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学校行事にワクワクする日
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少し冷えた風に乗って、ふわりと甘く爽やかな香りが届いた。
「…あ、金木犀が咲いたのかも」
「ん?くんくん、あぁホントだ。なんかいい匂いする。あっ!アレじゃない?」
なずなちゃんが指さした先には、小さな橙色の花があった。つやつやした緑の葉っぱの中でいくつも花開いている。
「もう十月だもんね。これからどんどん寒くなるよ」
「やだなぁ」
取り留めのない会話をしながら、わたしとなずなちゃんは学校への道を歩いていた。途中、ホノカとユイとも合流する。利害の一致だけで集まったため、最初はぎこちなかったけど、だんだん慣れて四人でいることが楽しくなってきた。
「今日、発表会のグループ分けするらしいよ」
歩きながらホノカが言う。
「えー、どう分けるんだろ?」
「カリン達と一緒になったらヤダー」
「なんか、今回は完全に自由みたい。そしたら、四人でやらない?」
「いいねいいね~!!」
盛り上がる三人を尻目に、なずなちゃんはキョトンとしている。そうだった、なずなちゃんは転校してきたから発表会は初めてなんだった。
「十一月に、全校で発表会があるんだ。低学年・中学年はクラスごとに劇とか合唱とかやるんだけど、高学年はグループごとに発表内容を決めて好きなことができるの」
わたしはざっくりとした概要を説明する。
「えーすごい」
「ウチの学校、人数少ないからそうしないと発表会がすぐ終わっちゃうんだよ」
ユイが苦笑いで答える。
「今まで何やってたの?」
「去年は女子全員で劇だったよ。カリンが主役で」
「ウワッ」
「ほんと、『ウワッ』だよねぇ。今年は『劇団カリン』に入団しないで済むと思うと、心穏やか~♪」
ゆったりとした口調で、ホノカが続ける。ホノカは大人しい子なんだと思っていたけど、案外そうでもないみたいだ。
「げ、劇団カリン…」
「何やろうか?わたしもなずなちゃんも放課後に塾あるからあまり集まれなそうだし…」
「じゃあさ、じゃあさ、ダンスは?動画観ながら自主練できるから合わせるのは授業で発表会練習する時だけで良いじゃん?」
ユイは興奮気味に話す。そういえば、ユイはアイドルが好きだった。
「あんまり難しくないやつなら良いかも」
なずなちゃんがうなずく。
「それ良い!観てる人もすぐ真似して踊れたら盛り上がるよね!」
「ディズニーのパレードみたいに、ダンス開始前にサビの振り付けをお客さんに教えようよ!」
「服もさー、ちょっとおそろいっぽくしない?持ってるやつで色そろえるとか」
「ママ、アイドルっぽい服買ってくれないかなー」
「ねだる?ねだっちゃう?」
「レンタルとかもありかも!」
トントン拍子に話が進んでいく。小学校最後の発表会は、楽しいものになりそうだ。学校での活動を楽しみに思う日がくるなんて思わなかった。
「…あ、金木犀が咲いたのかも」
「ん?くんくん、あぁホントだ。なんかいい匂いする。あっ!アレじゃない?」
なずなちゃんが指さした先には、小さな橙色の花があった。つやつやした緑の葉っぱの中でいくつも花開いている。
「もう十月だもんね。これからどんどん寒くなるよ」
「やだなぁ」
取り留めのない会話をしながら、わたしとなずなちゃんは学校への道を歩いていた。途中、ホノカとユイとも合流する。利害の一致だけで集まったため、最初はぎこちなかったけど、だんだん慣れて四人でいることが楽しくなってきた。
「今日、発表会のグループ分けするらしいよ」
歩きながらホノカが言う。
「えー、どう分けるんだろ?」
「カリン達と一緒になったらヤダー」
「なんか、今回は完全に自由みたい。そしたら、四人でやらない?」
「いいねいいね~!!」
盛り上がる三人を尻目に、なずなちゃんはキョトンとしている。そうだった、なずなちゃんは転校してきたから発表会は初めてなんだった。
「十一月に、全校で発表会があるんだ。低学年・中学年はクラスごとに劇とか合唱とかやるんだけど、高学年はグループごとに発表内容を決めて好きなことができるの」
わたしはざっくりとした概要を説明する。
「えーすごい」
「ウチの学校、人数少ないからそうしないと発表会がすぐ終わっちゃうんだよ」
ユイが苦笑いで答える。
「今まで何やってたの?」
「去年は女子全員で劇だったよ。カリンが主役で」
「ウワッ」
「ほんと、『ウワッ』だよねぇ。今年は『劇団カリン』に入団しないで済むと思うと、心穏やか~♪」
ゆったりとした口調で、ホノカが続ける。ホノカは大人しい子なんだと思っていたけど、案外そうでもないみたいだ。
「げ、劇団カリン…」
「何やろうか?わたしもなずなちゃんも放課後に塾あるからあまり集まれなそうだし…」
「じゃあさ、じゃあさ、ダンスは?動画観ながら自主練できるから合わせるのは授業で発表会練習する時だけで良いじゃん?」
ユイは興奮気味に話す。そういえば、ユイはアイドルが好きだった。
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「ディズニーのパレードみたいに、ダンス開始前にサビの振り付けをお客さんに教えようよ!」
「服もさー、ちょっとおそろいっぽくしない?持ってるやつで色そろえるとか」
「ママ、アイドルっぽい服買ってくれないかなー」
「ねだる?ねだっちゃう?」
「レンタルとかもありかも!」
トントン拍子に話が進んでいく。小学校最後の発表会は、楽しいものになりそうだ。学校での活動を楽しみに思う日がくるなんて思わなかった。
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