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空洞の夜
男になって初めての経験
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ホテルに入った。
ドアが閉まる音が、やけに重く響く。
美和
「ちょっと、酔い覚ましにシャワー浴びて来るね」
そう言って、軽く微笑みながらバスルームに向かった。
のぞむ
「あ、うん」
扉が閉まり、すぐにシャワーの音が聞こえ始める。
男になって初めてのホテル……
のぞむはネクタイを少し緩め、ソファーに腰を下ろす。
落ち着こうと深呼吸するが、鼓動がやけに早い。
(どうするんだ、俺……)
テレビのリモコンに手を伸ばしかけて、やめる。
静かな部屋に、水音だけが響く。
手のひらが、じんわり汗ばんでいる。
緊張しながらも、ソファーに座って待っていた。
シャワーの音が止まる。
少しして、バスルームの扉が開く。
ガウン姿の美和が出てくる。
濡れた髪から、ほのかにシャンプーの香りが漂う。
のぞむは一瞬、目を逸らしかけて、結局また見てしまう。
元女性だから、そんなのを見ても何にも感じないと思っていた。
でも体は男。
正直に反応してしまう。
自分の変化を、自分が一番持て余している。
美和
「のぞむくんもシャワー浴びてくる?結構飲んだでしょ?」
自然な声。
でも視線は、ちゃんとこちらを見ている。
のぞむ
「あ、うん」
立ち上がる時、少しぎこちない。
鼓動をごまかすように、そのままバスルームに向かった。
鏡に映る自分の顔は、思ったより赤かった。
そしてシャワーを浴び出てきた、のぞむ。
髪はまだ少し濡れている。
バスルームの蒸気が背中にまとわりついたまま、部屋に戻る。
美和はソファーに腰掛け、電子タバコをふかしていた。
薄く煙が揺れる。
のぞむ
「お待たせ」
と言って美和の横に座った。
距離は、さっきよりも近い。
シャワー上がりの匂いと、甘い香りが混ざる。
美和は横目で、のぞむを見る。
電子タバコを灰皿に置き、ゆっくりと体を向ける。
言葉はまだない。
でも、空気だけが変わる。
のぞむの喉が、わずかに鳴った。
そして美和は、のぞむに抱きつきキスをする。
突然の距離。
唇が触れた瞬間、のぞむの思考が一瞬止まる。
のぞむは驚き、顔を離す。
のぞむ
「んっ、美和さん」
呼吸が乱れる。
美和
「何?ホテルについて男女がやることなんて、ひとつしかないじゃん」
まっすぐな視線。
のぞむ
「え、でも」
言葉が続かない。
頭の中では、いくつもの感情がぶつかっている。
美和
「でも、こっちは正直だね」
と美和は、すーっと膨らみに手を伸ばす。
のぞむ
「あ、そこは……」
声がかすれる。
体は正直に反応している。
でも心は、まだ追いついていない。
女だった頃にはなかった感覚。
求められる側から、求められる“男”になった現実。
美和の指先が近づくたび、鼓動が速くなる。
逃げたいわけじゃない。
でも、覚悟ができていない。
部屋の静けさが、やけに重く感じられた。
そして美和は、のぞむのガウンをはだけさせる。
布がゆるく開き、肌に夜の空気が触れる。
のぞむ
「ちょ、ちょっと美和さん」
声がわずかに震える。
美和
「すごい胸板~」
すーっと胸元を撫でる。
指先がゆっくりと動き、軽く突起物に触れる。
のぞむ
「あ、美和さん…」
息が浅くなる。
美和
「ここ感じるんだね…」
とさらに胸元を撫でる。
のぞむの体は、正直だった。
触れられるたびに、熱がじわりと広がる。
でも同時に、頭の中では別の声が鳴っている。
(これでいいのか…?)
求められている。
男として。
でも、自分の気持ちは追いついていない。
美和の指先が止まる。
視線が絡む。
部屋の空気が、ゆっくりと重くなっていく。
美和
「こっち、すごいことになってるけど」
ガウンの隙間からそっと手を滑り込ませ、隠れていた部分に指先を軽く触れさせる。
あくまで本番前の軽いイタズラ、反応見て笑おうかな、くらいのノリ。
のぞむ
「ちょっと、美和さん……!」
慌てて手を重ねて隠そうとするけど、美和の指はもう優しく包み込んでいて。
美和
「捕まえた♡」
いたずらっぽく目を細めて笑う。
握ったり擦ったりはせず、ただ軽く撫でるように、指をゆっくり上下に動かすだけ。
本気でどうこうする気なんて、これっぽっちもない。
のぞむ
「あっ……っ」
触れられただけで、体がビクンと硬直する。
まだ男の感覚に慣れていないそこは、ほんの軽い刺激で熱く脈を打ち始めた。
美和
「何が……? ダメ?」
からかうように囁きながら、指の腹で優しく先端をなぞる。
強くしない、激しくしない。ただの遊びの延長。
のぞむ
「ほ、本当に……ダメです……」
声が震えて、腰が勝手に小さく揺れる。
止めようとする手が力なく滑り落ちる。
男になって1年。
女性経験ゼロ、ひとりエッチすらほぼしたことない。
だからこの程度の、ただの軽い触れ合いが、体にとっては耐えがたいほどの刺激だった。
のぞむ
「や……っ、なんか……こみ上げてきて……」
息が荒くなり、視界がぼやける。
美和
「ふふ、ちょっと大げさじゃない? こんな軽く触ってるだけなのに」
まだ余裕たっぷりに笑ってる。
