メサイアの灯火

ハイパーキャノン

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神世への追憶編

挑戦状

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 ガリア帝国首都ルテティアの北部に広がる丘陵地帯モンマルトル、そこにあるエイジャックス連合王国の諜報機関“M16”ルテティア支部にはマーガレットやリエラ、ヴェルキナと言った超新星メンバー達が直下の親衛隊の女子共々に顔を揃えていた、そんな彼等の元へー。

 その日の任務から帰還してきたルクレールとエヴァリナが合流するモノの現在、彼女達は何をやっているのか、と言えばそれは一言で言うならば相手に揺さ振りを掛ける事と挑発行為であった、特に前者に付いては先日来、マーガレット達がガリア帝国秘密組織であるセイレーンの所在を暴露して複数の国内メディアにリークした為にそれなりの効果が期待されたがミラベル上層部の迅速な対応が功を奏して今現在は何処のマスコミや新聞社も取り上げてはいなかったのだ。

 ただし。

 “グズグズしていると第二、第三の手を打って来るかも知れない。何をするのか解らない恐ろしい女だ”と言う、マーガレットに対するある種の脅迫観念的人物像をミラベルとセイレーン側に植え付ける事には成功したから、強(あなが)ち失敗とも言えなかった。

(別に、構わん・・・!!!)

 マーガレットは相変わらず余裕である、理由は至って簡単で今、事態のキャスティングボートを握っているのは間違いなく彼女達レウルーラの側なのだ、焦る必要は全く無かった、そんな中で。

「どうだった?本日の収穫は・・・」

「ぜーんぜん、ダメ!!!」

 マーガレットの質問に帰還してきたルクレールとエヴァリナがそれぞれに応える。

「今日も買い出し部隊を襲撃して揺さ振りを掛けたり、本部近くから殺気を放ったりして挑発行為を繰り返したりしたんだけど連中、あなぐらに籠もったまま出て来ないのよ。ここまで来ると張り合いが無くなって来るわ?」

「些か拍子抜けしてしまいました、まさか“風の導き手”ともあろう者が、ここまでへっぴり腰だったなんて。ちょっと残念な気もしますけどね・・・」

「1週間ほど前だったか?セイレーン本部の直ぐ側で“レウルーラの加護”を発動させたのは。正直あの時はあのまま攻め込もうか、とも考えたのだがな。ある懸念があったので止めにしたのだ」

「・・・エマとクレモンスね?」

 マーガレットの言葉に、ルクレールが即応した。

「正直な話、時空を司る能力を持ち、尚且つ知的好奇心旺盛なあの2人ならば十中八九、此方に対する追撃を掛けてくると思っていたのだがな?見当違いだったようだ・・・」

「それかもしくは此方の作戦を読まれたか。いずれにせよセイレーンの“女王位”、食えない存在ね。流石に迂闊には動かない、と言う訳ね・・・?」

「エマとクレモンスの2人を制圧出来れば“レウルーラの加護”の秘密に気付ける者はいなくなる。それに対抗手段を講じる事が出来る存在も、ですわね?」

 “その通りだ”と2人を前にしてマーガレットは頷くモノの本来ならば1週間前のあの時、セイレーン本部に直接強襲を掛けても良かったのだがマーガレットは不安要素が残されている事を悟って止めにした、それと言うのがくだんのエマとクレモンスである、まずはこの2人をどうにかして制圧、要するに抹殺しなければ作戦成功の可能性を高める事が出来ないと判断したのであった。

「・・・そう言えば以前、“エカテリーナ”が言っていたな?“ソウタ・アヤカベ”もまた“時空間魔法”が使えると」

「・・・へえぇ?」

 するとその言葉に、ルクレールが意外そうな表情を見せて反応する。

「単なるファイターでは無い、と言う訳ね?確かに話には聞いていたわ、エルフの国を救ったと言う風使いの少年の伝説を・・・」

「やはり“ソウタ・アヤカベ”は侮れませんわね・・・!!!」

「そう言う事だな。奴がもし“時渡り”や“次元跳躍”を使う事が出来るのだとするとエマとクレモンス両名と同じ位に厄介な存在だ、と言う事になる。ここは何としてでも早めにケリを着けたい所だが・・・」

