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学院編
82 考察
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帰りの馬車の中で僕はアーサーに尋ねてみた。
「もしかしてパークス子爵って降爵されたのか?」
なるべく小さな声を出したつもりだったが、アーサーは「しっ!」と人差し指を口に当てた。
「今ここで出来る話じゃないからね。このままエドの家にお邪魔しても良いかな? 無理なら諦めるけれど…」
「いいよ。義母様もアーサーなら怒ったりはしないと思うからね」
ジェイミーはこの馬車には乗っていないけれど、他の生徒の口から僕達が話題にしていたと告げられるのも困る。
馬車止まりに着くとアーサーは迎えに来ていた従僕に、これから僕の家に行くと告げた。
「かしこまりました。それでは後ほどエルガー家に迎えの馬車を寄越します。エドアルド様、アーサー様をよろしくお願いします」
そう告げると従僕は恭しく頭を下げた。
エミーは僕とアーサーを連れてエルガー家へと歩き出した。
エルガー家に到着すると、エミーはすぐに応接室の準備を整えさせ、義母様へアーサーが来た事を報告させていた。
素早く応接室が整えられ、僕達はそこへ足を運んだ。
僕とアーサーが向かい合ってソファーに座ると、エミーがお茶を淹れてくれた。
「それではアーサー様、エドアルド様。ごゆっくりなさってくださいませ」
エミーはそう告げると僕達を残して応接室を出て行った。
バタンと扉が閉まって二人きりになると、畏まっていた姿勢を少しだけ崩す。
「それで? パークス子爵家の話だっけ?」
アーサーがお茶を一口飲むと、僕に確認してくる。
「うん。ディクソン先生に随分と食い下がっていただろう? だからもしかして降爵されたのかなと思ったんだ」
「まあね。あれじゃ、パークス子爵家が降爵された家だと公表しているようなものだな。僕もまさか年表に『双子王子』の事が記述されていないとは思っていなかったからね」
アーサーの言葉に僕は「ん?」と首を傾げた。
「アーサーは『双子王子』の事は知っていたのか?」
「まあね。…実は僕の家はこの『双子王子』の時に弟王子を支援していたとかで、男爵から子爵に陞爵されたんだ。だけど『他所で話題にするな』と言われたのはパークス子爵家みたいな家があるからなんだね。エドも黙っておいてくれるね」
アーサーにお願いされて僕は一も二もなく頷いてみせる。
「勿論だよ。それにしてもパークス子爵家みたいに降爵されたままの家って多いのかな?」
「どうだろうね。あの時は国を二分するほどの勢いだったらしいから、それなりの数の貴族が兄王子に付いていたんだろうね。万が一、兄王子が失脚しなければ、この国は二つに分かれていたかもしれないね」
アーサーの言葉を聞いて、僕はふと疑問に思った事を口にした。
「兄王子はどうして失脚したのかな?」
「さあ? それに関しては我が家に伝わる日記にも何も書かれていなかったからね。何があったかはわからないな」
アーサーの言葉を聞きながら、僕の頭の中にはある考えが浮かんだ。
もしかして、国を二分される事を阻止しようとした誰かが兄王子を失脚させたのではないだろうかと…。
僕のように身近な誰かに裏切られた可能性はなきにしもあらずだろう。
「それにしても、エドがこんなにも『双子王子』の事に興味を示すとは思わなかったな。どうしてだ?」
アーサーの言葉に僕はドキッとする。
ここはなんとしても誤魔化さなくちゃ。
「今日初めて聞いた話だったからね。我が家ではそんな事は一言も聞いた事がなかったからね」
「ああ、なるほどね。中には中立を保つ家もあったらしいからね。それでも中立派もどちらかに付くように強要されたらしいけれどね」
強要か。
もしかしたら、中立派が強要から逃れるために手を下したとも考えられるかな。
今更、真相を暴いても何にもならないけどね。