まさかここまで早く限界が来るとは思ってなくて。
次の瞬間――
「あっ……っ!!」
のぞむの体がびくびくと激しく痙攣して、熱いものが美和の手に溢れ出した。
部屋に静寂。
美和
「……え? マジで? 今の、ただ撫でただけなのに?」
完全にポカンとして、手を止めたまま固まる。
本気でイカせようなんて1ミリも思ってなかったのに、
ただの軽い前戯のつもりが、こんな即落ちになるとは。
のぞむは息を切らして、顔を真っ赤にしながら俯く。
言葉が出ない。
恥ずかしさと衝撃で頭が真っ白。
美和
「……ご、ごめん? え、溜まりすぎてたの? 予想外すぎるんだけど……」
少し慌てて、でもどこか可笑しさを堪えきれない声で呟く。
初めての絶頂は、甘い余韻なんてほとんどなくて、
ただただ「衝撃」と「恥ずかしさ」だけが強烈に残った。
のぞむ
「ご、ごめんさい…」
視線を落としたまま、小さな声。
美和
「まさか、こんなイケメンで童貞って事ないでしょ?」
冗談半分のつもりだったのに。
のぞむ
「その、まさかです…」
正直に言ってしまう。
一瞬の沈黙。
次の瞬間、美和の目が輝いた。
「マジ~意外~、私が教えてあげるわ」
そう言って、のぞむの手を引く。
戸惑う暇もなく、ベッドの方へ。
のぞむの心臓は、さっきよりもさらに速い。
恥ずかしさと、怖さと、期待が混ざる。
美和は軽く微笑みながら、のぞむの頬に触れる。
「大丈夫、ゆっくりね」
のぞむはごくりと喉を鳴らす。
男になって初めての夜。
それは、勢いではなく、覚悟の問題だった。
部屋の灯りが、少しだけ柔らかく見えた。
美和
「のぞむくんは、そのまま、横たわってて」
のぞむ
「は、はい……」
まだ息が整わないまま、のぞむはベッドに仰向けの姿勢で固まっていた。
顔は真っ赤で、視線を天井に固定している。
さっきの出来事が頭の中でぐるぐる回って、恥ずかしさで体が熱い。
美和はゆっくりと体を起こし、のぞむの上に覆いかぶさるように四つん這いになる。
柔らかな胸が軽く触れそうな距離。
甘いシャンプーの香りがふわりと降りてきて、のぞむの心臓がまた跳ねる。
美和
「私が優しく教えてあげるね」
囁くように言って、そっと唇を重ねる。
最初は触れるだけの、柔らかいキス。
のぞむの唇が震えているのがわかる。
美和は唇を離すと、首筋に顔を寄せた。
温かい息が肌にかかるだけで、のぞむの体がビクッと反応する。
美和
「ここ、敏感なんだ……」
舌先で首のラインを軽く舐め上げると、のぞむの喉から小さな声が漏れた。
のぞむ
「んっ……あ……」
まださっきの余韻が残っている体は、こんな軽い刺激にも過剰に反応してしまう。
美和は意図的に強くはせず、ただ優しく、ゆっくりと。
首筋から鎖骨へ、キスを落としながら指先で肩を撫でる。
美和
「焦らなくていいよ。のぞむくんは、感じてるままでいいから」
耳元で囁きながら、もう一度首筋に軽く歯を立てる。
痛くない、ただ甘い刺激。
のぞむ
「美和さん……っ、なんか、また……変な感じが……」
腰が勝手に小さく浮き上がる。
体がまた熱くなり始めているのが、自分でもわかる。
美和はくすりと笑って、
「まだ始まったばかりだよ?」
そう言って、のぞむの耳たぶを軽く甘噛みした。
のぞむの息がさらに乱れていく。
美和はあくまで「優しく教える」つもりで、
本気で追い込む気なんてないのに、
のぞむの体はもう、彼女の指一本、息遣い一つで敏感に震えていた。
美和はのぞむの胸元に顔を寄せ、ゆっくりと舌を這わせ始めた。
乳首の周りを円を描くように、湿った舌先で優しくなぞる。
のぞむの体が小さく震え、息が一瞬止まる。
美和はそのまま乳首を口に含み、柔らかく唇で包み込んだ。
軽く吸うと、チュッ……という小さな音が響く。
舌で先端を転がすように舐め回し、時折軽く歯を立てて甘噛みする。
のぞむの体がビクンと跳ね、背中が弓なりに反る。
シーツを握る手が白くなるほど力を込め、喉から小さな吐息が漏れる。
「んっ……」という声が、抑えきれずに零れる。
美和は口を離さず、もう片方の乳首を指で優しく摘まみ、
交互に舌と指で責めていく。
吸う強さはあくまでソフトで、焦らすようにゆっくり。
本気で追い込むつもりなんてなく、ただ優しく、丁寧に触れているだけ。
のぞむの下半身が疼き始め、腰が勝手に小さく浮き上がる。
体が熱く、震え、胸だけでまた限界が近づいてくる。
息がどんどん荒くなり、視界がぼやける。
美和は乳首から口を離し、濡れた唇で微笑んだ。
もう一度反対側の乳首に舌を這わせ、優しく吸い上げる。
のぞむの体は彼女の息遣い一つで敏感に反応し続け、
抵抗する気力もなく、ただ震えながら身を委ねていた。
美和
「まだまだだよ……のぞむくん」
耳元で囁きながら、舌をもう一度乳首に絡ませる。
優しく、確実に、のぞむの体を甘く溶かしていくように。
胸元を甘く責め立てていた美和の唇が、チュッ、と名残惜しそうに離れる。
そのまま彼女の顔は、のぞむの肌の温もりを確かめるように、ゆっくり、ゆっくりと下へ滑っていった。
「あ……っ、美和さん……っ」
おへその周りに柔らかい舌が這い、熱い吐息が直接肌に吹きかかる。
