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本編
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その夜、城ではアロルド皇子を持てなす舞踏会が開かれた。各地の貴族が来賓し、皆政治やら経済の話をする。私には難しすぎてよく分からないのでアロルドの横で詰まらなそうにした。これが皆だったらきっとバカやって大笑いしてたに違いない。こんな高いお酒をチビチビと飲まずに安酒をジョッキで一気飲みしたり、気取った見栄の張り合いじゃなく本気の殴り合いをしたり。
私はアロルドに誘われて彼と踊る、舞踏会と言ったらもうこれしかない、でもこの人にとって私はただの飾り、それ以上でもそれ以下でもない。彼に付き添って彼を引き立てていればそれでいい存在、そんな人生が延々と続くと思うと絶望しか感じない。いっそオークに犯されてた方がまだマシ、そんな風にすら思ってしまう。
いや、流石にそれは病み過ぎか・・・
アロルドは踊りながら私の耳に囁いた。
「お前はいつも詰まらなそうにしているな、たまには笑って見せろ」
「ならば冗談の一つでも言ってみてはいかがでしょう?」
「それこそ冗談言うな、私達は王族だぞ?下劣な庶民のような真似が出来るか?」
そしてアロルドはまた私の口にキスをする。キスでしか愛情表現できないの?・・・て、やばい!こんな時にまた吐きそう、どうしよう!?私は腹の底から込み上げるものをひたすら我慢した。こんな状態で吐いたら間違いなく戦争になる。だけど耐え切れなくなる、私はアロルドを突き飛ばし走ってリーネの足元に跪いた。
「おえぇぇぇ!!!」
私は吐いた、リーネには悪いと思ったけど他に吐く場所がなかった。踊り場で吐いたら悪いし、食器に吐いたら皆食欲無くなるだろうし、メイド服のエプロンが汚物を包むのに丁度良かった。てか何でゴミ箱の一つも置いてないの?景観を損ねるからと言って必要なものを置かないのは貴族の悪いところだ。
私の嗚咽で周囲の空気が一気に重たくなる。
「姫様、大丈夫ですか!?」
「大丈夫じゃない・・・気持ち悪い」
すると誰かが私の髪を強く引っ張った。むしり取られそうなくらい強く引っ張られ私は大きく体を反る。私の目に目元をひくつかせるアロルドの顔が映った。
「ほう、この私にキスされて吐くほど気分悪いか、ん?」
これは不味い、皇子かなり怒ってる。
「アロルド皇子、誤解し・・・」
言い訳すらさせてもらえず私はアロルドに右頬を打たれ、床に倒れて蹲る。右頬がヒリヒリする。左の次は右?いくら何でも私殴られすぎじゃない?
彼を見るとさっき私を打った手がまた上がった。2発目、どうしよう、ガードして良いかな?ついでにカウンターもできるけどそんな事したらきっと戦争になると思う。私一人打たれるだけでこの場が収まるならそれでいいか。
するとリーネが覆いかぶさって私を庇った。
「皇子、お許しください。スティアーナ姫は朝から体調が優れずずっと我慢していたのでございます」
「ほう、私と会うのがそんなに嫌だったか?私に恥をかかせるとは言い度胸だ。言っとくがこんな弱小国、父に頼めば一瞬で消えさるぞ」
アロルドはリーネを張り倒しその体を思いきり踏みつける。
「うっ!」
「リーネ!」
私は我を忘れる。リーネは私の良き理解者だ、自分が責め立てられることもいとわず私が城を抜け出すのを手伝ってくれたり、私の冒険話を喜んで聞いてくれたり、感謝してもしきれない大事な大事な友達、そんな大切な人を踏みつけられてどうして冷静でいられようか?
私が睨みつけるとアロルドはさらに煽ってきた。
「靴が汚れた、舐めて綺麗にしろ。私も恥をかいたのだからお前も恥をかいてお互い手打ちにしようじゃないか?」
彼の乱行を誰も止めようとしない、父も母も顔が私に靴を舐めろと言っている。どいつもこいつも本当に腐ってる。そんなにも国が大事か、自分の娘よりも、家族の絆よりも、地位と名声を取るか?
私の親友は違う、誰にも縛られず、どこまでも真っすぐで、自分に正直で、そんな彼女に私は憧れた。私も彼女のように気高くありたいと思った。
私はスティアーナ、あなたの飾りでもなければおもちゃでもない、ただの一人の人間だ!
