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次の日、ソフィは今までにないほど、スッキリ目覚めた。
「こんなによく寝たのはいつ振りだろうか」
昨日テオーリオが持ってきてくれた水を飲み、備え付けられているクローゼットを開けた。
そこにはたくさんの衣類が収納されていた。その中から着慣れた服に似ている服を取り出した。
「柔らかい。こんな上質な布、テルマは他所の国の貴族か王族なのかねぇ」
ソフィは感嘆し、着替えを終えた。
部屋から出て、食堂に向かうと、もう賑やかかった。
ソフィが扉を開けると、
「おはよう!」
元気な男の子が真っ先に挨拶してきた。
「おはよう!」
この子は…?
「おはようございます。良く眠れましたか?」
テオーリオがソフィの側にやってきた。
「セルティス、自己紹介はご飯のあーとっ。先にしっかり食べないとテルマに怒られちゃうよ」
ラジィトがトレーに山盛りのパンを乗っけてセルティスと呼ばれた少年を連れて行った。
「クスクス…みんなソフィさんに自己紹介したがっているんです。食後にとの約束なので、さぁソフィさんも朝ご飯食べましょう」
テオーリオはソフィにトレーと空のお皿を渡し、食べ物が並ぶ区画に連れて行った。
朝ご飯も種類が豊富にあり、どれも野菜をたくさん使われていた。
「ここは野菜がたくさんあるんだね」
モグモグ…モグモグ…モグ…………
うっ………視線が………
ソフィが朝食を堪能していると少し離れた所から1人、2人…数人の子供達がジッと興味深そうにソフィを見ていた。
そういえば……
ソフィと共に来た子供達の姿が見えないことにようやく気が付いた。
「なぁ、ラジィト、私と一緒にきた……」
「ん?あぁ、一緒にきた子供達?まだ寝てるよ。よっぽど疲れていたんだろうな」
「あぁ、なんだい、そうなんだね…」
「?でも、そろそろ起こさないとな!カトレア、リリィ、セルティス、手伝って」
カトレアとリリィと呼ばれた女の子2人とセルティスと呼ばれた、さっきの元気な男の子がピョコっと飛び出てきてラジィトの側にやってきて、ラジィトと一緒に食堂から出ていった。
ソフィは残りをしっかりと食べ終わった。
食後にテオーリオが勧めてくれたコーヒーを飲んでいると、
ぞろぞろと寝ぼけ眼の子ども達が食堂に入ってきた。
「おはよう」
「おはよ~」
ソフィもおはようと立ち上がった。
よく見るとラジィトと一緒に入ってきたのは5人
1人歯抱っこされている。
カトレアに抱っこされている子が1人
リリィと手を繋いでいる子が2人
セルティスが手を繋いでいる子が1人。
9人…?足りない?
と思ったその時、ふわっわわっ~と浮いた状態で2人ほど運ばれてきた。
「おはよう、良く眠れたかい?あたしゃ良く寝たよ」
みんな昨日救出した直後のボロボロ感はなかった。
お風呂と睡眠で身綺麗になってはいたが、やはり痩せ細ったガリガリなのが見て取れる。
「さぁ朝ご飯ですよ。食べられそうな物だけ取って食べましょう。カトレア、セルティス、リリィ手伝ってあげて」
テオーリオが子供達にテキパキと指示をし、自分も率先して動いた。
"全部で11人か…"
食堂の様子を離れた所から覗き見している人影があった。
テルマだった。テルマは大きな木の枝に座り、空を仰いだ。
テオーリオの話じゃまた名前ないらしい…
はぁ~…名付け得意じゃないんだよなー…
どうしたもんかなぁ~
悩んでいるとピィーーと鳴き声が聞こえて、アグロが肩に停まった。
実体じゃないからいいけどさ…
"アグロ、生身の人間の肩に降りるのは止めるんだよ。血塗れになっちまう"
アグロは『そんなのわかってる』と言わんばかりの顔をしてまた屋敷の方に向かって飛び立っていった。
"あいつは自由だねぇ"
そしてテルマはやれやれとアグロの後を追って屋敷に向かっていった。
「こんなによく寝たのはいつ振りだろうか」
昨日テオーリオが持ってきてくれた水を飲み、備え付けられているクローゼットを開けた。
そこにはたくさんの衣類が収納されていた。その中から着慣れた服に似ている服を取り出した。
「柔らかい。こんな上質な布、テルマは他所の国の貴族か王族なのかねぇ」
ソフィは感嘆し、着替えを終えた。
部屋から出て、食堂に向かうと、もう賑やかかった。
ソフィが扉を開けると、
「おはよう!」
元気な男の子が真っ先に挨拶してきた。
「おはよう!」
この子は…?
