ハイスぺ男子は私のおもちゃ ~聖人君子な彼の秘めた執着愛~

幸村真桜

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変わりゆく気持ちの行方

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「でもちゃんと口で言ってほしいな。じゃないとこのままだよ」

 触ってくれると言ったのに、嘘つきだ。恨めしい気持ちで福永を睨むが、もちろん彼は見えていない。

「ん、んん……はあ、触って、ほしいです」

「ん? どこを触ってほしい?」

「はあ、……ここ。お願い」

 口で言うのはどうしても恥ずかしくて、もう一度福永の手に陰部を擦りつける。口元に笑みを浮かべた福永が、びしょびしょになったショーツを脱がせた。

 キッチンで一糸纏わぬ姿にされてしまい、恥ずかしいと思うのに興奮してしまう。タラタラと垂れる蜜を指に擦りつけた福永が、蜜壺に指を差し入れた。

「ひあっ……ああっ」

「ごめん、あんまりかわいいから意地悪しちゃった。ちゃんと触ってあげるよ。……ああ、中、すごく熱くなってる。今日はこっちでイこうね」

 乳首に吸いついた福永が、膣の中に埋まった指を律動し始めた。彼の指が肉壁の一点を掠ると、甘い痺れが身体に走り璃湖は背中を仰け反らせる。

「あ、……ああっ、そこ……ひあっ、あ、そこ、なに? 気持ちい……ひあぁっ、ああっ」

「中、トロットロだ。俺の指が溶けちゃいそう。ここ、細井さんのいいところ。良さそうだね」

 乳首を舌で嬲られながらそう聞かれ、璃湖はコクコクとうなずいた。下腹部に熱が集まって、今にも爆発しそうだ。

「ああ……あ、あ、きちゃう、……んん、ああっ」

「ここも柔らかくて……入れたら気持ちいいんだろうな。すごいな、中うねってる」

 限界を訴えるように、璃湖の膣癖がぎゅうぎゅうと福永の指を締めつける。強い快感に、目から涙がぽろりとこぼれ落ちた。

「イきそうなんだね。いいよ、ほら……イけ」

「ひああぁ、あ、イク……もう……イクぅ……ああぁっ、……んんっ、あっ」

 普段の福永からは考えられない強い口調でそう言われ、それがトリガーのように璃湖は欲望を弾けさせた。

 全身に痺れるような快感が走り、汗が噴き出る。立ってられなくなって、そのままその場に崩れ落ちた。

 これが憧れの中イキというものなのか。外で達するよりも、ずっと深いところで感じている気がする。まるでもっと強い刺激を求めるように秘奥が疼いているが、それさえも気持ちがいい。

「あっ、ほ、細井さん」

 はあはあと息を乱しながら、初めての体験の余韻に浸っていた璃湖は、なにか焦った様子の福永の声に顔をあげた。口元を手で押さえて、真っ赤な顔で璃湖を見下ろす彼の姿が目に入る。

「やばい、鼻血出そう。細井さんのおっぱい、すごく綺麗だ。乳首も、好みの色。丸くて、かわいすぎる」

 はあはあと息を乱している彼の視線を追って、ハッとする。剥き出しの乳房が福永の目に晒されている。初めての中イキの衝撃で、手で目隠しをしていたことをすっかり忘れていた。

「きゃあ、ダ、ダメ、見ないで」

 手で隠そうとするが、それを福永に阻まれる。そのまま床に押し倒されると、腹の上に福永が跨った。

「え、なんで……」

「ごめん。……出そう」

 はあっと熱い息を吐いた福永がベルトを外した。彼の股間に目をやるが、手で視界を塞がれてしまう。

「恥ずかしいから、見ないで」

 なんだそれは。自分はしっかり人の身体を見ておいてそれはずるいだろう。そう言おうとした瞬間、ジッパーを下ろす音が聞こえて言葉を呑み込む。福永が璃湖の前で陰茎を取り出すのは初めてだ。

