
 
「ん?どういうことだ?」
父の疑問はもっともだろう。ティナは武器選びの時のことを皆に説明した。

「じゃあティナは弓以外持てなかったってこと?」
リュオは考えるように口元に手をやりながらそうといかけた。

「はい。ですが唯一持てた弓の才能はあるようで、初めて持ったのにとても手に馴染みました。」

「その事はロセから聞いたわ。放った矢が全て的に当たり、まるで的に矢が吸い寄せられるようだったと。」

「へぇ!すごいよティナ!!」

「うむ、流石私の娘だ。」

「うふふ、そうですね。」

「あ、ありがとうございます。」
キラキラした目で誉められたティナは、恥ずかしくなり頬を染めながらそうかえした。

「照れたティナ(ちゃん)(様)可愛い(わ)!!!」
  と、その場にいる使用人を含めた全員がそう思ったのであった。
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