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幼少期
57 アーサーの訪問
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僕はとりあえず義母様への説明を後回しにした。
「義母様、アーサーが来ているんでしょう? これ以上、お待たせするのは申し訳ないので先にアーサーの所へ行きますね」
義母様はすぐにでも僕の話を聞きたそうにしていたが、渋々と承知してくれた。
「そうね。アーサー様をお待たせするのは良くないわね。その代わり、後でちゃんと話を聞かせてもらいますよ」
義母様は近くにいたメイドに僕を応接室に連れて行くように指示すると、また屋敷の奥に戻っていった。
「エミー、お疲れ様。仕事に戻って良いよ」
僕は外出に付き合ってくれたエミーを通常業務に戻すと、メイドと一緒に応接室に向かった。
応接室の扉が開いた途端、ソファーに座っていたアーサーがパッと振り返り、僕の方へ駆け出してきた。
「エドアルド! 無事だったんだね! 良かった!」
アーサーにギュウギュウと抱きつかれ、僕は必死でその腕から逃れようとした。
「あ、アーサー…。く、苦し…」
必死でアーサーの肩を押していると、アーサーはハッと気づいて僕の身体を離してくれた。
「ご、ごめん。エドアルド。君を驚かせようと思って訪ねてきたら、僕の家の名前を騙る誰かと出かけて行ったと聞いて心配していたんだ。場合によっては騎士団に捜索をお願いしようかと…」
それを聞いて僕はヒュッと肝が冷えた。
もう少し帰るのが遅かったら、騎士団による捜索が始まっていたかもしれない。
そうなるとチャールズが関与していた事がバレてしまう。
そうなる前に戻る事が出来てホッとした。
「アーサーにも心配をかけてしまったね。ちょっとした勘違いで連れ出されてしまったけれど、話し合いで解決したから大丈夫だよ」
本当の事を話せないからぼかして伝えたんだけれど、アーサーは納得のいかないような顔を見せる。
「勘違いって何? どうして僕の家の名前を騙ったりするの?」
あー、確かに…。
アーサーにしてみれば自分の家の名を騙られたんだから、納得のいく説明が欲しいよね。
だけど、いくら仲良くなったとはいえ、アーサーに僕の出生の秘密を打ち明けて良いかどうかの判断はまだつかない。
「そ、それは…、その…」
これ以上どう言えばいいか口ごもっていると、アーサーの視線と表情がフッと緩んだ。
「ごめん、エドアルド。どうしても人に言えない事ってあるよね。これ以上君を困らせたくないからこの話はここで終わりにしよう」
アーサーにそう言われて僕はホッと肩の荷を下ろす。
「ありがとう、アーサー。…ところでどうして今日はここに?」
いきなり訪ねてきた主旨を問うと、アーサーは思い出したようにポンと手を打った。
「あ、そうそう。実は今度僕の誕生日パーティーをする事になってね。直接返事が聞きたくて遊びに来ちゃったんだ」
アーサーも先触れもなく突然訪ねてきた事を申し訳なく思っているのか、バツの悪そうな顔で照れ笑いを浮かべている。
「誕生日パーティー? 勿論参加させてもらうよ。いつ?」
勢いこんで尋ねたところで、僕の後ろでコホンと咳払いが聞こえた。
パッと後ろを振り返ると、僕をここに連れてきたメイドが苦笑を浮かべている。
「エドアルド様、アーサー様も。まずは落ち着いてお座りになってくださいませ」
メイドに言われて僕達はドアの近くに立ったまま話をしていた事を思い出す。
「そうだね。まずは座ろうか。お茶をお願いしていいかな」
「かしこまりました。アーサー様も新しくお茶を淹れ直しましょうね」
メイドに促されて僕達はソファーへ向かい合わせに腰を下ろした。
メイドが淹れてくれたお茶を飲みながら、アーサーの誕生日パーティーについての話をしたのだった。
「義母様、アーサーが来ているんでしょう? これ以上、お待たせするのは申し訳ないので先にアーサーの所へ行きますね」
義母様はすぐにでも僕の話を聞きたそうにしていたが、渋々と承知してくれた。
「そうね。アーサー様をお待たせするのは良くないわね。その代わり、後でちゃんと話を聞かせてもらいますよ」
義母様は近くにいたメイドに僕を応接室に連れて行くように指示すると、また屋敷の奥に戻っていった。
「エミー、お疲れ様。仕事に戻って良いよ」
僕は外出に付き合ってくれたエミーを通常業務に戻すと、メイドと一緒に応接室に向かった。
応接室の扉が開いた途端、ソファーに座っていたアーサーがパッと振り返り、僕の方へ駆け出してきた。
「エドアルド! 無事だったんだね! 良かった!」
アーサーにギュウギュウと抱きつかれ、僕は必死でその腕から逃れようとした。
「あ、アーサー…。く、苦し…」
必死でアーサーの肩を押していると、アーサーはハッと気づいて僕の身体を離してくれた。
「ご、ごめん。エドアルド。君を驚かせようと思って訪ねてきたら、僕の家の名前を騙る誰かと出かけて行ったと聞いて心配していたんだ。場合によっては騎士団に捜索をお願いしようかと…」
それを聞いて僕はヒュッと肝が冷えた。
もう少し帰るのが遅かったら、騎士団による捜索が始まっていたかもしれない。
そうなるとチャールズが関与していた事がバレてしまう。
そうなる前に戻る事が出来てホッとした。
「アーサーにも心配をかけてしまったね。ちょっとした勘違いで連れ出されてしまったけれど、話し合いで解決したから大丈夫だよ」
本当の事を話せないからぼかして伝えたんだけれど、アーサーは納得のいかないような顔を見せる。
「勘違いって何? どうして僕の家の名前を騙ったりするの?」
あー、確かに…。
アーサーにしてみれば自分の家の名を騙られたんだから、納得のいく説明が欲しいよね。
だけど、いくら仲良くなったとはいえ、アーサーに僕の出生の秘密を打ち明けて良いかどうかの判断はまだつかない。
「そ、それは…、その…」
これ以上どう言えばいいか口ごもっていると、アーサーの視線と表情がフッと緩んだ。
「ごめん、エドアルド。どうしても人に言えない事ってあるよね。これ以上君を困らせたくないからこの話はここで終わりにしよう」
アーサーにそう言われて僕はホッと肩の荷を下ろす。
「ありがとう、アーサー。…ところでどうして今日はここに?」
いきなり訪ねてきた主旨を問うと、アーサーは思い出したようにポンと手を打った。
「あ、そうそう。実は今度僕の誕生日パーティーをする事になってね。直接返事が聞きたくて遊びに来ちゃったんだ」
アーサーも先触れもなく突然訪ねてきた事を申し訳なく思っているのか、バツの悪そうな顔で照れ笑いを浮かべている。
「誕生日パーティー? 勿論参加させてもらうよ。いつ?」
勢いこんで尋ねたところで、僕の後ろでコホンと咳払いが聞こえた。
パッと後ろを振り返ると、僕をここに連れてきたメイドが苦笑を浮かべている。
「エドアルド様、アーサー様も。まずは落ち着いてお座りになってくださいませ」
メイドに言われて僕達はドアの近くに立ったまま話をしていた事を思い出す。
「そうだね。まずは座ろうか。お茶をお願いしていいかな」
「かしこまりました。アーサー様も新しくお茶を淹れ直しましょうね」
メイドに促されて僕達はソファーへ向かい合わせに腰を下ろした。
メイドが淹れてくれたお茶を飲みながら、アーサーの誕生日パーティーについての話をしたのだった。
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