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本編
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公開中絶までついに10時間を切る。
皆が寝静まった頃、暗い檻の中で一人私は鍵を握りしめて淡々と時を待った。
ロギーニャが持ってきてくれたご飯を食べているとパンの中から脱出計画を記したメモが、スープを飲めば牢の鍵が出てきた。
私はロギーニャの指示通り0時に起きてその鍵で手枷を外し、牢の扉を開ける。抜き足差し足忍び足でそーっと外に出る、見張りは眠り薬ですっかり夢の中、流石はロギーニャ、できた妹と感心する。
私は見張りからこっそり剣を拝借した。兵士にとって剣は命の次に大切なものである、それを盗むのはいささか忍びなかったが女一人丸腰で城外に出るのは心許ない。それに剣さえあれば誰にも負けない自信が私にはあった。
私は剣を背中に背負い暗い通路を突っ走る。暗い廊下には人っ子一人いない、計画通り完璧に人払いされている。地下聖堂に辿りつくといつも使っている石棺を開けて隠し通路に飛び込んだ、この通路は王族と一部の大臣しか知らない、ここまで来ればもう一安心だ、抜けた先は城外、そこには馬が用意されていてそれで夜明けまでに都を出る手はずになっている。
坑道を抜け外に出ればいつもと変わらない景色が広がっていた、木に繋がれる一頭の馬を除いては。私は手綱を取り馬に跨ると腹を蹴って夜の草原を颯爽と駆ける、みるみる城が遠ざかっていく、ここまで順調にことが運んで怖いくらいだ。
明日になったら城は大騒ぎだろう、きっとアロルドも王国の体たらくに怒る。そしたら戦争も有り得るだろうし、何より私を脱走させてくれた妹の身が心配だ。もしバレたらただでは済まない、だけど今はロギーニャの言葉を信用するしかない、きっと上手くやってくれる、そう信じるしかない。
そして夜は開け、私は指定された馬駅へと辿りつく。そこには怪しい男が一人立っていて、私が馬から降りるや否や金貨の入った小袋を渡してきた。
「お待ちしておりましたスティアーナ様、これはロギーニャ様からです。あまり多くはありませんが何かの足しにして下さい」
「あなたロギーニャの従者?妹は本当に大丈夫なのよね?」
「ええ、心配には及びません。今日スティアーナ様の公開中絶は問題なく行われます。あなたの侍女が身代わりになるのです」
リーネが!?
私は耳を疑う。私を見捨てたはずのリーネがどうして私の代わりに中絶させられるの?
「それはどう言うこと!?リーネは私に愛想を尽かして出て行ったんじゃないの?」
「全てはあなた様のためについた嘘でございます、たかが侍女一人の犠牲で姫が救われるのなら安いものでしょう?あの者は望んで贄となったのです」
私はわき目も振らずに馬に跨ると来た道を急いで戻る。
どうしてリーネがそんな目に会わないといけないの?まだ16で、処女で、何も悪いことなんてしてないのに。
リーネ、リーネ、リーネ、リーネ!