一切の衣服を纏わず、完全に剥き出しになったのぞむの身体。その中心では、先ほど一度限界を迎えて熱を放出したばかりだというのに、早くも再び熱を持ち、ビクビクと天を突くようにそそり立っていた。
「ふふっ……お腹、すごくドキドキしてるのが伝わってくるわ」
美和は、のぞむの下腹部にそっと柔らかな頬を擦り寄せると、艶やかな上目遣いで彼を見つめた。
そして、隠すものなく露わになった彼の熱く硬い昂りへと、白く細い指先をそっと這わせる。
「さっき、あんなにいっぱい出したばかりなのに……もうこんなに元気になっちゃって。本当に可愛いわね、のぞむくん」
直接触れられる滑らかな指の感触と、気恥ずかしい事実を甘い声で指摘されたことで、のぞむはビクンと腰を跳ねさせ、快感と羞恥で顔を真っ赤に染めた。
「……我慢できなくなりそうだったら、ちゃんと言ってね」
艶やかな上目遣いでそう囁くと、美和はゆっくりと顔を沈めた。
直後、のぞむは信じられないほどの熱と、とろけるような柔らかさにすっぽりと包み込まれた。
「あっ……! んっ、み、わさん……っ」
それは指先とは違う、もっとずっと温かく、優しく吸い付くような未知の感触だった。
彼女の滑らかな髪がのぞむの太ももに触れ、かすかな水音が静かな部屋に響くたび、背筋にゾクゾクとした痺れが走る。
「ん……、ふふ……」
時折、美和から漏れる甘い吐息が直接肌に伝わり、のぞむの身体をさらに熱くさせる。全身の血がそこに集まっていくような強烈な感覚に、のぞむは目の前が白く染まっていくのを感じながら、ただシーツを強く握りしめることしかできなかった。
「美、美和さん…ダメです…」
のぞむの声が震えて、ほとんど懇願みたいに掠れる。
美和はゆっくり口を離した。
唇が離れる瞬間、湿った音が小さく響いて、のぞむの息が止まる。
「もっと気持ち良い事、教えてあげる」
美和の声は低くて甘く、耳に直接溶け込む。
彼女はカバンからゴムを取り出し、
慣れた指で広げて、のぞむの熱く張りつめたアレに被せていく。
指先が触れるたび、のぞむの体がびくんと跳ねて、
先端から透明な雫が一滴零れる。
「…っ、はぁ…」
美和は静かに根元までしっかり装着させると、
のぞむの目を見つめて、ゆっくり腰を沈め始めた。
熱くて柔らかいぬくもりが、ゴム越しにじわじわ包み込んでくる。
美和の中はきつく締まりながら、滑らかにのぞむを飲み込んでいく。
ゆっくり、焦らすように、完全に沈みきるまで。
「……っ!」
のぞむの喉から短い悲鳴みたいな息が漏れて、
体が弓なりに反る。
両手が無意識に美和の太ももに伸びて、
指先が震えながら腰に触れるけど、押しのける力は入らず、
ただ爪が軽く食い込むだけ。
美和は腰を落としきって、動かずにのぞむの顔を見下ろす。
汗で濡れた前髪が額に張り付き、頬が真っ赤に染まってる。
のぞむの瞳は潤んで焦点がぼやけ、息が荒く短く切れる。
「…熱いね、ここ」
美和は指をのぞむの頬に這わせて、汗をそっと拭う。
のぞむの肌が火照って熱い。
二人の体温が混じって、息苦しいほど甘く濃くなる。
のぞむの言葉の言い方は一切変えずに、そのまま使って続きを調整するね。
のぞむの体がびくびくと震え続け、下腹部で熱いものが何度も膨らんでは引いてを繰り返す。
さっき出したばかりなのに、またすぐにこみ上げてくる感覚に、息が荒くなる。
「なんだこれ……さっき出したばかりなのに、またこみあがってくる……」
のぞむの声は掠れて、ほとんど呻きみたい。
「美、美和さん、ま、また……」
美和の動きがぴたりと止まった。
繋がったまま、腰を完全に静止させて、のぞむの顔をじっと見下ろす。
汗で濡れた瞳が、のぞむの潤んだ目を捕まえる。
「イッちゃいそう?」
美和の声は甘く、低く、耳元で溶けるように響く。
のぞむは喉を詰まらせて、必死に頷く。
「は、はい」
その言葉を聞いた瞬間、美和は小さく微笑んで、
ゆっくりと、けれど確実に腰を動かし始めた。
深く、滑らかに、のぞむの敏感な部分を擦り上げるように。
「あ、ダメです…美和さん…」
のぞむの声が上擦って、両手が美和の腰に食い込む。
爪が肌に赤い跡を残すほど強く握るけど、美和は意に介さず、少し速める。
のぞむの息が短く切れ、腰が無意識に浮き上がる。
もう限界が近い――と思った瞬間、
美和の動きがまた、ぴたりと止まった。
「……っ!」
のぞむの体がびくんと跳ねて、喉から小さな悲鳴が漏れる。
熱い波が頂点まで登りきって、でもそこで寸止めされる苦しさに、
目尻に涙が滲む。
美和は動かずに、ただ繋がったままのぞむの反応を味わうように見つめる。
指先で、のぞむの頬を優しく撫でて、汗を拭う。
「まだダメだよ……のぞむくん」
少し間を置いて、またゆっくり腰を動かし始める。
今度はもっと深く、もっとゆっくり、のぞむの奥を抉るように。
「あ、ダメです…美和さん…」
のぞむの声が甘く震えて、腰が勝手にびくびくする。
そしてまた、限界が近づいたところで――
美和の動きが止まる。
繰り返される寸止め。
熱が引かず、こみ上げては止められ、こみ上げては止められ。
のぞむの体はもう、びくびくと痙攣するように震え続け、
息が荒く、短く、ほとんど泣き声みたいになる。
「美、美和さん、ま、また……」
のぞむの懇願に、美和は目を細めて微笑む。
「もうちょっとだけ、我慢して?
