クローバーをあげたくて

たみやえる

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自然教室三日目 1

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 そして、二日目の軽登山も何事もなく終わり……。
 いよいよ今回の行事のクライマックスの、キャンプ体験を行う三日目がきた。
洸夜たちが配られたテントを二つ、なんとか張り終えたところで、
「新堂―、昼飯の材料もらってきたぞー」
 食材係として材料を受け取りに行っていた西と冬木が戻ってきた。
「わ、たくさん。こんなにたくさんじゃ重かったでしょう、えらかったね」
と、もう一人の五年生女子の時田が二人を出迎える。
 冬木は褒められて嬉しいのか僅かに目を細めて唇の両端を上げていた。
 それを横目に井出ともう一人の三年生に手伝わせてかまど用に石を積んでいた洸夜に、
「にしてもマジでやるのかよ」
と西が白米の入ったビニール袋をかかげて見せた。
「米から炊くとか面倒じゃん。ご飯はパック詰めのをもらってカレーだけ作ればよかったじゃね。パックご飯を選んだ班も結構いたらしいぞ」
「それは、その方が楽だけど……せっかくならとことんキャンプっぽいことしたいだろ? 飯盒炊飯はんごうすいはん選んだのうちだけじゃないし」
「そぉかぁ?」
「大丈夫だよ。なんたって、うちの班のリーダーは新堂君だもん」
と、時田が西の背中をはたきながら笑顔で言う。
「そりゃ、新堂のことは頼りにしてるけど。火を使うってのもさぁ。うちI Hだから火を使ったことないんだよな」
 西は自信なさげだ。
「うちの家もI Hだけど、お鍋の時はカセットコンロを使うかな」
と返した時田が、
「みんなは火、使ったことある?」
と、下級生の四人を見回してから〈しまった〉という表情になった。
 その場にいた全員が一斉に冬木を見た。
 冬木は唇を引き結んで誰とも目があわないようにしている。
 気まずい空気だ。
 そんな中、一人だけ冬木を見ていない人間がいた。洸夜だ。彼だけが出来上がったかまどに薪や丸めてくしゃくしゃにした新聞紙を組み上げる作業をしていた。
 組み上がった薪の下にわざと開けた隙間に丸めた新聞紙を入れ、火をつけた小枝を差し込むのだが……。
「くそっ、なかなか火がつかない」
マッチを擦って靴のつま先で挟んで立てた小枝に火をつけようとするのだが、途中でマッチの火が消えてしまう。それを三回繰り返した洸夜は、イライラと手にしていたマッチ箱を地面に叩きつけた。
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