御家騒動なんて真っ平ごめんです〜捨てられた双子の片割れは平凡な人生を歩みたい〜

伽羅

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学院編

124 エドワード王子との対峙

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「エドワード王子とクリフトンがここにいるエドアルド君と話をしたがっているのはわかっていましたが、エドアルド君の希望もあって私が阻止しておりました」

 オーウェンの爆弾発言にエドワード王子は眉を寄せる。

「何だと? 私とクリフトンが下位貴族の教室に行こうとする度に何かしらの邪魔が入ったのはそういう事か?」

 どうやら様々な妨害をオーウェンがしてくれていたようだ。

 僕としては学院内でコソコソしなくて良かったから助かったけどね。

「そうですよ。それでもいずれはエドワード王子と話をさせなくてはと思っていましたからね。こうしてこの場を設けたわけです」

「この場を設けたと言われても、こうして皆が見ているではないか。…あれ?」

 エドワード王子は他のクラスメイト達の方に顔を向けて、そこでようやく皆が静止画のように固まっている事に気付いたようだ。

「私達以外の人間の時間は止まっています。…ヴィーもこちらに来なさい」

 オーウェンはクラスメイト達の所にいるヴィクター先生に声をかけた。

 ヴィクター先生は瞬間移動をしてオーウェンの隣に立った。

「ヴィクター先生?」

 エドワード王子に声をかけられたヴィクター先生は黙ったままヴィンセントへと姿を変えた。

「そ、その顔は…ヴィンセント王!?」

 ヴィンセントの顔を見てエドワード王子はその場に跪いた。

 一瞬でヴィンセント王だと分かるなんて、王宮にはヴィンセント王の肖像画でもあるんだろうか?

「エドワード王子。私はもう王ではない。今は生まれ変わってエルフとして生きているただのヴィンセントだ」

 そう言って跪いているエドワード王子の腕を取って立たせている。

「そうですか。そこのエドアルド君が驚いていないという事は既にヴィンセントとも面識があると言う事ですね」

 エドワード王子がこちらを向いたので僕はコクリと頷いた。

「こうしてこの場を設けたという事は、私と話をしてくれるという事ですか?」

 オーウェンに不意打ちでこの場を設けられてしまったが、いずれ対峙しなくてはならない事はわかっていた。

 いつまでもオーウェンに頼り切りではいられない。

 ここは腹をくくってエドワード王子と話をしなくてはならない。

「改めてご挨拶いたします。エドアルド・エルガーと申します」

 僕は一旦そこで言葉を切ると、おもむろに眼鏡を外した。

 エドワード王子が僕の顔を見て息を呑む。

「そして、エドワード王子とは双子の兄弟です」

 エドワード王子がゴクリと唾を飲む音が聞こえた。

「本当に…?」

「はい」

 しんとした静寂が辺りを包む。

エドワード王子が何か言いたそうな顔をしているが、なかなか次の言葉が出て来ないようだ。

「…どうしてその事を君は知っているんだ?」

「信じられないかもしれませんが…僕は前世の記憶を持ったままこの世界に生まれ変わりました。だから。エドアルドとして生まれた時の事を覚えているんです」 

「前世の記憶? まさか…。そんな事があるのか?」

 エドワード王子が信じられないといった様子で僕の顔をまじまじと見つめてくる。

 そりゃまあ、にわかには信じられない話だよね。

 そこへオーウェンが助け舟を出してくれた。

「エドアルド君の言っている事は本当ですよ。私が彼の記憶を覗いて確かめました」

 オーウェンの証言を聞いてようやくエドワード王子は納得してくれたようだ。

「そうですか。それで君は自分が私と双子だと知っているのですね」

 その後、エドワード王子は躊躇いがちに尋ねてくる。

「その…。父上が生まれたばかりの君を捨てたというのは本当だろうか?」

「…はい、本当です」 

 ここで嘘を言っても仕方がないので肯定しておくが、流石に『殺されかけた』というのは黙っておこう。

 そんな事を言って国王とエドワード王子の間に亀裂が入ってしまうのは避けたい。

 親子関係が悪くなり、僕に『後を継がせる』とか言って追いかけられても困る。

「そうか…」

 そのままエドワード王子は僕に深々と頭を下げた。

「申し訳ない。父上に代わって謝罪させてくれ!」

 いや、本当にそういうのは要らないからね。




 
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