「よくもリーネを!」
私は立ち上がってアロルドに向かって手を上げる。
と、突然城内の灯りが消えた。何かが上から降りてきてパシッ!と私の平手を止める。こげ茶の大きな三角帽を被り、顔の上半分を仮面で隠し赤い王子服を着た青年。ハネた赤い髪が印象的なその人は私の手を握りこう言った。
「姫、こんなことであなたの手を汚してはいけない」
ラルク?男装していても声と雰囲気で分かる。
私はアロルドに誘われて彼と踊る、舞踏会と言ったらもうこれしかない、でもこの人にとって私はただの飾り、それ以上でもそれ以下でもない。彼に付き添って彼を引き立てていればそれでいい存在、そんな人生が延々と続くと思うと絶望しか感じない。いっそオークに犯されてた方がまだマシ、そんな風にすら思ってしまう。
いや、流石にそれは病み過ぎか・・・
アロルドは踊りながら私の耳に囁いた。
「お前はいつも詰まらなそうにしているな、たまには笑って見せろ」
「ならば冗談の一つでも言ってみてはいかがでしょう?」
「それこそ冗談言うな、私達は王族だぞ?下劣な庶民のような真似が出来るか?」
そしてアロルドはまた私の口にキスをする。キスでしか愛情表現できないの?・・・て、やばい!こんな時にまた吐きそう、どうしよう!?私は腹の底から込み上げるものをひたすら我慢した。こんな状態で吐いたら間違いなく戦争になる。だけど耐え切れなくなる、私はアロルドを突き飛ばし走ってリーネの足元に跪いた。
「おえぇぇぇ!!!」
私は吐いた、リーネには悪いと思ったけど他に吐く場所がなかった。踊り場で吐いたら悪いし、食器に吐いたら皆食欲無くなるだろうし、メイド服のエプロンが汚物を包むのに丁度良かった。てか何でゴミ箱の一つも置いてないの?景観を損ねるからと言って必要なものを置かないのは貴族の悪いところだ。
私の嗚咽で周囲の空気が一気に重たくなる。
「姫様、大丈夫ですか!?」
「大丈夫じゃない・・・気持ち悪い」
すると誰かが私の髪を強く引っ張った。むしり取られそうなくらい強く引っ張られ私は大きく体を反る。私の目に目元をひくつかせるアロルドの顔が映った。
「ほう、この私にキスされて吐くほど気分悪いか、ん?」
これは不味い、皇子かなり怒ってる。
「アロルド皇子、誤解し・・・」
言い訳すらさせてもらえず私はアロルドに右頬を打たれ、床に倒れて蹲る。右頬がヒリヒリする。左の次は右?いくら何でも私殴られすぎじゃない?
彼を見るとさっき私を打った手がまた上がった。2発目、どうしよう、ガードして良いかな?ついでにカウンターもできるけどそんな事したらきっと戦争になると思う。私一人打たれるだけでこの場が収まるならそれでいいか。
するとリーネが覆いかぶさって私を庇った。
「皇子、お許しください。スティアーナ姫は朝から体調が優れずずっと我慢していたのでございます」
「ほう、私と会うのがそんなに嫌だったか?私に恥をかかせるとは言い度胸だ。言っとくがこんな弱小国、父に頼めば一瞬で消えさるぞ」
アロルドはリーネを張り倒しその体を思いきり踏みつける。
「うっ!」
「リーネ!」
私は我を忘れる。リーネは私の良き理解者だ、自分が責め立てられることもいとわず私が城を抜け出すのを手伝ってくれたり、私の冒険話を喜んで聞いてくれたり、感謝してもしきれない大事な大事な友達、そんな大切な人を踏みつけられてどうして冷静でいられようか?
私が睨みつけるとアロルドはさらに煽ってきた。
「靴が汚れた、舐めて綺麗にしろ。私も恥をかいたのだからお前も恥をかいてお互い手打ちにしようじゃないか?」
彼の乱行を誰も止めようとしない、父も母も顔が私に靴を舐めろと言っている。どいつもこいつも本当に腐ってる。そんなにも国が大事か、自分の娘よりも、家族の絆よりも、地位と名声を取るか?
私の親友は違う、誰にも縛られず、どこまでも真っすぐで、自分に正直で、そんな彼女に私は憧れた。私も彼女のように気高くありたいと思った。
私はスティアーナ、あなたの飾りでもなければおもちゃでもない、ただの一人の人間だ!
「よくもリーネを!」
私は立ち上がってアロルドに向かって手を上げる。
と、突然城内の灯りが消えた。何かが上から降りてきてパシッ!と私の平手を止める。こげ茶の大きな三角帽を被り、顔の上半分を仮面で隠し赤い王子服を着た青年。ハネた赤い髪が印象的なその人は私の手を握りこう言った。
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