のぞむくんのこんな顔、もっと見ていたいんだもん」
彼女はそう囁いて、またゆっくり腰を動かし始めた――。
この繰り返しが、いつまで続くのか。
のぞむの体は、もう熱くて、甘くて、限界の先で震えっぱなしだった。
のぞむの体はもう限界の先で震えっぱなしだった。
熱い波が何度も何度も押し寄せては止められ、こみ上げては寸止めされて、
下腹部が疼くように疼いて、涙が自然と目尻に溜まる。
「お願いします……美和さん…」
のぞむの声は掠れて、ほとんど泣き声みたいに弱々しい。
美和は動きを止めたまま、のぞむの顔を優しく見下ろして、
指先で頬を撫でる。
汗で濡れた肌が熱い。
「イキたいの?」
美和の声は甘く、低く、耳に絡みつく。
のぞむは喉を詰まらせて、必死に頷く。
「は、はい」
美和は目を細めて、にっこり微笑む。
繋がったまま、腰を少しだけ前後に揺らして、のぞむを焦らすように。
「イカせてください、お願いしますって言って」
のぞむの瞳が潤んで、唇が震える。
恥ずかしさで顔が真っ赤なのに、もう我慢できなくて。
「イカせてください……お願いします」
声が小さく、でもはっきり響く。
美和の表情が柔らかく溶ける。
「よく出来ました」
そう言うと、美和は今まで抑えていた動きを一気に速めた。
深く、強く、滑らかに、のぞむの奥を何度も何度も擦り上げる。
腰を落とすたび、ぬちゅぬちゅという音が部屋に響いて、
のぞむの体がびくびくと跳ねる。
「あっ~、イクッイク~~~」
のぞむはすぐに限界を迎えて、声を上げた。
体が弓なりに反って、両手が美和の腰に強く食い込み、
熱いものが一気に噴き出して、ゴム越しに美和の中に広がる。
びくん、びくん、と何度も痙攣しながら、
のぞむの息が荒く、短く切れて、
目尻から涙が一筋、頬を伝う。
美和は動きを緩めずに、最後まで優しく、深く腰を動かして、
のぞむの絶頂を全部受け止める。
のぞむの体がようやく脱力して、ぐったりとシーツに沈むまで。
美和はゆっくり腰を止めて、のぞむの額に唇を寄せる。
汗の匂いと、甘い吐息が混じって。
「…可愛かったよ、のぞむくん」
のぞむはまだ息が整わなくて、ただ荒く息をしながら、
美和の胸に顔を埋めるようにして、震えを抑えていた。
美和は、ゆっくり、のぞむの横に添い寝した。
シーツの温もりが、まだ残っている。
美和
「どうだった?」
のぞむ
「気、気持ち良かった……」
言葉にするのが、少しだけ照れくさい。
気持ち良かったけど……なんだろう、このやってしまったって気持ち………
胸の奥に、うっすらと重いものが残る。
のぞむは美和じゃなくて、天井をみていた。
白い天井が、妙に遠く感じる。
美和
「こんなにたくましいのにね、ギャップが凄く可愛かったよ」
くすっと笑う。
のぞむ
「ちょっと、は、恥ずかしいです」
顔が熱い。
美和
「次来る時までには勉強しといてね」
軽い冗談のようで、どこか期待を含んだ声。
のぞむ
「は、はい」
返事はしたけれど、心はまだ追いついていない。
隣には美和がいる。
でも、のぞむの視線は、ずっと天井のままだった。
美和
「そろそろ出よっか」
ベッドから体を起こし、軽く伸びをする。
のぞむ
「そうだね」
スマホを見て時間を見ると、まだ2時間か……長く感じたな。
体感は、もっとずっと長かった。
2人は黙ったまま着替える。
さっきまでの距離感が、少しだけ変わっている。
美和は鏡の前でリップを直す。
のぞむは、自分のシャツのボタンを留めながら、さっきの出来事を反芻していた。
(俺……何やってるんだろ)
達成感ではなく、どこか静かな空洞。
美和が振り向く。
「行こ?」
のぞむは小さく頷く。
2人は部屋を出る。
廊下は静かで、足音だけが響く。
エレベーターの中、鏡に映る自分の顔は、思っていたより大人びて見えた。
でも胸の奥は、まだ整理できていないままだった。
ホテルを後にする。
夜風が当たる。
さっきより少し、冷たく感じた。
ドアが閉まる音が、やけに重く響く。
美和
「ちょっと、酔い覚ましにシャワー浴びて来るね」
そう言って、軽く微笑みながらバスルームに向かった。
のぞむ
「あ、うん」
扉が閉まり、すぐにシャワーの音が聞こえ始める。
男になって初めてのホテル……
のぞむはネクタイを少し緩め、ソファーに腰を下ろす。
落ち着こうと深呼吸するが、鼓動がやけに早い。
(どうするんだ、俺……)
テレビのリモコンに手を伸ばしかけて、やめる。
静かな部屋に、水音だけが響く。
手のひらが、じんわり汗ばんでいる。
緊張しながらも、ソファーに座って待っていた。
シャワーの音が止まる。
少しして、バスルームの扉が開く。
ガウン姿の美和が出てくる。
濡れた髪から、ほのかにシャンプーの香りが漂う。
のぞむは一瞬、目を逸らしかけて、結局また見てしまう。
元女性だから、そんなのを見ても何にも感じないと思っていた。
