【完結】占い館のチョコレート

四季苺

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未来の約束

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「へぇ~、じゃあクラスの問題は一段落ひとだんらくだね。」 

 お母さんが保護者会ほごしゃかい参加さんかした次の日、わたしはリゼさんに今まであったことを報告ほうこくをしに来た。 

「うん、やっと普通ふつうのクラスっぽくなった」 

「がんばったねぇ」 

「あとはもう、とにかく受験勉強頑張じゅけんべんきょうがんばるだけ」 

「うんうん。あったかいの、どうぞ」 

 リゼさんはあまいロイヤルミルクティーをれてくれた。 

「すご~くおいしい!!」 

「うふふ、でしょでしょ?ウチのおばあちゃん直伝じきでんのミルクティーなんだよ」 

「リゼさんのおばあちゃんも日本にいるの?」 

「ううん、日本にはあたしだけ来た。おばあちゃんはずっとスウェーデンにいるよ」 

「スウェーデン…」 

 リゼさんはスウェーデンから来たのか。そういえば、そういう基本的きほんてきな話ってしてないかも。リゼさんのこと、もっと知りたいな。 

「お茶の淹れ方も占いも、おばあちゃんが教えてくれた」 

「えっ!そうなの?」 

「うん、それであたしが鈴奈ちゃんに教えたから、鈴奈ちゃんは間接的かんせつてきにおばあちゃんのお茶の弟子でしってことになる」 

「えー、そうなの?」 

「そうだよ?」 

 わたしはちょっと考え、前からおねがいしてみたかったことを聞いてみた。 

「占いの弟子にはなれない?」 

「あ、タロット占い興味きょうみある?いいよ、教えてあげる」 

 リゼさんはあっさりとOKしてくれる。

「…いいの?」 

「うん?いいよ。だって鈴奈ちゃんはお医者さんになるんでしょ?あたしの商売敵しょうばいがたきにはならないもん。もし占い師になるなら、このパ…占い館の後継者こうけいしゃになってもらえばいいし」 

 うんうん、とリゼさんはうなずく。 

「…今『パン屋』って言いかけなかった?」 

「ドキ」 

「『ドキ』じゃないよ、もう」 

「ああでも、占いを教えるのは受験勉強じゅけんべんきょうが終わってからにしようか。おぼえることが多いと大変たいへんだからさ」 

「うん!そのほうがいい。」 

約束やくそくね」 

 リゼさんは細くて長い、きれいな小指をたててわたしにす。リゼさんと未来みらい約束やくそくをするのははじめてだ。 

「あ!あのね、受験の前の日にまた占いをお願いしたいの」 

「ん?」 

 リゼさんはキョトンと目を丸くする。 

「鈴奈ちゃんなら絶対受ぜったいうかるって。お小遣こづかいもったいないよ」 

「またそういうことを言う。いいの、占ってもらって、リゼさんのチョコレートを食べると安心するの。それで、頑張れるようになるの。だから、占ってほしい」 

「そっかぁ」 

 リゼさんはにっとを見せて笑い、「占い師冥利みょうりにつきるなぁ」と言った。 

「じゃあ、それも約束」 

 リゼさんはわたしの小指に自分の小指をしっかりとからませる。 

  

 残念ざんねんながらその二つの約束が守られないことを、その時のわたしは知らない。 
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