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第12章
三人娘
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竹内姫華は痴漢に遭った翌日、大学を休んだ。坂口美和と今井楓は心配し、一緒に大学を休み姫華に会うことにした。
今井楓は大学に進学してからアパートで一人暮らしをしている。そこに3人は集まった。和室6畳とダイニングキッチンの約6畳が付いていて、トイレと浴室が別に付いている。築20年を過ぎていて、新しいとは言えない。
昼ご飯前に3人で集まって、ランチはコンビニで買ってきたものを楓のアパートで食べた。
楓は
「姫、昨日のことは忘れるしかないよ。」
と言う。姫華としては簡単に忘れられるものではないと思っている。美和も楓同様
「そうだよね。姫は彼がいるんだから、これから楽しいこといっぱいあると思うし、忘れられると思うよ。すぐには無理だと思うけどさ。」
姫華は無言だ。
楓は続ける。
「そうだね。すぐには無理だと思うけどさ。所詮男はさぁ、自分が気持ち良ければいいって思ってる奴が多いんだよっ!」
と言った。姫華は微妙な表情をした。修平はそうではないと思いたい。でも大半の男はそうなのかなぁ、とも思った。
楓は
「セックスってさぁ、入れる方と入れられる方で、棒と穴になってるから男と女でするけどさぁ、ただそれだけなんじゃない?」
と言った。直接的な言い方ではあるが、2人には意味が解らなかった。
「私が言いたいのはさぁ、棒なんてチンチンじゃなくてもバイブでも指でも何でもいいわけさ。極端に言えばチンチン入れなくても気持ち良くなれるんじゃない?ってこと。」
美和は
「ん?何が言いたいの?」
と突っ込む。
楓は
「私さぁ、前に美和に『エッチってすごく気持ちいいよ。美和もそう思える時が来るよ。凄いんだから!もうエッチならずっとしてたいって思っちゃうから!』って言ったんだけど、覚えてる?あれってさぁ、半分嘘だったの。ごめん。気持ちいいんだけど、彼がすぐ終わっちゃうから、続きはオナニーでさぁ…。オナニーはずっとしてたいと思うほど気持ち良くなってるの。」
楓は仕切り直すように
「えっとね、だからさぁ、男の勝手にはさせちゃダメってこと。必ずしも女は男を必要としないって。」
と答えた。
美和は
「んー、それはそうねぇ。」
と言った。
楓は言っておきながら頭の中で整理が出来ていないようだ。言語化は難しい。
「んー、女は男のためのセックスマシーンではないということ。」
と言って、少しスッキリした表情になった。
姫華と美和はうんうんと頷いた。
楓は2人に問いかけた。
「姫華も美和もオナニーしたことあるよね?」
と。2人とも
「…」
答えるのが恥ずかしかった。
「何恥ずかしがってるのよ。ここでの話は他で絶対しないわよ。」
と楓は言った。
「私なんかエッチの後に毎回よ。彼にいかせてもらえなくてね。」
と楓は笑いながら言った。
そして問いかけは続く。
「ところでさぁ話は変わるんだけど、浮気ってどこからだと思う?嫉妬ってさぁ、どんな時にする?」
2人は
「んー」
と考えた。そのまま楓は続ける。
「私はね浮気ってキスからだと思うの。2人で食事したりでも、異性だと仲良く話してるだけでも嫉妬はするけど。」
美和は
「んー、まぁ、そうね。わかる。」と。
楓は
「同性だったらどう?」
2人は同時に
「嫉妬はしないかな。」
と答えた。
「なんで嫉妬しないの?」
と楓は切り返す。2人は
「え?」
と。質問の意図が解らない。
楓は
「それは恋愛感情がないだろうと思うからじゃない?じゃあ、恋愛感情があったらどうなんだろうね。」
と言った。2人はまた難しい表情になる。
楓はひとこと。
「多様性ってやつよ。誰が誰を好きになるか分からないじゃない?見た目が男性か女性かでも心の中は分からないし、同性を好きになることもあるし。」