でも体は男。
正直に反応してしまう。
自分の変化を、自分が一番持て余している。
美和
「のぞむくんもシャワー浴びてくる?結構飲んだでしょ?」
自然な声。
でも視線は、ちゃんとこちらを見ている。
のぞむ
「あ、うん」
立ち上がる時、少しぎこちない。
鼓動をごまかすように、そのままバスルームに向かった。
鏡に映る自分の顔は、思ったより赤かった。
そしてシャワーを浴び出てきた、のぞむ。
髪はまだ少し濡れている。
バスルームの蒸気が背中にまとわりついたまま、部屋に戻る。
美和はソファーに腰掛け、電子タバコをふかしていた。
薄く煙が揺れる。
のぞむ
「お待たせ」
と言って美和の横に座った。
距離は、さっきよりも近い。
シャワー上がりの匂いと、甘い香りが混ざる。
美和は横目で、のぞむを見る。
電子タバコを灰皿に置き、ゆっくりと体を向ける。
言葉はまだない。
でも、空気だけが変わる。
のぞむの喉が、わずかに鳴った。
そして美和は、のぞむに抱きつきキスをする。
突然の距離。
唇が触れた瞬間、のぞむの思考が一瞬止まる。
のぞむは驚き、顔を離す。
のぞむ
「んっ、美和さん」
呼吸が乱れる。
美和
「何?ホテルについて男女がやることなんて、ひとつしかないじゃん」
まっすぐな視線。
のぞむ
「え、でも」
言葉が続かない。
頭の中では、いくつもの感情がぶつかっている。
美和
「でも、こっちは正直だね」
と美和は、すーっと膨らみに手を伸ばす。
のぞむ
「あ、そこは……」
声がかすれる。
体は正直に反応している。
でも心は、まだ追いついていない。
女だった頃にはなかった感覚。
求められる側から、求められる“男”になった現実。
美和の指先が近づくたび、鼓動が速くなる。
逃げたいわけじゃない。
でも、覚悟ができていない。
部屋の静けさが、やけに重く感じられた。
そして美和は、のぞむのガウンをはだけさせる。
布がゆるく開き、肌に夜の空気が触れる。
のぞむ
「ちょ、ちょっと美和さん」
声がわずかに震える。
美和
「すごい胸板~」
すーっと胸元を撫でる。
指先がゆっくりと動き、軽く突起物に触れる。
のぞむ
「あ、美和さん…」
息が浅くなる。
美和
「ここ感じるんだね…」
とさらに胸元を撫でる。
のぞむの体は、正直だった。
触れられるたびに、熱がじわりと広がる。
でも同時に、頭の中では別の声が鳴っている。
(これでいいのか…?)
求められている。
男として。
でも、自分の気持ちは追いついていない。
美和の指先が止まる。
視線が絡む。
部屋の空気が、ゆっくりと重くなっていく。
美和
「こっち、すごいことになってるけど」
ガウンの隙間からそっと手を滑り込ませ、隠れていた部分に指先を軽く触れさせる。
あくまで本番前の軽いイタズラ、反応見て笑おうかな、くらいのノリ。
のぞむ
「ちょっと、美和さん……!」
慌てて手を重ねて隠そうとするけど、美和の指はもう優しく包み込んでいて。
美和
「捕まえた♡」
いたずらっぽく目を細めて笑う。
握ったり擦ったりはせず、ただ軽く撫でるように、指をゆっくり上下に動かすだけ。
本気でどうこうする気なんて、これっぽっちもない。
のぞむ
「あっ……っ」
触れられただけで、体がビクンと硬直する。
まだ男の感覚に慣れていないそこは、ほんの軽い刺激で熱く脈を打ち始めた。
美和
「何が……? ダメ?」
からかうように囁きながら、指の腹で優しく先端をなぞる。
強くしない、激しくしない。ただの遊びの延長。
のぞむ
「ほ、本当に……ダメです……」
声が震えて、腰が勝手に小さく揺れる。
止めようとする手が力なく滑り落ちる。
男になって1年。
女性経験ゼロ、ひとりエッチすらほぼしたことない。
だからこの程度の、ただの軽い触れ合いが、体にとっては耐えがたいほどの刺激だった。
のぞむ
「や……っ、なんか……こみ上げてきて……」
息が荒くなり、視界がぼやける。
美和
「ふふ、ちょっと大げさじゃない? こんな軽く触ってるだけなのに」
まだ余裕たっぷりに笑ってる。
まさかここまで早く限界が来るとは思ってなくて。
次の瞬間――
「あっ……っ!!」
のぞむの体がびくびくと激しく痙攣して、熱いものが美和の手に溢れ出した。
部屋に静寂。
美和
「……え? マジで? 今の、ただ撫でただけなのに?」
完全にポカンとして、手を止めたまま固まる。
本気でイカせようなんて1ミリも思ってなかったのに、
ただの軽い前戯のつもりが、こんな即落ちになるとは。
のぞむは息を切らして、顔を真っ赤にしながら俯く。
言葉が出ない。
恥ずかしさと衝撃で頭が真っ白。
美和
「……ご、ごめん? え、溜まりすぎてたの? 予想外すぎるんだけど……」
少し慌てて、でもどこか可笑しさを堪えきれない声で呟く。
初めての絶頂は、甘い余韻なんてほとんどなくて、
