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本編
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「何だよ、お化けでも見たような顔しやがって。あたしはまだ死んでねぇぞぉ~」
そんな事分かってる!ラルクがアサシンで隠密に長けていることは十分承知しているが、まさかこうも易々と部外者の侵入を許すなんてこの城の守りは一体どうなってるのよ!?ザル守備にもほどがある。
「じゃなくて、何でここにいるの!?」
「フィールに聞いた。お前こそ一ヶ月もどうしてギルドに顔出さねぇんだよ?」
私は慌ててラルクのマフラーを引っ張り天井から引きずり下ろす。マフラーが首に締まりラルクは「ぐえっ!」と呻き声を上げて床に落っこちた。ドテッと鈍い音がする。
「いきなり何すんだよ?痛てぇだろ」
「それはこっちの台詞!衛兵に見つかったらしょっ引かれるよ?」
「そんなヘマしねぇよ」
するとアロルドが戻ってくる。私がいないことに気づいて探しに来たのだろう。私はラルクの首根っこを掴んで慌てて草むらに隠れた。身を屈め、草と草の間から外の様子を身ながら息をひそめる。
なんで自分の家でこんなこそこそしなきゃいけないの?兎に角ラルクが見つかったら大変だ。友達の鞭打ち100回の刑なんて見たくないよ。
暫くじっとしているとアロルドは辺りを見回しながら来た道を戻って行った。
いなくなった?ほっと息をつく。
「ぐるじい・・・」
ラルクの苦しそうな声、気づくと私は彼女の首をがっつり腕で締めていた。
「ごめん!」
私はすぐに手を離す。
ラルクは喉を抑えて咳き込んだ。
「ケホッ、ケホッ・・・なんつう力だよ」
まあ伊達に大剣振り回してる訳じゃないからね、腕力だけならラルクよりある。
「それよりも見つからないうちに早くここから出て行って!」
「折角来てやったのに冷てぇな、皆レフィのこと心配してるぞ?」
「戻れるわけないじゃない、今更どんな顔で会えって言うの?」
ラルクはあぐらをかいて頬杖をついた。
「はは~ん、さてはフィールのこと気にしてるな?さっきのキザ野郎とフィール、本当はどっちが好きなんだ?」
「もちろんフィールだよ。アロルドは親が勝手に決めた相手だし」
「じゃあ振っちゃえば?」
「そんな簡単に言わないでよ!?アロルドはアークス帝国の第七皇子、彼との関係がうまくいけばアークスとアマルティアは不可侵条約を結べる。そしたら百年は国の安全が保障される」
逆にもし上手くいかなかった場合それを口実にアークスに戦争を吹っ掛けられる可能性だってある。帝国は戦争大国だ、近隣諸国を取り込んでどんどん大きくなっている。万が一戦争になったらアマルティアなんて小さな国一瞬で潰されてしまう。
「ふ~ん、色々と面倒だな」
「私は皆と生きる世界が違うの、今まで楽しかったけどそれももうお終い。分かったらもう二度とここには来ないで!」
「それじゃあフィールとの関係はただ遊びだったって言うのかよ?」
「そうだよ。全部お姫様の気まぐれ、最初から別れるつもりだった」
パンッ!とラルクが私の頬を叩いた。ジ~ンと痛みが左頬に広がっていく。
殴ったな・・・父にも殴られたことないのに!
私はキッ!とラルクを睨みつける。
「最っ低だな、フィールはお前のことガチで惚れ込んでんのにお前の愛はそんなもんなのかよ?本当に愛してるなら家を飛び出すくらいのことはしろよレフィ!」
「私の名はレフィじゃない、スティアーナ・フォン=アマルティア、この国の王女だよ。こんな良い暮らし捨てられる訳ないじゃない。フィールと一緒になって何か良いことある?毎日命賭けて戦って、宿屋を転々としながら貧乏くさい生活をする、その何が幸せなの?ここにいれば美味しいご馳走が食べられる、綺麗な服が着れる、安心して眠れる。今日だって他国の王子様を交えた舞踏会が夜に開かれるの、毎日充実して飽きないよ」
「そう、じゃあ好きにしな」
そう言ってラルクは立ち上がる。
「ねぇラルク、皆に会ったらよろしく言っといてくれないかな。それとフィールに一言ごめん、そう伝えといて・・・」
「嫌だね、それくらい自分で言えよ」
まるでクズでも見るような目でラルクは私を見る、そして庭園の向こうへ行ってしまった。私ってどんだけおこがましいの?それくらい分かってる。裏切った挙句よろしくなんてよく言えたものだ。殴られて当然だよ。でもこれで良かったのかもしれない、だってもしまた皆と会ってしまったら今度こそ別れられなくなるかもしれない。
服に着いた葉っぱを叩き、私がアロルドの下へ戻るとアロルドは目を吊り上げて怒りを露わにする。
「スティアーナ、一体どこへ行っていたんだ?探したぞ!」
「申し訳ありません、ちょっとお花を摘みに行っていました」