 “相手が動かないのではな・・・!!!”とマーガレットが顔をしかめて思案を巡らせ始めた、その時だ。

「・・・おい、無線機の調子がおかしいぞ?」

「こっちもだ、やたらとノイズが入って来るな・・・!!?」

 特殊なヘッドホンを装着しながら暗号通信機器の置かれているテーブルに座っていた2人の通信係が何やら言い合っている。

「・・・どうした?」

「いや、通信機の調子が突然悪くなってさ。やたらとノイズが走るようになったんだ・・・!!!」

「ついさっきまでは普通に聞こえていたのに、おかしいな?何処がイカレたんだろ・・・」

 マーガレットの問いにそう応えながらも通信係が装置に手を伸ばした直後に、“それ”は聞こえて来た。

「ガッ、ガーッ。ピッ!!!・・・えるか?・・・ーガレット。こちら・・・。聞こえるか?マーガレット。此方セイレーンの蒼太だ!!!」

「・・・・・っ!!?」

「・・・・・っ!!!」

 “マーガレット!!!”と通信係の一人が彼女を呼び寄せ、ヘッドホンを装着させる。

「聞こえるか?マーガレット。此方はセイレーンの“ソウタ・アヤカベ”だ。明後日未明、朝の4時にここセイレーン本部まで来い。そこで決着を着けよう、此方は俺自身以下“女王位”と直下の親衛隊員のみで迎え撃つ。場所はセイレーン本部の地下11階にある“女王の間”だ。朝4時だぞ?間違えるなよ・・・」

「・・・・・っ!!!」

「マーガレット、コイツは・・・っ!!?」

 “しっ、静かに!!!”と何事かを話し掛けようとしていた通信係に対して人差し指を口に当てて黙るようにジェスチャーをすると、マーガレットは尚も聞き耳を立て続けた。

「ここまで挑発行為を繰り返したんだ、まさか逃げたりはしないだろうな?もしそんな事態になったりすればお前達の事を笑ってやるぞ?お前達は口ほども無い、無様な負け犬野郎共だってな・・・!!!」

「・・・・・」

(言ってくれるな・・・)

 マーガレットはその言葉と口調から、間違いなく蒼太本人である事に加えて彼が本気で腹を括って自身達を挑発しているのだ、と言う事を知った。

「もし来ないのならば、お前達がそうしたようにエイジャックス連合王国の主要メディアにお前達の存在や今回の行動、そしてその結末までリークしてやる。安全な場所に居る間は散々、イキがっていた癖にその実、此方が覚悟を決めて決闘に及ぼうとしたら口ほども無く逃げました、とな。お前達がもし本当に自分の実力に自信を持ち、国を背負って立っているプライドがあるのならば、そして人として恥を知っているのならば潔くこの挑戦を受けろ。待っているぞ?マーガレット、ルクレール、そしてエヴァリナ。以上!!!」

 そう言うと。

 蒼太は通信を切った、此方の暗号通信に割り込んで来られた、と言う事は暗号コードと乱数表の答がガリア帝国側に知れ渡ってしまっている、と言う事であるから直ちに変更を掛けなくてはならない。

 だがその前に。

「・・・ルクレール、エヴァリナ」

 ヘッドホンを机に置いたマーガレットが彼女達に向き直った。

「良かったな、お前達の働きが報われたぞ?」

「・・・・・?」

「・・・それってどう言う」

「たった今果たし状を叩き付けられたんだ、“ソウタ・アヤカベ”本人からな!!!」

 そう言うとマーガレットは静かに闘志の炎を瞳の中で燃やし始めた。

「・・・場所と時間は?」

「明後日の朝4時に、セイレーン本部の地下にある“女王の間”と言う場所でケリを着けたいらしい。此方は親衛隊を引き連れて20名全員で行くぞ?」

「・・・・・」

「・・・いよいよ頂上決戦ですわね?超新星と女王位による」

「ああ、相当な絵になるぞ?事情通の者がその場に居合わせていれば、の話だがな?」

「だけど向こうは親衛隊員を含めて56名、こっちは僅かに20名。数的劣勢は避けられないわよ?」

「・・・なに、問題は無いさ。我々全員には“レウルーラの加護”がある!!!」

 “それに”とマーガレットは尚も続けた、“いざとなったら極超新星ハイパーノヴァと化して戦うのみだ”とそう告げて。

「だが案ずるな、多分そこまでにはならんさ。そもそもが我々の持つ“レウルーラの加護”をまずもって突破しなければ奴等は我々と同じ土俵の上に立って戦う事すら出来ないのだがその事を奴等はまだ知らずにいる。そこに我々の利点がある!!!」

 自信を持ってそう述べ立てるマーガレットの言葉に、ルクレールとエヴァリナが大きく頷いた、一方で。

 メリアリア達の隙を見付けてトイレに籠もり、自身の録音した音声データを前以てノエルから貰っていたエイジャックス連合王国の暗号コードに変換して連中のネットワークに送信した蒼太は事が済むとデータを削除してスマートフォンをポケットにしまい、何食わぬ顔ではばかりを後にした。