ただただ「衝撃」と「恥ずかしさ」だけが強烈に残った。
のぞむ
「ご、ごめんさい…」
視線を落としたまま、小さな声。
美和
「まさか、こんなイケメンで童貞って事ないでしょ?」
冗談半分のつもりだったのに。
のぞむ
「その、まさかです…」
正直に言ってしまう。
一瞬の沈黙。
次の瞬間、美和の目が輝いた。
「マジ~意外~、私が教えてあげるわ」
そう言って、のぞむの手を引く。
戸惑う暇もなく、ベッドの方へ。
のぞむの心臓は、さっきよりもさらに速い。
恥ずかしさと、怖さと、期待が混ざる。
美和は軽く微笑みながら、のぞむの頬に触れる。
「大丈夫、ゆっくりね」
のぞむはごくりと喉を鳴らす。
男になって初めての夜。
それは、勢いではなく、覚悟の問題だった。
部屋の灯りが、少しだけ柔らかく見えた。
美和
「のぞむくんは、そのまま、横たわってて」
のぞむ
「は、はい……」
まだ息が整わないまま、のぞむはベッドに仰向けの姿勢で固まっていた。
顔は真っ赤で、視線を天井に固定している。
さっきの出来事が頭の中でぐるぐる回って、恥ずかしさで体が熱い。
美和はゆっくりと体を起こし、のぞむの上に覆いかぶさるように四つん這いになる。
柔らかな胸が軽く触れそうな距離。
甘いシャンプーの香りがふわりと降りてきて、のぞむの心臓がまた跳ねる。
美和
「私が優しく教えてあげるね」
囁くように言って、そっと唇を重ねる。
最初は触れるだけの、柔らかいキス。
のぞむの唇が震えているのがわかる。
美和は唇を離すと、首筋に顔を寄せた。
温かい息が肌にかかるだけで、のぞむの体がビクッと反応する。
美和
「ここ、敏感なんだ……」
舌先で首のラインを軽く舐め上げると、のぞむの喉から小さな声が漏れた。
のぞむ
「んっ……あ……」
まださっきの余韻が残っている体は、こんな軽い刺激にも過剰に反応してしまう。
美和は意図的に強くはせず、ただ優しく、ゆっくりと。
首筋から鎖骨へ、キスを落としながら指先で肩を撫でる。
美和
「焦らなくていいよ。のぞむくんは、感じてるままでいいから」
耳元で囁きながら、もう一度首筋に軽く歯を立てる。
痛くない、ただ甘い刺激。
のぞむ
「美和さん……っ、なんか、また……変な感じが……」
腰が勝手に小さく浮き上がる。
体がまた熱くなり始めているのが、自分でもわかる。
美和はくすりと笑って、
「まだ始まったばかりだよ?」
そう言って、のぞむの耳たぶを軽く甘噛みした。
のぞむの息がさらに乱れていく。
美和はあくまで「優しく教える」つもりで、
本気で追い込む気なんてないのに、
のぞむの体はもう、彼女の指一本、息遣い一つで敏感に震えていた。
美和はのぞむの胸元に顔を寄せ、ゆっくりと舌を這わせ始めた。
乳首の周りを円を描くように、湿った舌先で優しくなぞる。
のぞむの体が小さく震え、息が一瞬止まる。
美和はそのまま乳首を口に含み、柔らかく唇で包み込んだ。
軽く吸うと、チュッ……という小さな音が響く。
舌で先端を転がすように舐め回し、時折軽く歯を立てて甘噛みする。
のぞむの体がビクンと跳ね、背中が弓なりに反る。
シーツを握る手が白くなるほど力を込め、喉から小さな吐息が漏れる。
「んっ……」という声が、抑えきれずに零れる。
美和は口を離さず、もう片方の乳首を指で優しく摘まみ、
交互に舌と指で責めていく。
吸う強さはあくまでソフトで、焦らすようにゆっくり。
本気で追い込むつもりなんてなく、ただ優しく、丁寧に触れているだけ。
のぞむの下半身が疼き始め、腰が勝手に小さく浮き上がる。
体が熱く、震え、胸だけでまた限界が近づいてくる。
息がどんどん荒くなり、視界がぼやける。
美和は乳首から口を離し、濡れた唇で微笑んだ。
もう一度反対側の乳首に舌を這わせ、優しく吸い上げる。
のぞむの体は彼女の息遣い一つで敏感に反応し続け、
抵抗する気力もなく、ただ震えながら身を委ねていた。
美和
「まだまだだよ……のぞむくん」
耳元で囁きながら、舌をもう一度乳首に絡ませる。
優しく、確実に、のぞむの体を甘く溶かしていくように。
胸元を甘く責め立てていた美和の唇が、チュッ、と名残惜しそうに離れる。
そのまま彼女の顔は、のぞむの肌の温もりを確かめるように、ゆっくり、ゆっくりと下へ滑っていった。
「あ……っ、美和さん……っ」
おへその周りに柔らかい舌が這い、熱い吐息が直接肌に吹きかかる。
一切の衣服を纏わず、完全に剥き出しになったのぞむの身体。その中心では、先ほど一度限界を迎えて熱を放出したばかりだというのに、早くも再び熱を持ち、ビクビクと天を突くようにそそり立っていた。
「ふふっ……お腹、すごくドキドキしてるのが伝わってくるわ」
美和は、のぞむの下腹部にそっと柔らかな頬を擦り寄せると、艶やかな上目遣いで彼を見つめた。
そして、隠すものなく露わになった彼の熱く硬い昂りへと、白く細い指先をそっと這わせる。