「なら一言言え、金輪際黙ってどこかに行くことは許さないぞ!」
今日は踏んだり蹴ったりな日だ、朝から頭痛はするし、吐き気はあるし、風邪みたいで全くついてない。
そんな事分かってる!ラルクがアサシンで隠密に長けていることは十分承知しているが、まさかこうも易々と部外者の侵入を許すなんてこの城の守りは一体どうなってるのよ!?ザル守備にもほどがある。
「じゃなくて、何でここにいるの!?」
「フィールに聞いた。お前こそ一ヶ月もどうしてギルドに顔出さねぇんだよ?」
私は慌ててラルクのマフラーを引っ張り天井から引きずり下ろす。マフラーが首に締まりラルクは「ぐえっ!」と呻き声を上げて床に落っこちた。ドテッと鈍い音がする。
「いきなり何すんだよ?痛てぇだろ」
「それはこっちの台詞!衛兵に見つかったらしょっ引かれるよ?」
「そんなヘマしねぇよ」
するとアロルドが戻ってくる。私がいないことに気づいて探しに来たのだろう。私はラルクの首根っこを掴んで慌てて草むらに隠れた。身を屈め、草と草の間から外の様子を身ながら息をひそめる。
なんで自分の家でこんなこそこそしなきゃいけないの?兎に角ラルクが見つかったら大変だ。友達の鞭打ち100回の刑なんて見たくないよ。
暫くじっとしているとアロルドは辺りを見回しながら来た道を戻って行った。
いなくなった?ほっと息をつく。
「ぐるじい・・・」
ラルクの苦しそうな声、気づくと私は彼女の首をがっつり腕で締めていた。
「ごめん!」
私はすぐに手を離す。
ラルクは喉を抑えて咳き込んだ。
「ケホッ、ケホッ・・・なんつう力だよ」
まあ伊達に大剣振り回してる訳じゃないからね、腕力だけならラルクよりある。
「それよりも見つからないうちに早くここから出て行って!」
「折角来てやったのに冷てぇな、皆レフィのこと心配してるぞ?」
「戻れるわけないじゃない、今更どんな顔で会えって言うの?」
ラルクはあぐらをかいて頬杖をついた。
「はは~ん、さてはフィールのこと気にしてるな?さっきのキザ野郎とフィール、本当はどっちが好きなんだ?」
「もちろんフィールだよ。アロルドは親が勝手に決めた相手だし」
「じゃあ振っちゃえば?」
「そんな簡単に言わないでよ!?アロルドはアークス帝国の第七皇子、彼との関係がうまくいけばアークスとアマルティアは不可侵条約を結べる。そしたら百年は国の安全が保障される」
逆にもし上手くいかなかった場合それを口実にアークスに戦争を吹っ掛けられる可能性だってある。帝国は戦争大国だ、近隣諸国を取り込んでどんどん大きくなっている。万が一戦争になったらアマルティアなんて小さな国一瞬で潰されてしまう。
「ふ~ん、色々と面倒だな」
「私は皆と生きる世界が違うの、今まで楽しかったけどそれももうお終い。分かったらもう二度とここには来ないで!」
「それじゃあフィールとの関係はただ遊びだったって言うのかよ?」
「そうだよ。全部お姫様の気まぐれ、最初から別れるつもりだった」
パンッ!とラルクが私の頬を叩いた。ジ~ンと痛みが左頬に広がっていく。
殴ったな・・・父にも殴られたことないのに!
私はキッ!とラルクを睨みつける。
「最っ低だな、フィールはお前のことガチで惚れ込んでんのにお前の愛はそんなもんなのかよ?本当に愛してるなら家を飛び出すくらいのことはしろよレフィ!」
「私の名はレフィじゃない、スティアーナ・フォン=アマルティア、この国の王女だよ。こんな良い暮らし捨てられる訳ないじゃない。フィールと一緒になって何か良いことある?毎日命賭けて戦って、宿屋を転々としながら貧乏くさい生活をする、その何が幸せなの?ここにいれば美味しいご馳走が食べられる、綺麗な服が着れる、安心して眠れる。今日だって他国の王子様を交えた舞踏会が夜に開かれるの、毎日充実して飽きないよ」
「そう、じゃあ好きにしな」
そう言ってラルクは立ち上がる。
「ねぇラルク、皆に会ったらよろしく言っといてくれないかな。それとフィールに一言ごめん、そう伝えといて・・・」
「嫌だね、それくらい自分で言えよ」
まるでクズでも見るような目でラルクは私を見る、そして庭園の向こうへ行ってしまった。私ってどんだけおこがましいの?それくらい分かってる。裏切った挙句よろしくなんてよく言えたものだ。殴られて当然だよ。でもこれで良かったのかもしれない、だってもしまた皆と会ってしまったら今度こそ別れられなくなるかもしれない。
服に着いた葉っぱを叩き、私がアロルドの下へ戻るとアロルドは目を吊り上げて怒りを露わにする。
「スティアーナ、一体どこへ行っていたんだ?探したぞ!」
「申し訳ありません、ちょっとお花を摘みに行っていました」
「なら一言言え、金輪際黙ってどこかに行くことは許さないぞ!」
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