と言った。2人はうんうん、と心では分からないところはあるが、納得はした。多様性とは何とも難しいことを言い出した楓だった。
多様性…
色々なパターンがあるから決めつけてはいけないということか。
楓は言った。
「私ね、何だか最近彼のセックスマシーンになってる気がするの。優しくて面白いところはあるけど、愛を感じないと言うか…。別れようと思ってる。さっきも言ったように私はね、オナニーすれば十分だし。男は別にいいかなって。」
とサバサバと話した。
美和は
「そっか。私はどうなんだろうな。愛されてはいるかなぁ…」
姫華は頷きながら
「うん、私はね大事にしてくれてるよ。昨日も事件まではすごく楽しかったの。」
楓は「その楽しかったこと、聞きたいなぁ」
と笑顔で言った。姫華は
「私はね、前から店長のことが好きでね、それでバレンタインデーの翌日に告白したの。そしたら歳の離れた妹みたいって言われたんだけど、付き合ってもいいって言ってくれて。色んな所に食事に行って、昨日もオシャレな所に連れて行ってくれた。」
楓は聞いていながらも気になったことを口にした。
「どこまで進んだの?」
と。姫華は
「キスまでよ。」
と素直に答えた。楓は
「すぐに身体ばかりに来ないところが大人って感じがするねぇ。大事にされてるんだね。うちとは大違いだよ。」
と言い、皆で笑った。
楓は
「美和はどうなの?」
と美和に話を振った。
「んー、私は彼と上手くいってると思う。大事にしてくれるし、エッチの時も優しくしてくれるし。気持ち良さも分かってきた。」
と美和は真剣に答えた。
楓は
「2人ともいいね。順調だね。私は私で、これからを楽しもうと思う。これからも2人のこと聞かせてくれる?私に気を遣うことないからね。」
と明るく言った。
姫華は前日のことを忘れたわけではないが、楓の明るさに助けられた気がした。
そして、楓は2人に提案したのだ。
「今度3人で温泉にでも行かない?」
と。2人は
「いいね!」
と即答した。
今井楓は大学に進学してからアパートで一人暮らしをしている。そこに3人は集まった。和室6畳とダイニングキッチンの約6畳が付いていて、トイレと浴室が別に付いている。築20年を過ぎていて、新しいとは言えない。
昼ご飯前に3人で集まって、ランチはコンビニで買ってきたものを楓のアパートで食べた。
楓は
「姫、昨日のことは忘れるしかないよ。」
と言う。姫華としては簡単に忘れられるものではないと思っている。美和も楓同様
「そうだよね。姫は彼がいるんだから、これから楽しいこといっぱいあると思うし、忘れられると思うよ。すぐには無理だと思うけどさ。」
姫華は無言だ。
楓は続ける。
「そうだね。すぐには無理だと思うけどさ。所詮男はさぁ、自分が気持ち良ければいいって思ってる奴が多いんだよっ!」
と言った。姫華は微妙な表情をした。修平はそうではないと思いたい。でも大半の男はそうなのかなぁ、とも思った。
楓は
「セックスってさぁ、入れる方と入れられる方で、棒と穴になってるから男と女でするけどさぁ、ただそれだけなんじゃない?」
と言った。直接的な言い方ではあるが、2人には意味が解らなかった。
「私が言いたいのはさぁ、棒なんてチンチンじゃなくてもバイブでも指でも何でもいいわけさ。極端に言えばチンチン入れなくても気持ち良くなれるんじゃない?ってこと。」
美和は
「ん?何が言いたいの?」
と突っ込む。
楓は
「私さぁ、前に美和に『エッチってすごく気持ちいいよ。美和もそう思える時が来るよ。凄いんだから!もうエッチならずっとしてたいって思っちゃうから!』って言ったんだけど、覚えてる?あれってさぁ、半分嘘だったの。ごめん。気持ちいいんだけど、彼がすぐ終わっちゃうから、続きはオナニーでさぁ…。オナニーはずっとしてたいと思うほど気持ち良くなってるの。」