「さっき、あんなにいっぱい出したばかりなのに……もうこんなに元気になっちゃって。本当に可愛いわね、のぞむくん」
直接触れられる滑らかな指の感触と、気恥ずかしい事実を甘い声で指摘されたことで、のぞむはビクンと腰を跳ねさせ、快感と羞恥で顔を真っ赤に染めた。
「……我慢できなくなりそうだったら、ちゃんと言ってね」
艶やかな上目遣いでそう囁くと、美和はゆっくりと顔を沈めた。
直後、のぞむは信じられないほどの熱と、とろけるような柔らかさにすっぽりと包み込まれた。
「あっ……! んっ、み、わさん……っ」
それは指先とは違う、もっとずっと温かく、優しく吸い付くような未知の感触だった。
彼女の滑らかな髪がのぞむの太ももに触れ、かすかな水音が静かな部屋に響くたび、背筋にゾクゾクとした痺れが走る。
「ん……、ふふ……」
時折、美和から漏れる甘い吐息が直接肌に伝わり、のぞむの身体をさらに熱くさせる。全身の血がそこに集まっていくような強烈な感覚に、のぞむは目の前が白く染まっていくのを感じながら、ただシーツを強く握りしめることしかできなかった。
「美、美和さん…ダメです…」
のぞむの声が震えて、ほとんど懇願みたいに掠れる。
美和はゆっくり口を離した。
唇が離れる瞬間、湿った音が小さく響いて、のぞむの息が止まる。
「もっと気持ち良い事、教えてあげる」
美和の声は低くて甘く、耳に直接溶け込む。
彼女はカバンからゴムを取り出し、
慣れた指で広げて、のぞむの熱く張りつめたアレに被せていく。
指先が触れるたび、のぞむの体がびくんと跳ねて、
先端から透明な雫が一滴零れる。
「…っ、はぁ…」
美和は静かに根元までしっかり装着させると、
のぞむの目を見つめて、ゆっくり腰を沈め始めた。
熱くて柔らかいぬくもりが、ゴム越しにじわじわ包み込んでくる。
美和の中はきつく締まりながら、滑らかにのぞむを飲み込んでいく。
ゆっくり、焦らすように、完全に沈みきるまで。
「……っ!」
のぞむの喉から短い悲鳴みたいな息が漏れて、
体が弓なりに反る。
両手が無意識に美和の太ももに伸びて、
指先が震えながら腰に触れるけど、押しのける力は入らず、
ただ爪が軽く食い込むだけ。
美和は腰を落としきって、動かずにのぞむの顔を見下ろす。
汗で濡れた前髪が額に張り付き、頬が真っ赤に染まってる。
のぞむの瞳は潤んで焦点がぼやけ、息が荒く短く切れる。
「…熱いね、ここ」
美和は指をのぞむの頬に這わせて、汗をそっと拭う。
のぞむの肌が火照って熱い。
二人の体温が混じって、息苦しいほど甘く濃くなる。
のぞむの言葉の言い方は一切変えずに、そのまま使って続きを調整するね。
のぞむの体がびくびくと震え続け、下腹部で熱いものが何度も膨らんでは引いてを繰り返す。
さっき出したばかりなのに、またすぐにこみ上げてくる感覚に、息が荒くなる。
「なんだこれ……さっき出したばかりなのに、またこみあがってくる……」
のぞむの声は掠れて、ほとんど呻きみたい。
「美、美和さん、ま、また……」
美和の動きがぴたりと止まった。
繋がったまま、腰を完全に静止させて、のぞむの顔をじっと見下ろす。
汗で濡れた瞳が、のぞむの潤んだ目を捕まえる。
「イッちゃいそう?」
美和の声は甘く、低く、耳元で溶けるように響く。
のぞむは喉を詰まらせて、必死に頷く。
「は、はい」
その言葉を聞いた瞬間、美和は小さく微笑んで、
ゆっくりと、けれど確実に腰を動かし始めた。
深く、滑らかに、のぞむの敏感な部分を擦り上げるように。
「あ、ダメです…美和さん…」
のぞむの声が上擦って、両手が美和の腰に食い込む。
爪が肌に赤い跡を残すほど強く握るけど、美和は意に介さず、少し速める。
のぞむの息が短く切れ、腰が無意識に浮き上がる。
もう限界が近い――と思った瞬間、
美和の動きがまた、ぴたりと止まった。
「……っ!」
のぞむの体がびくんと跳ねて、喉から小さな悲鳴が漏れる。
熱い波が頂点まで登りきって、でもそこで寸止めされる苦しさに、
目尻に涙が滲む。
美和は動かずに、ただ繋がったままのぞむの反応を味わうように見つめる。
指先で、のぞむの頬を優しく撫でて、汗を拭う。
「まだダメだよ……のぞむくん」
少し間を置いて、またゆっくり腰を動かし始める。
今度はもっと深く、もっとゆっくり、のぞむの奥を抉るように。
「あ、ダメです…美和さん…」
のぞむの声が甘く震えて、腰が勝手にびくびくする。
そしてまた、限界が近づいたところで――
美和の動きが止まる。
繰り返される寸止め。
熱が引かず、こみ上げては止められ、こみ上げては止められ。
のぞむの体はもう、びくびくと痙攣するように震え続け、
息が荒く、短く、ほとんど泣き声みたいになる。
「美、美和さん、ま、また……」
のぞむの懇願に、美和は目を細めて微笑む。
「もうちょっとだけ、我慢して?
