オークの子を身籠りました。

もみじ

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本編

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 それから一ヶ月があっという間に経つ。
 城門が開き多数の付き人を従えた豪華な一団が入城してきた。私達はそれを家族総出で出迎える。私の隣には黒髪の立派な顎鬚を蓄えた中年男性が立った、王冠とマントを身に着けたその人は私の父、つまり国王である。父は言った。

「良いかスティアーナ、くれぐれもアロルド皇子に粗相そそうがないよう気を付けるんだぞ?」

 私は瞬きで「はい」と答える。

 一団の中でも一際豪勢な馬車が広場に留まり、中から青年が出てくると普段威張り散らしている父は手のひらを返したようにヘコヘコして彼に近寄る。

「これはこれはアロルド殿下、遠路はるばるよくぞお越しくださいました。長旅でお疲れでしょう?中でお食事を用意しておりますので・・・」

「オクタビウス国王、挨拶はいい、すぐにスティアーナを出せ」

「これはこれは、失礼いたしました。スティアーナ、参れ」

 父がパンパンと手を叩くと私はアロルドの前に行きスカートを持ち上げてお辞儀をする。

「ごきげんよう、アロルド皇子。お久し・・・」

 するとアロルドは突然私を馬車の壁に押しつけてドン!とその壁に手をつく。

「君はじらすのが上手だな、この私を二ヵ月も放置するとは。おかげでこんな田舎まで足を運ばされたよ」

 私が目で父に助けを求めると父はそんな私から目をそらす。普段威張ってるくせにこう言う時に限って役に立たない。自分の娘が乱暴されていると言うのに何とも思わないのだろうか?

 そしてアロルドは私の顎を指で摘まんで無理矢理視線を引き戻す。

「だが君の美しさに免じて許してやろう、もう二度とこんなことはするんじゃないぞ?」

「アロルド皇子、皆が見ています」

「構うものか」

 アロルドは私の唇を強引に奪った。自分の舌を私の口に入れてくる。

 んぐっ、うぅ・・・

 突き飛ばしてやりたい、多分レフィリアならそうしてる。だけど今ここにいるのはスティアーナ、可憐でおしとやかなお姫様だ。私は自制心で出しかけた手をアロルドの胸の手前でなんとか止めた。

 しばらくじっとしているとアロルドはキスに飽きて唇を離す。

「少し、散歩でもするか?」

 私は小さく頷いてアロルドの後をついて行った。

 庭園一杯に百合の花が咲き誇る。百合はアマルティア家の象徴でもある。しかしアロルドはそんなものには目もくれずただゆっくりと私の前を歩いた。

 あぁ~、頭が痛い、お腹もムカムカする、朝から調子が悪い。

 たった二人っきり、屋根付きベンチの下で立ち止る。

「アロルド皇子、この時期になると百合の花がとても綺麗に咲くんですよ」

「知っている。しかしいつ来ても陳腐ちんぷなところだ、こんな場所に住んでいてよく飽きないな?」

 えぇ、もう十分飽きている。だけどそれを他人に言われたくない。

「スティアーナ、一つ聞くが私と会わなかった間まさか他の男と会っていたのではないだろうな?」

 ドキッとする。

「アロルド皇子、私がそんなことする訳ないじゃないですか?私はアロルド皇子一筋です」

「そうか、それならば良いが。しかしそうするとお前の欲求もそうとうたまっているんじゃないか?婚約して4年、そろそろ頃合いかもしれん。たまっている物を私が全部吐き出させてやろう」

 露骨なセックスアピールはやめて欲しい。

 うぷっ!?

 突然吐き気をもよおした私は咄嗟に手で口を覆った。やばい、気持ち悪い、別の何かを皇子に吐き出しそう。

「どうした?」

「いえ、何でもありません」

「そうか?」

 アロルドはまた歩き出した。

 危なかった、でもこんな状態でエッチなんて出来る訳ない。しかしやらなかったらやらなかったで角が立つ。お姫様は辛いよ。

 ため息をつき、再び前を向くと突然マフラーが天井から垂れてきて逆さまになったラルクの顔が私の視界を遮る。

「よっ!」

 ・・・

 思考が止まる。

 ラルクは蔑んだ目で私を見た。

「この浮気者」

「えっ!?うぇ~!!!」


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