しばらくしてコールリッジ家から迎えの馬車が来て、アーサーは名残惜しそうに帰っていった。
「もしかしてパークス子爵って降爵されたのか?」
なるべく小さな声を出したつもりだったが、アーサーは「しっ!」と人差し指を口に当てた。
「今ここで出来る話じゃないからね。このままエドの家にお邪魔しても良いかな? 無理なら諦めるけれど…」
「いいよ。義母様もアーサーなら怒ったりはしないと思うからね」
ジェイミーはこの馬車には乗っていないけれど、他の生徒の口から僕達が話題にしていたと告げられるのも困る。
馬車止まりに着くとアーサーは迎えに来ていた従僕に、これから僕の家に行くと告げた。
「かしこまりました。それでは後ほどエルガー家に迎えの馬車を寄越します。エドアルド様、アーサー様をよろしくお願いします」
そう告げると従僕は恭しく頭を下げた。
エミーは僕とアーサーを連れてエルガー家へと歩き出した。
エルガー家に到着すると、エミーはすぐに応接室の準備を整えさせ、義母様へアーサーが来た事を報告させていた。
素早く応接室が整えられ、僕達はそこへ足を運んだ。
僕とアーサーが向かい合ってソファーに座ると、エミーがお茶を淹れてくれた。
「それではアーサー様、エドアルド様。ごゆっくりなさってくださいませ」
エミーはそう告げると僕達を残して応接室を出て行った。
バタンと扉が閉まって二人きりになると、畏まっていた姿勢を少しだけ崩す。
「それで? パークス子爵家の話だっけ?」
アーサーがお茶を一口飲むと、僕に確認してくる。
「うん。ディクソン先生に随分と食い下がっていただろう? だからもしかして降爵されたのかなと思ったんだ」
「まあね。あれじゃ、パークス子爵家が降爵された家だと公表しているようなものだな。僕もまさか年表に『双子王子』の事が記述されていないとは思っていなかったからね」
アーサーの言葉に僕は「ん?」と首を傾げた。
「アーサーは『双子王子』の事は知っていたのか?」
「まあね。…実は僕の家はこの『双子王子』の時に弟王子を支援していたとかで、男爵から子爵に陞爵されたんだ。だけど『他所で話題にするな』と言われたのはパークス子爵家みたいな家があるからなんだね。エドも黙っておいてくれるね」
アーサーにお願いされて僕は一も二もなく頷いてみせる。
「勿論だよ。それにしてもパークス子爵家みたいに降爵されたままの家って多いのかな?」
「どうだろうね。あの時は国を二分するほどの勢いだったらしいから、それなりの数の貴族が兄王子に付いていたんだろうね。万が一、兄王子が失脚しなければ、この国は二つに分かれていたかもしれないね」
アーサーの言葉を聞いて、僕はふと疑問に思った事を口にした。
「兄王子はどうして失脚したのかな?」
「さあ? それに関しては我が家に伝わる日記にも何も書かれていなかったからね。何があったかはわからないな」
アーサーの言葉を聞きながら、僕の頭の中にはある考えが浮かんだ。
もしかして、国を二分される事を阻止しようとした誰かが兄王子を失脚させたのではないだろうかと…。
僕のように身近な誰かに裏切られた可能性はなきにしもあらずだろう。
「それにしても、エドがこんなにも『双子王子』の事に興味を示すとは思わなかったな。どうしてだ?」
アーサーの言葉に僕はドキッとする。
ここはなんとしても誤魔化さなくちゃ。
「今日初めて聞いた話だったからね。我が家ではそんな事は一言も聞いた事がなかったからね」
「ああ、なるほどね。中には中立を保つ家もあったらしいからね。それでも中立派もどちらかに付くように強要されたらしいけれどね」
強要か。
もしかしたら、中立派が強要から逃れるために手を下したとも考えられるかな。
今更、真相を暴いても何にもならないけどね。
しばらくしてコールリッジ家から迎えの馬車が来て、アーサーは名残惜しそうに帰っていった。
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