のぞむくんのこんな顔、もっと見ていたいんだもん」
彼女はそう囁いて、またゆっくり腰を動かし始めた――。
この繰り返しが、いつまで続くのか。
のぞむの体は、もう熱くて、甘くて、限界の先で震えっぱなしだった。
のぞむの体はもう限界の先で震えっぱなしだった。
熱い波が何度も何度も押し寄せては止められ、こみ上げては寸止めされて、
下腹部が疼くように疼いて、涙が自然と目尻に溜まる。
「お願いします……美和さん…」
のぞむの声は掠れて、ほとんど泣き声みたいに弱々しい。
美和は動きを止めたまま、のぞむの顔を優しく見下ろして、
指先で頬を撫でる。
汗で濡れた肌が熱い。
「イキたいの?」
美和の声は甘く、低く、耳に絡みつく。
のぞむは喉を詰まらせて、必死に頷く。
「は、はい」
美和は目を細めて、にっこり微笑む。
繋がったまま、腰を少しだけ前後に揺らして、のぞむを焦らすように。
「イカせてください、お願いしますって言って」
のぞむの瞳が潤んで、唇が震える。
恥ずかしさで顔が真っ赤なのに、もう我慢できなくて。
「イカせてください……お願いします」
声が小さく、でもはっきり響く。
美和の表情が柔らかく溶ける。
「よく出来ました」
そう言うと、美和は今まで抑えていた動きを一気に速めた。
深く、強く、滑らかに、のぞむの奥を何度も何度も擦り上げる。
腰を落とすたび、ぬちゅぬちゅという音が部屋に響いて、
のぞむの体がびくびくと跳ねる。
「あっ~、イクッイク~~~」
のぞむはすぐに限界を迎えて、声を上げた。
体が弓なりに反って、両手が美和の腰に強く食い込み、
熱いものが一気に噴き出して、ゴム越しに美和の中に広がる。
びくん、びくん、と何度も痙攣しながら、
のぞむの息が荒く、短く切れて、
目尻から涙が一筋、頬を伝う。
美和は動きを緩めずに、最後まで優しく、深く腰を動かして、
のぞむの絶頂を全部受け止める。
のぞむの体がようやく脱力して、ぐったりとシーツに沈むまで。
美和はゆっくり腰を止めて、のぞむの額に唇を寄せる。
汗の匂いと、甘い吐息が混じって。
「…可愛かったよ、のぞむくん」
のぞむはまだ息が整わなくて、ただ荒く息をしながら、
美和の胸に顔を埋めるようにして、震えを抑えていた。
美和は、ゆっくり、のぞむの横に添い寝した。
シーツの温もりが、まだ残っている。
美和
「どうだった?」
のぞむ
「気、気持ち良かった……」
言葉にするのが、少しだけ照れくさい。
気持ち良かったけど……なんだろう、このやってしまったって気持ち………
胸の奥に、うっすらと重いものが残る。
のぞむは美和じゃなくて、天井をみていた。
白い天井が、妙に遠く感じる。
美和
「こんなにたくましいのにね、ギャップが凄く可愛かったよ」
くすっと笑う。
のぞむ
「ちょっと、は、恥ずかしいです」
顔が熱い。
美和
「次来る時までには勉強しといてね」
軽い冗談のようで、どこか期待を含んだ声。
のぞむ
「は、はい」
返事はしたけれど、心はまだ追いついていない。
隣には美和がいる。
でも、のぞむの視線は、ずっと天井のままだった。
美和
「そろそろ出よっか」
ベッドから体を起こし、軽く伸びをする。
のぞむ
「そうだね」
スマホを見て時間を見ると、まだ2時間か……長く感じたな。
体感は、もっとずっと長かった。
2人は黙ったまま着替える。
さっきまでの距離感が、少しだけ変わっている。
美和は鏡の前でリップを直す。
のぞむは、自分のシャツのボタンを留めながら、さっきの出来事を反芻していた。
(俺……何やってるんだろ)
達成感ではなく、どこか静かな空洞。
美和が振り向く。
「行こ?」
のぞむは小さく頷く。
2人は部屋を出る。
廊下は静かで、足音だけが響く。
エレベーターの中、鏡に映る自分の顔は、思っていたより大人びて見えた。
でも胸の奥は、まだ整理できていないままだった。
ホテルを後にする。
夜風が当たる。
さっきより少し、冷たく感じた。
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