オークの子を身籠りました。

もみじ

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本編

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 朝日がさし目が覚めると私は男の腕の中にいた。白いシーツをしわくちゃにして起き上がる。隣にいるのは私と同い年くらいの男の子、未だすやすやと寝入っている。私は彼の顔にかかった癖のあるオレンジ髪を払いその額にそっとキスをした。

 彼が目を覚ます。

「おはよう、レフィ」

 男の子が微笑んできたので私も負けじと微笑み返した。

「おはよう、フィール」

 フィールは起き上がると上半身裸のまま「う~ん!」と背伸びする、細身でも鍛えられた体は童顔でも男だということを感じさせる。

 昨夜はずいぶん頑張ったしもう一サービスあるかな?

 私は期待を胸に布団の中で待機する、しかしフィールはそんな私などお構いなしにベッドから降りてさっさと服を着始めた。

 何、これでお終い?

 私は布団にこもると頬を膨らませる。

「レフィ、早く起きないと出発の時間に遅れるよ?」

 そう言ってフィールは私から布団を奪い取った。
 仕方ない・・・諦めて私も服を着るか。

 肩の出た純白のドレス、ふんわり前の開いたスカート、黒のレギンスの上から鉄のブーツを履き、手と胸に鎧を装備してベッドの横に置いてある長剣を腰にかける。

 そう、私は騎士。しかしただの騎士ではない、騎士は騎士でも姫が騎士、姫騎士である。レフィことレフィリアとは世を忍ぶ仮の姿、本当の名はスティアーナ・フォン=アマルティア、アマルティア王国の王女である。まあ姫と言っても小国の一令嬢に過ぎない。

 私は昔から貴族の礼儀だの作法だのと言った類が苦手だ、他国の殿方と会うたびに愛想を振りまいて「ごきげんよう」とお辞儀したり、舞踏会で見ず知らずの男にエスコートされながら踊ったり、息が詰まりそうになる。
 だからこうして城を抜け出しては気の合う仲間と共に冒険者レフィリアとして日々を謳歌している。
 姫がいなくなって城の皆は騒がないのかって?私のお転婆は今に始まった事じゃない、それに私には兄も妹もいるので政治的重要性は薄い。だからちょっとくらい自由奔放でも許され・・・

 ふとお父様の怒った顔が頭を過ぎった。

 いや、許されてはいないか・・・。

 私達は着替え終わると部屋を出る。
 ここは町の宿屋、階段を降りると下には一人の男がテーブルに座って新聞を読んでいた。

 フィールが男に挨拶する。

「おはようノブさん」

 男もいかつい声で挨拶を返す。

「おはよう」

 頭を丸め、やたら彫りの深い僧侶。どれくらい深いかって言うと目が陰るくらい深い。彼の名はノブリス、見た目は怖いがこれでもれっきとしたプリースト、パーティーの頼れるリーダーだ。

 私は彼と同じ席に腰かけて尋ねる。

「ノブ、ラルクは?」

 彼は煙草をふかしながら新聞をめくって答えた。

「さぁ、あいつ夜型だしまだ寝てるんじゃないか?」

「たく17にもなってしょうがねぇ奴だなぁ」

「誰がしょうがないって?」

 振り返るとそこにはハネた赤髪の少女が睨みを利かせて立っていた。赤と黒を基調としたくノ一のような格好をし、首にマフラーを巻いている。スレンダーな体形で顔はものすごく美人だ。その子の名はラルク、私の大親友である。

 ラルクは机の上に置いてあったノブの朝ご飯を見て目の色を変えた。

「お、朝飯じゃん。いっただき~♪」

 そう言って人のサンドイッチにかぶりつく。

「あっ!?」

「う~ん、美味い!」

 ラルクはフィールの肩に腕を乗せサンドイッチをもぐもぐ食うとノブはやれやれと言った感じで新聞を畳んだ。

「全くお前って奴は、自分の飯くらい自分で買ったらどうだ?」

「ナハハハハ、そんな堅苦しいこと言うなよ、あたしとあんたの仲だろ?」

 フィールは呆れたように首を横に振る。

「ほんとラルクは自分勝手だよな、親しき中にも礼儀ありって言葉知らないのか?」

「おや~、そう言うフィール君はどうなのかな?なぁ、昨晩はやったのかよ?」

 ラルクが意地悪そうに微笑むと私とフィールは頬を赤らめた。

「ナハハハ!お前等ホント可愛いな」

 ラルクはフィールの背中をバンバン叩いて大爆笑する。

「ちょっとラルク、茶化さないでよ!」

「悪りぃ悪りぃ、こんなボンボンでもあたしにとっちゃ可愛い弟分だ。これからもこいつのことよろしく頼むよレフィ」

「誰が弟分だ!同い年だろ!?」

「そだっけ?チビすぎて分かんなかったわ」

「お前よりは背高ぇよ!ほんのちょっとだけどな」

 私はつい笑いを吹きこぼしてしまう。この人達といると本当に楽しい。


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