「あっ、蒼太・・・っ!!!」

「蒼太さん・・・っ!!!」

「何処に行っていたんだ?全くもう・・・!!!」

 “女王の間”に戻るとメリアリア達が早速駆け寄って来ては青年に纏わり付き始めた。

「あははっ、みんなゴメン。ゴメンて・・・!!!」

「いやっ!!!ギュッてしてくれるまで許さないのっ。蒼太にキスして欲しいのっ❤❤❤❤❤」

「蒼太さん、心配したんですよ!!?いーっぱいナデナデして下さいっ❤❤❤❤❤」

「蒼太、ずっと側にいて?ずっと寄り添い合っていたいんだ、それだけで良いんだ・・・っ❤❤❤❤❤」

 3人の花嫁達から向けられる愛情は日に日にその強さを増して来ていたが、蒼太としてはそれは嬉しい半面、少し怖くもあった、殊に最近の彼女達の瞳がヤバく、自分に向けて来る視線には何やら狂気のような壮絶さが潜んでいる気がしてならないのである。

「・・・・・」

(う~ん、参ったなぁ。メリアリアもアウロラもオリヴィアもいい子なんだけど、ここの所愛情表現やスキンシップが常軌を逸して来ている気がする・・・!!!)

 “気のせいだよね・・・?”等と考えてかぶりを振るが果たしてそれは決して間違い等では無くて、彼女達は底知れぬ程にまで強烈なる真愛まなの情熱的輝きを彼に抱いていたのであった。

 その烈々たる思いの滾りの赴くままに彼に縋り付いては甘え、求めに求めて貪り続けて行くモノの、そんなメリアリア達の求愛行動に蒼太は少し気圧されつつも、それでも少しも嫌な思いを抱く事無くなるだけ誠実に応対していった。

 “抱いて欲しい”と言われれば抱いたし“キスをしたい”とせがまれれば唇に唇を重ね合わせ、3人とイチャイチャし続けていたのだが、そんな青年の裏表の無い真摯な気持ちが余計に花嫁達の心に火を点けては何処までも何処までも燃え上がらせる結果となってしまっていたのだ、そんな折。

「よう、蒼太。相変わらずだな!!!」

 アンリ達の一団が、食料品や飲料水等を携えて持ってきた、本日は週に2回の差し入れ日である、蒼太は“ありがとう”と言って頭を下げつつ礼を述べた。

「アンリ、そしてみんな。いつも助かるよ!!!」

「なに、こんな時だ。持ちつ持たれつ仲良くやろうや!!!」

 アンリ達はそう言って明るく笑ってくれたが、蒼太は彼等の友情に感謝していた、途中で襲撃されるかも知れない危険な任務をそれでもあっけらかんと遂行してくれるのは、彼等の精神的暖かさと優しさ、そして強さに由来する所が非常に大きい。

 現に今日はA班とB班に分かれて出立していった買い物部隊の内でA班がルクレール達の攻撃を受けて這々の体で逃げ帰って来た、と言う報告を受けたばかりである、その有り難さと貴重さはまさに一入(ひとしお)であったのだ。

「ほら、お前がこの前食いたがっていた“カルボナーラ”だ。冷凍食品で安くて良いのがあったんで買って来たぜ?」

「済まないアンリ、本当に助かるよ。今度1杯奢るよ!!!」

「あははっ、ソイツは有り難いな。その時はたらふく飲むからな?」

「1杯だけ、1杯だけな!!?」

「えっ?いっぱいって、いっぱいなんだろ!!?」

 その中でもやはり、アンリだけは別格である、少しだけニヒルな所もある彼だが打ち解けてしまえばなんという事は無い、底抜けに明るくて気遣いが出来る立派な紳士であったのだ。

