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変わりゆく気持ちの行方
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しおりを挟む福永との秘密の関係が始まってから、早くも一ヶ月が経った。
六月も半ば、本格的に梅雨入りした東京はじめじめとした湿気の多い日が続いている。
今日も外は雨が降っているが、快適な温度に設定したエアコンのおかげで室内はとても快適である。文明の利器万歳だ。
「んん、細井さんの作る唐揚げ本当に美味しい。リクエストに応えてくれてありがとう」
「それなら良かったです。出張、お疲れ様でした」
あれから福永はおもちゃとしての役割を十分すぎるほど果たしてくれている。約束通り、一緒に食事をとっている。今日のように福永が家にくる日は、璃湖が夕飯を作ることが多い。
福永は食事も自分が用意すると言ってくれたのだが、さすがに申し訳ないのでその申し出は断った。それでも度々手土産を持ってきてくれるのだが、どれも素晴らしく美味しいためありがたく頂戴している。
料理は好きだし、ひとり分もふたり分も手間はそう変わらない。福永の口に合うかが心配だったが、幸い彼はなにを作っても美味しいと食べてくれる。
特に唐揚げがお気に入りで、今回は二日間大阪に出張に行っていた福永にリクエストされて作ったのだ。
細身のわりによく食べる福永のために多めに作ったが、今日も完食である。誰かのために料理をするなんて初めてだが、喜んでくれると作りがいがある。
休み前や休日はたっぷり時間をかけて愛撫されるため泊まることが多いが、そういう日は限界までイカされて寝坊しがちな璃湖のために福永が朝食を作ってくれる。これがまたとても美味しい。
そのまま一緒に璃湖の趣味である野球観戦をしたり、美味しいと評判のお店に食事に行ったりとまるで恋人同士のような日々をこの一ヶ月送っている。
璃湖に合わせて勉強したのか、彼は野球にも詳しい。話題が豊富な福永といると楽しくて、ずっとこの時間が続けばいいと思っている自分がいる。
福永はとても優しく、璃湖のことをお姫様のように扱ってくれる。時々、もしかして彼は本気で自分のことを好きなのではないかと錯覚してしまうほどである。
だが、どんなに甘い時間を共に過ごしていてもこれはあくまで彼の治療のためだ。この一ヶ月、何度そう自分に言い聞かせてきたか分からない。
福永の治療はなかなか進んでいない。璃湖をイカせまくった後、彼は必ずトイレに籠る。そこでなにをしているのか、彼女は知っている。
璃湖の愛液の染み込んだショーツを使って、ひとりで抜こうとしているのだ。
実際に目にした訳ではないが、いつもショーツが洗濯機に入れられているのとがっかりしたで戻ってくるのを見てなんとなく察している。
福永の男性器はしっかりと勃起するようになっているようだが、いまだ射精に至っていない。
戻ってくるときの様子を見ればそれは明らかだ。彼は本人が思ってるよりずっと感情が素直に出やすい。そんなところもとても好ましく思う。
あまりに悲しそうなので、璃湖側からもなにか手助けをした方がいい気がして触ってみるかと提案したがやんわりと断られてしまった。
だが、いつも悲壮感を漂わせて戻ってくる福永にホッとしている自分がいる。そしてその理由を、璃湖は気づかないフリをしていた。
「これで終わり?」
「はい、ありがとうございます」
洗った食器を拭いてくれた福永にお礼を言いながら、手の水気を拭きとる。こうやってキッチンに並んで立っていると、まるで新婚の夫婦のようだ。
これまた何度浮かんだか分からない妄想を頭の中から打ち消していると、背後に立った福永がブラウスの中に手を入れてきた。
「ふ、福永さん?」
「急な出張で二日空いちゃったから。寂しかった?」
耳元で囁かれてゾクゾクする。寂しくなかったといえば嘘になるので、璃湖は福永の問いかけに素直に頷いた。
「かわいい。俺も細井さんに触れられなくて寂しかった」
また勘違いしそうなことを言う福永に内心で怒りを覚える。あまり期待してしまうようなことは言わないでほしい。
そんな璃湖の気持ちなど知る由もなく、福永は胸を揉みながら耳朶を舐めた。ブラの上から乳首を摘まれ、ビクリと身体が跳ねる。
「あんんっ、こんな所で……」
「だって、俺の顔見たときからエッチな匂いさせてたでしょう? 今も、期待で濡らしてるくせに」
秘部をショーツの上から押されると、ぐちゅっという水音が響き璃湖は羞恥で真っ赤になった。彼の言う通りだ。
正確には、彼を待っているときからすでに璃湖のそこは濡れそぼっていた。まるでパブロフの犬だ。
「ひあっ、ああ、はあ……あ、ふぅん」
二日振りの刺激に全身が歓喜に震える。ショーツの中に入ってきた指に陰核を擦られ、同時に乳首を撫でられると身体の最奥がどうしようもなく疼いた。上を向いて喘ぐと、璃湖を見下ろす福永と目が合った。身体は見えていないからか、目隠しをする気はないようだ。
「ふふ、蕩けそうな顔してる。俺の指で気持ち良くなってる細井さん、かわいい」
彼に見られていると思うと、恥ずかしくてたまらなくなる。そんな璃湖の気持ちとは裏腹に、蜜壺からはトロリと愛液が溢れ彼の指を濡らす。
ニヤリと笑った福永が、ショーツの中から手を抜き愛液に塗れた指を璃湖に見せつけた。指の間に糸が引いている様に身体が燃え上がるように熱くなる。
「見て、すごい濡れてる。久しぶりだからかな。それとも……俺に感じてるところ見られて興奮しちゃった?」
からかうようにそう言った福永に、璃湖はふるふると首を横に振った。だけど本当は福永の言う通りだ。彼に見られて、興奮してしまっている自分がいる。
「もっと見たいけど、残念だな。ほら、見られるのが恥ずかしいなら手で隠してて。今日はネクタイしてないから」
言われるがままに手で目を覆うと、福永が璃湖のブラウスを脱がせてブラを外した。そしてポロリとまろびでた乳房に顔を埋める。
焦らすように乳輪を舐めていた福永の舌がツンと尖った先端を突つく。そしてそこを食べるように口に含んだ水音を立てながらしゃぶられると、下腹部がきゅんと疼く。
指と舌で交互に嬲られて、璃湖はビクビクと身体を震わせる。その度に福永の目を隠す手が外れそうになってしまう。
「ほら、ちゃんと隠してないと、細井さんのかわいい乳首見えちゃうよ」
「いやあ……ああん、ふう、んん、あ、そこ、ばっかり……」
「こっちも触ってほしい?」
スカートの中に入ってきた手がショーツの上から割れ目を撫でた。返事の代わりに自ら福永の手に秘部を擦りつける。こんなふしだらで下品なことをするのは良くないと思うのに、早く気持ち良くしてほしくて我慢ができない。
「はは、やらしい。いいよ、今のかわいかったから触ってあげる」
璃湖の行動を見てニヤリと笑った福永がスカートのホックが外す。そしてパサリと音をたてて床に落ちた。
期待に胸が膨らむが、福永はまだ焦らすように花芽のまわりを撫でているだけで肝心な場所には触れてくれない。
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