「ああ、やばい。細井さんのおっぱい、本当に綺麗だ。丸くて、かわいい。乳首の色、エロすぎる」

 ムニムニと胸を揉まれ、乳首をきゅっと摘ままれる。小さく喘ぎながらビクついていると、顔になにかがかけられた。

「わっぷ」


「ごめん、口元だけ出すね。手が足りない」

 どうやら彼が着ていたワイシャツらしい。璃湖はこんなにすべてをさらけ出しているといのに、そんなに見られるのが嫌なのだろうか。

 不公平だと思うが、素直に言うことを聞いておく。男性器を見たいなんて真正の変態でしかないからだ。さすがにそれを口にしたら引かれてしまうだろう。

「はあ、はあ、ふう……ああ……やばい、もう爆発しそう」

「ひゃうぅ、……んんっ、あっ」

「ああ、細井さんて、感じてくると肌がピンク色になるんだね。乳首も、俺に触ってほしそうに一生懸命主張して……いじらしくて、堪らない」

 指先で乳首を弄られる。すでに璃湖の性感帯を知り尽くしている福永に開発されたそこは、もっともっとと刺激を求めてピンッと尖っている。そこを熱くて硬いなにかで擦られて、璃湖の身体がビクリと跳ねた。

「ああ、んんっ……福永さ……なに? ……ひあっ」

「俺のでグリグリされて乳首気持ちいい? 俺の先走りで濡れて光ってる乳首、エロすぎる。ああ……どうしよう、めちゃくちゃ興奮する」

 濃い雄の匂いが鼻腔を刺激する。それにあてられて、秘奥からトロリと蜜が溢れた。恋人でもない男の陰茎で乳首を刺激されて、興奮するなんて自分はおかしいのだろうか。

「はあ、……イキそう。はあ、ああ……出そう」

 福永の手の動きが速まる。ぐちゅぐちゅいう卑猥な音と、福永の荒い息遣いが部屋に響く。

「……っ、あっ……出る、……くっ、うっ」

 低い呻き声とともに、熱い液体が胸と口元にかかる。その熱さにビクリと身体が震えた。

「はあ、はあ、出た……」

「えっ」

 胸と口元を濡らしている液体が彼の放った精液だと気づいて、璃湖は、起き上がろうとした。

「あ、待って。拭くから。ごめん、嫌だったよね」

「いえ、そんな……」

 福永は申し訳なさそうだが、まったく嫌ではなかった。むしろ興奮したと言ったら引かれそうで押し黙る。

 胸元と口をティッシュで拭かれ、顔の上にあったワイシャツが取られ視界がクリアになった。目を赤くした福永が目に入る。十二年振りに射精できたのだから、泣くのも当然だ。

 こんなダルダルな身体でも、福永の役に立ったのなら嬉しい。恥を忍んで、ほぼすべてをさらけ出したかいがあるというものだ。

「射精できたんですね」

 自分の声が震えていることに気がついて、璃湖はぎゅっと唇を噛んだ。鼻の奥にツンとした痛みが走り、目に涙が滲む。

「うん、うん。細井さんのおかげだよ。本当にありがとう」

 感極まった様子の福永が璃湖のことを抱きしめる。福永の香りと体温を感じて、璃湖は耐えきれず涙をこぼした。こんなに近くにいるのに、彼の存在がとても遠く感じる。終わった、終わってしまったのだ。

 元々、治療という名目で始まった関係なのだ。それが終わった今、このぬくもりを感じることは二度とない。

 楽しかったこの一ヶ月の思い出が走馬灯のように駆け巡る。一緒に食事をしたり、野球を見たり、おもちゃ以上に福永といることがとても楽しかった。明日からは、またひとりの日常に戻る。それがとても悲しい。

 気づかないフリをしていた。気づきたくなかった。だけど、もう認めるしかない。璃湖は福永に恋をしてしまった。

 大体、彼が素敵すぎるのがいけないのだ。優しくて、料理も上手い。グルメにも野球にも詳しく、エッチも上手い。まさに理想の恋人である。

 ずっとこんな時間が続けばいいと思っていた。だから福永の回復を心の底から喜べない。そんな自分に罪悪感を覚えながら、璃湖は福永の腕の中でポロポロと涙をこぼした。

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