ずっとしたかった異世界転生!その夢叶いました

伏目 もももん

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2章 屋敷での生活

ついに対面

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・・・チュンチュン

(、、、朝が来てしまった。熱とか出てくれればよかったのに!)

 あの後、ティナは母に
「皇太子様とお会いするのだから、早く寝なさいな。」

 と言われてしまい、9時頃に寝てしまったのだ。そのおかげか、ティナの体調はすこぶる良かった。
(はぁ~、これは腹をくくらなきゃだめだな。)
 
 一人べっどの上で落ち込んでいると、ノックの音が聞こえた。

「お目覚めでしょうか。お飲み物をお持ちしました。」

 ロセだ。ティナはロセの淹れた紅茶の美味しさを思い出し、思わず頬を緩める。

「起きてるよ~。」

 言葉使いがなってないと思うかもしれないが、ロセと二人きりのときはティナは気を張らないと決めているので、目を瞑ってあげて欲しい。

 ティナの声を聞いたロセは、「失礼します。」と紅茶を乗せた台車を押して入ってきた。

「本日の紅茶はオレンジブロッサムで御座います。この紅茶は心を落ち着かせる作用があるそうですよ。今のティナ様には持って来いなのでは?」

 「え?」
 
ティナは驚いた顔でロセを見上げると、ロセは優しく微笑みティーカップに紅茶を注いだ。

「私には、ティナ様がとても悩んでいるように見えました。きっと何か訳があるのでしょう?」

「、、、うん。」


「無理に聞こうとは思いません。しかし、私で良ければいつでも相談にのりますからね。」

 ロセはこの屋敷に来てからずっと側に居てくれている大切な人だ。本当は色々聞きたい筈なのに、聞かないでいてくれるロセの優しさがとても心に沁みた。そして、ロセが淹れてくれた紅茶を飲んで緊張が解れたからなのだろうか?あんな言葉が出てしまったのは。


「ねぇロセ?」

「何でしょう?」

「ロセは何があっても私の味方でいてくれる?」

 こんなことを言うつもりは無かった。なのに、何故かポロリとこぼしてしまったのだ。

 すると、ロセは優しい瞳でティナを見つめ

「いきなり何をおっしゃるのかと思えば。当たり前なことを聞かないでください。」

 と、まるで大切な宝を撫でるかのように、優しく、優しくティナの頭を撫でた。

 ティナはロセの手の熱を感じながら、ふにゃりと頬を緩め

「ありがとう。」

と微笑み、残りの紅茶を飲み始めたのだった。




_________________


「・・・ごくり。」

 今ティナは王宮の門の前にいる。




フェルナンドは王宮で仕事をしているため、同じ馬車に乗せて貰ったのだが、着いた途端

「直ぐにむかえが来る。では仕事へ行ってくるよ。」

と、ティナのおでこにキスを落として颯爽と仕事場に向かってしまった。
(仕事人間め!!)
 そのため、ティナはロセと二人で門の側に立っているのだ。
 そして待つこと数十秒・・・。

「君がティアーナ?」

 突然聞こえてきた声に驚き顔を上げると、ティナと同じくらいの男の子が立っていた。

「僕の名前はアルディオ。君の婚約者だよ。よろしくね?」
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