「おはようございます。良く眠れましたか?」
テオーリオがソフィの側にやってきた。
「セルティス、自己紹介はご飯のあーとっ。先にしっかり食べないとテルマに怒られちゃうよ」
ラジィトがトレーに山盛りのパンを乗っけてセルティスと呼ばれた少年を連れて行った。
「クスクス…みんなソフィさんに自己紹介したがっているんです。食後にとの約束なので、さぁソフィさんも朝ご飯食べましょう」
テオーリオはソフィにトレーと空のお皿を渡し、食べ物が並ぶ区画に連れて行った。
朝ご飯も種類が豊富にあり、どれも野菜をたくさん使われていた。
「ここは野菜がたくさんあるんだね」
モグモグ…モグモグ…モグ…………
うっ………視線が………
ソフィが朝食を堪能していると少し離れた所から1人、2人…数人の子供達がジッと興味深そうにソフィを見ていた。
そういえば……
ソフィと共に来た子供達の姿が見えないことにようやく気が付いた。
「なぁ、ラジィト、私と一緒にきた……」
「ん?あぁ、一緒にきた子供達?まだ寝てるよ。よっぽど疲れていたんだろうな」
「あぁ、なんだい、そうなんだね…」
「?でも、そろそろ起こさないとな!カトレア、リリィ、セルティス、手伝って」
カトレアとリリィと呼ばれた女の子2人とセルティスと呼ばれた、さっきの元気な男の子がピョコっと飛び出てきてラジィトの側にやってきて、ラジィトと一緒に食堂から出ていった。
ソフィは残りをしっかりと食べ終わった。
食後にテオーリオが勧めてくれたコーヒーを飲んでいると、
ぞろぞろと寝ぼけ眼の子ども達が食堂に入ってきた。
「おはよう」
「おはよ~」
ソフィもおはようと立ち上がった。
よく見るとラジィトと一緒に入ってきたのは5人
1人歯抱っこされている。
カトレアに抱っこされている子が1人
リリィと手を繋いでいる子が2人
セルティスが手を繋いでいる子が1人。
9人…?足りない?
と思ったその時、ふわっわわっ~と浮いた状態で2人ほど運ばれてきた。
「おはよう、良く眠れたかい?あたしゃ良く寝たよ」
みんな昨日救出した直後のボロボロ感はなかった。
お風呂と睡眠で身綺麗になってはいたが、やはり痩せ細ったガリガリなのが見て取れる。
「さぁ朝ご飯ですよ。食べられそうな物だけ取って食べましょう。カトレア、セルティス、リリィ手伝ってあげて」
テオーリオが子供達にテキパキと指示をし、自分も率先して動いた。
"全部で11人か…"
食堂の様子を離れた所から覗き見している人影があった。
テルマだった。テルマは大きな木の枝に座り、空を仰いだ。
テオーリオの話じゃまた名前ないらしい…
はぁ~…名付け得意じゃないんだよなー…
どうしたもんかなぁ~
悩んでいるとピィーーと鳴き声が聞こえて、アグロが肩に停まった。
実体じゃないからいいけどさ…
"アグロ、生身の人間の肩に降りるのは止めるんだよ。血塗れになっちまう"
アグロは『そんなのわかってる』と言わんばかりの顔をしてまた屋敷の方に向かって飛び立っていった。
"あいつは自由だねぇ"
そしてテルマはやれやれとアグロの後を追って屋敷に向かっていった。
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