楓は仕切り直すように
「えっとね、だからさぁ、男の勝手にはさせちゃダメってこと。必ずしも女は男を必要としないって。」
と答えた。
美和は
「んー、それはそうねぇ。」
と言った。
楓は言っておきながら頭の中で整理が出来ていないようだ。言語化は難しい。
「んー、女は男のためのセックスマシーンではないということ。」
と言って、少しスッキリした表情になった。
姫華と美和はうんうんと頷いた。
楓は2人に問いかけた。
「姫華も美和もオナニーしたことあるよね?」
と。2人とも
「…」
答えるのが恥ずかしかった。
「何恥ずかしがってるのよ。ここでの話は他で絶対しないわよ。」
と楓は言った。
「私なんかエッチの後に毎回よ。彼にいかせてもらえなくてね。」
と楓は笑いながら言った。
そして問いかけは続く。
「ところでさぁ話は変わるんだけど、浮気ってどこからだと思う?嫉妬ってさぁ、どんな時にする?」
2人は
「んー」
と考えた。そのまま楓は続ける。
「私はね浮気ってキスからだと思うの。2人で食事したりでも、異性だと仲良く話してるだけでも嫉妬はするけど。」
美和は
「んー、まぁ、そうね。わかる。」と。
楓は
「同性だったらどう?」
2人は同時に
「嫉妬はしないかな。」
と答えた。
「なんで嫉妬しないの?」
と楓は切り返す。2人は
「え?」
と。質問の意図が解らない。
楓は
「それは恋愛感情がないだろうと思うからじゃない?じゃあ、恋愛感情があったらどうなんだろうね。」
と言った。2人はまた難しい表情になる。
楓はひとこと。
「多様性ってやつよ。誰が誰を好きになるか分からないじゃない?見た目が男性か女性かでも心の中は分からないし、同性を好きになることもあるし。」
と言った。2人はうんうん、と心では分からないところはあるが、納得はした。多様性とは何とも難しいことを言い出した楓だった。
多様性…
色々なパターンがあるから決めつけてはいけないということか。
楓は言った。
「私ね、何だか最近彼のセックスマシーンになってる気がするの。優しくて面白いところはあるけど、愛を感じないと言うか…。別れようと思ってる。さっきも言ったように私はね、オナニーすれば十分だし。男は別にいいかなって。」
とサバサバと話した。
美和は
「そっか。私はどうなんだろうな。愛されてはいるかなぁ…」
姫華は頷きながら
「うん、私はね大事にしてくれてるよ。昨日も事件まではすごく楽しかったの。」
楓は「その楽しかったこと、聞きたいなぁ」
と笑顔で言った。姫華は
「私はね、前から店長のことが好きでね、それでバレンタインデーの翌日に告白したの。そしたら歳の離れた妹みたいって言われたんだけど、付き合ってもいいって言ってくれて。色んな所に食事に行って、昨日もオシャレな所に連れて行ってくれた。」
楓は聞いていながらも気になったことを口にした。
「どこまで進んだの?」
と。姫華は
「キスまでよ。」
と素直に答えた。楓は
「すぐに身体ばかりに来ないところが大人って感じがするねぇ。大事にされてるんだね。うちとは大違いだよ。」
と言い、皆で笑った。
楓は
「美和はどうなの?」
と美和に話を振った。
「んー、私は彼と上手くいってると思う。大事にしてくれるし、エッチの時も優しくしてくれるし。気持ち良さも分かってきた。」
と美和は真剣に答えた。
楓は
「2人ともいいね。順調だね。私は私で、これからを楽しもうと思う。これからも2人のこと聞かせてくれる?私に気を遣うことないからね。」
と明るく言った。
姫華は前日のことを忘れたわけではないが、楓の明るさに助けられた気がした。
そして、楓は2人に提案したのだ。
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と。2人は
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