 それだけではない、いざの際にはキチンと勇気を発揮して困難に立ち向かえるし、また戦場での駆け引きや交渉術にも長けている、非常に頼りになる男でもあった。

「・・・ところでな?蒼太。“例の件”だが」

「ん・・・?」

「勝算はあるのか?あのルクレール相手に・・・」

 不意に神妙そうな面持ちとなってそう告げる親友に対して蒼太もまた、少し真面目な表情を浮かべて“解らない”と正直に応えた。

「ルクレールはメリーと同程度の実力を持っている、と俺は見ている。もしそうならば、まともに戦ったならば俺に勝ち目は無い・・・」

「おいおい、お前。そいつは・・・」

「だけどな?アンリ。俺はそれだけじゃない気がするんだよ、あの超新星と言う連中は・・・」

 そこまでアンリに対して自分の考えを述べると蒼太は今度は愛妻淑女に声を掛けた。

「・・・メリー。君が戦っていた“青天のエヴァリナ”なんだけれども。戦闘技術や実力的にはこの中の誰と互角だと思う?」

「えと・・・。アイツら実力を隠しながら戦っていたから、ちゃんとした事は解らないけれど・・・。それでも私が感じた所では、エヴァリナはアウロラと殆ど互角の力を持っていると思うわ?」

 “ただし”とメリアリアが付け加えた、“遠距離戦闘ではアウロラが勝ち、反対に近接戦闘では多分、向こうに軍配が上がるでしょうね・・・”とそう言って。

「それにあの子達、ラフプレーすれすれの戦闘行動を平然とかまして来るから先が読めない上に一瞬たりとも気が抜けないのよ。まともに戦ったならば、今のアウロラなら遅れを取ってしまうかも知れないわ・・・」

 そこまで述べるとメリアリアは蒼太にしがみ付いたまま、顔だけアウロラに向けて話し始めた。

「お互いに正面切って最大火力で争うならばアウロラ、間違いなく貴女あなたに分があるわ?ただ実際の戦闘では相手が貴女あなたの攻撃発動まで待っていてくれる保証は無いし、それに何より此方の必殺技を都合良く受けてくれる訳でも無いしね?」

「・・・正直に言うと、僕もそれを心配しているんだ。アウロラ、“星震魔法”を瞬時に生成させる技術はまだ修得出来ないか?あれは戦局を一発で此方に傾ける決め手になってくれるモノだ。使い方さえ間違えなければレウルーラみたいな連中を今後も相手にする上で、この上とない戦力となる!!!」

「ごめんなさい、まだ・・・」

 するとそれを聞いていたアウロラが申し訳なさ気な顔付きとなって項垂れてしまった、一応、爆雷魔法と言う無駄に高威力、広範囲な星震魔法に改良を加えて適正威力な上に発動を容易にしたモノならば彼女は扱えるのだが星震魔法をそのまま、好きな場所で好きなように生成させる技術等は存在していなかったのだ。

「ああ、謝らないで?責めている訳じゃ無いんだ。僕も出来ない事はいっぱいあるし、それを君やメリー、オリヴィアに肩代わりさせるのは正直に言って心苦しいんだけど・・・」

「・・・私はマーガレットに当たるよ?蒼太!!!」

 するとそれまで話を黙って聞いていたオリヴィアが初めてここで口を開いた。

「玉泉のマーガレット、名は以前から聞いて知っていた。まさかこんな形で雌雄を決する事になるとは夢にも思っていなかったけれど、それでも話を聞く限りにおいて、彼女を相手に出来るのは私しかいないと思っている・・・」

「私は、ルクレールに当たるわ?蒼太・・・!!!」

「オリヴィア、それにメリーまで。だけど・・・」

 “そんな事をしたならお互いに意地の張り合いになってしまう”、“もしかしたなら君達もただでは済まないかも知れないんだぞ?”と心配しながら述べ立てた青年の言葉をメリアリアもアウロラもオリヴィアも、ニッコリと笑って受け止めて、そしてー。

「・・・そんな顔をしないで?蒼太。大丈夫よ、私は勝つわ?勝って必ずやあなたを守ってあげる!!!」

「そうだとも、蒼太。私達は決して負けたりしないわ?だってあなたが見ていてくれるのだもの、無様な真似は晒せないわ?」

「蒼太さんが一緒ならば、どんな事でも乗り越えられます。だから私達を信じて、愛して・・・?」

 そう言って決意と覚悟とを新たにした三人はまた青年に強く抱き着いたままその身や頬を擦り付けるようにする。

「・・・手強いぜ?アイツらは。何しろこの前戦った際に隙を突いて全力で俺の爆裂魔法の法力をぶち当てたってのに、アイツは。ルクレールは無傷だったんだ!!!」

「ああ、それは俺も気になってる部分だ。何かタネがあるな・・・?」

 “それがなんなのかを見出せない限り、この勝負はヤバいかも知れない”等と蒼太は頭の片隅で考えていた、正直に言ってメリアリア達の気持ちはとても有り難いし、それに自分も全力で答えたいー。

 彼は改めて花嫁達を代わる代わる見つめながら、本気でそんな思いを巡らせ続けていたのである。
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