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幼少期
50 説得
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今にも王宮に乗り込んで行きそうなチャールズに、僕は大げさにため息をついてみせる。
「チャールズさんのお話はわかりました。万が一、僕が王子だったとして、どうして僕は捨てられたんでしょうか?」
僕が首を傾げてみせると、チャールズは目をパチクリさせている。
「おや、エドアルド様はこの国に起こった騒動をご存知なかったのですね。それでは私の方からお話して差し上げましょう。今からおよそ二百年前の事です。当時、王家には双子の王子がおられました。最初は兄王子が後継者だったのですが、弟王子を推す貴族が現れまして激しい後継者争いが始まったのです。その結果、弟王子が勝利し、兄王子は処刑されました。それ以来、王家では双子は忌み嫌われる存在となったのです」
なんか見てきたような話し方だけど、実際にその場にいたわけじゃないよね。
だけど、どうしてチャールズが僕を誘拐してまで王宮に連れて行こうとするんだろうか?
その理由が知りたくて僕は更に質問する。
「なるほど。後継者争いを避けるために双子のうちの一人は捨てられたと言うのですね。だけど、どうしてチャールズさんがもう一人の王子を王宮に連れて行こうとしているんですか?」
するとチャールズはキラリと目を光らせた。
「兄王子が処刑されるのと同時に兄王子を推していた貴族の当主は処刑され、その一族は降爵されたのです。その時我がスタンレイ家も侯爵から子爵へと落とされました。同じようにマクレガン家も子爵となったのに、今回の事で伯爵へと陞爵したのです。ですから、私はエドアルド様を後継者として推して我がスタンレイ家を再び侯爵へと押し上げたいのです」
チャールズは両手で拳を握って力説している。
どうやらそっちが本音のようだ。
スタンレイ家を陞爵させる理由を作るために僕を利用しようとしているのだろう。
ますますもって真っ平ごめんな話だ。
「お話はわかりました。だけど、僕は王宮には行きません。たとえ国王夫妻が僕の本当の親だとしても、向こうが僕を要らないからと捨てたのです。そんな人達に僕は会いたくありません!」
父親である国王の顔は生まれた時に見ているし、母親である王妃とも体面を果たした。
エドワードとはまだ会っていないけれど、この国の王子なのだから、そのうち何処かで見る機会はあるだろう。
もしかしたら学院で出会えるかもしれない。
僕がピシャリと断ると、チャールズは驚愕の顔を見せた。
「な、何をおっしゃいます。エドアルド様の実のご両親ですよ?」
「先に僕を捨てたのは向こうの方です。向こうが僕を探し出して来るのならともかく、僕から会いに行こうとは思いません。大体、また後継者争いが起こって僕が負けた場合、僕を推しているスタンレイ家にも影響がありますよ。今が子爵なら今度は平民に落とされるんじゃないですか!?」
僕がそう指摘すると、チャールズは予想外の事を言われたかのように固まった。
やれやれ。
成功する事しか考えてなくて、失敗したらどうなるかなんて予想もしていなかったようだ。
僕を王宮に連れて行っただけで、国王夫妻が僕を受け入れてくれると思っていたのかね。
「そ、そんな…」
チャールズはワナワナと身体を震わせていたが、やがてガックリと肩を落とした。
先ほどまでは元気ハツラツな姿は何処へやら、一気に老け込んだようにしょんぼりとしている。
そんな様子を見たら何だかチャールズが可哀想になってきた。
何とかしてやれないかな?
「チャールズさんのお話はわかりました。万が一、僕が王子だったとして、どうして僕は捨てられたんでしょうか?」
僕が首を傾げてみせると、チャールズは目をパチクリさせている。
「おや、エドアルド様はこの国に起こった騒動をご存知なかったのですね。それでは私の方からお話して差し上げましょう。今からおよそ二百年前の事です。当時、王家には双子の王子がおられました。最初は兄王子が後継者だったのですが、弟王子を推す貴族が現れまして激しい後継者争いが始まったのです。その結果、弟王子が勝利し、兄王子は処刑されました。それ以来、王家では双子は忌み嫌われる存在となったのです」
なんか見てきたような話し方だけど、実際にその場にいたわけじゃないよね。
だけど、どうしてチャールズが僕を誘拐してまで王宮に連れて行こうとするんだろうか?
その理由が知りたくて僕は更に質問する。
「なるほど。後継者争いを避けるために双子のうちの一人は捨てられたと言うのですね。だけど、どうしてチャールズさんがもう一人の王子を王宮に連れて行こうとしているんですか?」
するとチャールズはキラリと目を光らせた。
「兄王子が処刑されるのと同時に兄王子を推していた貴族の当主は処刑され、その一族は降爵されたのです。その時我がスタンレイ家も侯爵から子爵へと落とされました。同じようにマクレガン家も子爵となったのに、今回の事で伯爵へと陞爵したのです。ですから、私はエドアルド様を後継者として推して我がスタンレイ家を再び侯爵へと押し上げたいのです」
チャールズは両手で拳を握って力説している。
どうやらそっちが本音のようだ。
スタンレイ家を陞爵させる理由を作るために僕を利用しようとしているのだろう。
ますますもって真っ平ごめんな話だ。
「お話はわかりました。だけど、僕は王宮には行きません。たとえ国王夫妻が僕の本当の親だとしても、向こうが僕を要らないからと捨てたのです。そんな人達に僕は会いたくありません!」
父親である国王の顔は生まれた時に見ているし、母親である王妃とも体面を果たした。
エドワードとはまだ会っていないけれど、この国の王子なのだから、そのうち何処かで見る機会はあるだろう。
もしかしたら学院で出会えるかもしれない。
僕がピシャリと断ると、チャールズは驚愕の顔を見せた。
「な、何をおっしゃいます。エドアルド様の実のご両親ですよ?」
「先に僕を捨てたのは向こうの方です。向こうが僕を探し出して来るのならともかく、僕から会いに行こうとは思いません。大体、また後継者争いが起こって僕が負けた場合、僕を推しているスタンレイ家にも影響がありますよ。今が子爵なら今度は平民に落とされるんじゃないですか!?」
僕がそう指摘すると、チャールズは予想外の事を言われたかのように固まった。
やれやれ。
成功する事しか考えてなくて、失敗したらどうなるかなんて予想もしていなかったようだ。
僕を王宮に連れて行っただけで、国王夫妻が僕を受け入れてくれると思っていたのかね。
「そ、そんな…」
チャールズはワナワナと身体を震わせていたが、やがてガックリと肩を落とした。
先ほどまでは元気ハツラツな姿は何処へやら、一気に老け込んだようにしょんぼりとしている。
そんな様子を見たら何だかチャールズが可哀想になってきた。
何とかしてやれないかな?
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