どうか私を許してほしい。
私は今にも溢れだしそうな涙を堪える。
すると従者も馬に乗って追いかけて来た。
「どこへ行かれるのですスティアーナ様!馬鹿な真似はおよしなさい」
「馬鹿はもとより承知の上だ!私は馬鹿も馬鹿、友の友情にも気づいてやれない大馬鹿だ!!あの時どうして妹の言葉を疑わなかったのか、どうして友を信じてやれなかったのか。裏切ったのは私の方だった、謝らなければならない」
「だからと言ってあの者の犠牲を無駄にするおつもりですか!?」
「友が犠牲になろうと言うのだ、ならば私とて犠牲になってやらねば道理が通らないではないか!」
「スティアーナ様、スティアーナ様!」
私は従者を振り切り山を風よりも早く駆け降りる。馬はもうヘトヘトで疲れ切っているがそれでも尻を叩いて急がせる。心の中で何度も謝りながら・・・
皆が寝静まった頃、暗い檻の中で一人私は鍵を握りしめて淡々と時を待った。
ロギーニャが持ってきてくれたご飯を食べているとパンの中から脱出計画を記したメモが、スープを飲めば牢の鍵が出てきた。
私はロギーニャの指示通り0時に起きてその鍵で手枷を外し、牢の扉を開ける。抜き足差し足忍び足でそーっと外に出る、見張りは眠り薬ですっかり夢の中、流石はロギーニャ、できた妹と感心する。
私は見張りからこっそり剣を拝借した。兵士にとって剣は命の次に大切なものである、それを盗むのはいささか忍びなかったが女一人丸腰で城外に出るのは心許ない。それに剣さえあれば誰にも負けない自信が私にはあった。
私は剣を背中に背負い暗い通路を突っ走る。暗い廊下には人っ子一人いない、計画通り完璧に人払いされている。地下聖堂に辿りつくといつも使っている石棺を開けて隠し通路に飛び込んだ、この通路は王族と一部の大臣しか知らない、ここまで来ればもう一安心だ、抜けた先は城外、そこには馬が用意されていてそれで夜明けまでに都を出る手はずになっている。
坑道を抜け外に出ればいつもと変わらない景色が広がっていた、木に繋がれる一頭の馬を除いては。私は手綱を取り馬に跨ると腹を蹴って夜の草原を颯爽と駆ける、みるみる城が遠ざかっていく、ここまで順調にことが運んで怖いくらいだ。
明日になったら城は大騒ぎだろう、きっとアロルドも王国の体たらくに怒る。そしたら戦争も有り得るだろうし、何より私を脱走させてくれた妹の身が心配だ。もしバレたらただでは済まない、だけど今はロギーニャの言葉を信用するしかない、きっと上手くやってくれる、そう信じるしかない。
そして夜は開け、私は指定された馬駅へと辿りつく。そこには怪しい男が一人立っていて、私が馬から降りるや否や金貨の入った小袋を渡してきた。
「お待ちしておりましたスティアーナ様、これはロギーニャ様からです。あまり多くはありませんが何かの足しにして下さい」
「あなたロギーニャの従者?妹は本当に大丈夫なのよね?」
「ええ、心配には及びません。今日スティアーナ様の公開中絶は問題なく行われます。あなたの侍女が身代わりになるのです」
リーネが!?
私は耳を疑う。私を見捨てたはずのリーネがどうして私の代わりに中絶させられるの?
「それはどう言うこと!?リーネは私に愛想を尽かして出て行ったんじゃないの?」
「全てはあなた様のためについた嘘でございます、たかが侍女一人の犠牲で姫が救われるのなら安いものでしょう?あの者は望んで贄となったのです」
私はわき目も振らずに馬に跨ると来た道を急いで戻る。
どうしてリーネがそんな目に会わないといけないの?まだ16で、処女で、何も悪いことなんてしてないのに。
リーネ、リーネ、リーネ、リーネ!
どうか私を許してほしい。
私は今にも溢れだしそうな涙を堪える。
すると従者も馬に乗って追いかけて来た。
「どこへ行かれるのですスティアーナ様!馬鹿な真似はおよしなさい」
「馬鹿はもとより承知の上だ!私は馬鹿も馬鹿、友の友情にも気づいてやれない大馬鹿だ!!あの時どうして妹の言葉を疑わなかったのか、どうして友を信じてやれなかったのか。裏切ったのは私の方だった、謝らなければならない」
「だからと言ってあの者の犠牲を無駄にするおつもりですか!?」
「友が犠牲になろうと言うのだ、ならば私とて犠牲になってやらねば道理が通らないではないか!」
「スティアーナ様、スティアーナ様!」
私は従者を振り切り山を風よりも早く駆け降りる。馬はもうヘトヘトで疲れ切っているがそれでも尻を叩いて急がせる。心の中で何度も謝りながら・・・
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