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見えないものは見えません
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あたしは今、お城の地下通路を歩いてる。
リフさんの持つランプがないと、真っ暗だ。
古い歴史を持つお城って感じだし、幽霊とかでそうで怖い。
こんな場所に来るなんて聞いてないよ。
びくびくしながら辺りを見て歩いてたら、前を行くリフさんが立ち止まって、危うく背中にぶつかりそうになった。
ん?
行き止まり?
ランプの光に照らし出された突き当りの壁。そこにリフさんの右手が置かれた瞬間、ふっと壁が消えた。
は……?
何事もなかったようにリフさんは進んでいく。
い、今、壁が消えたように見えたんですが?
「ぼやぼやしないで早く進め」
つんけんした声が背後から追い立ててくる。
わ、わかりましたよ!
進めばいいんでしょ?
思い切って足を踏み入れると、石の壁に囲まれた空間だけが広がってる。
拍子抜けしてると、リフさんが壁の出っ張りにランプを置いて振り返った。
「部屋の真ん中に立ってみて」
真ん中って……ここ?
「そう。そこで少しじっとしてて」
立ってるだけで確かめられるんだ?
大人しく従うと、リフさんは目を閉じた。
「火の月に問う。この者、その力に耐えうるか否か」
かっと足元に光が走った。
それは円を描いて、あたしを中心に見た事もない記号や文字を刻んでいく。
「可なら、証を。不可なら沈黙を持って……」
光はどんどん強くなって下から風が吹き上がってくる。
リフさんの声は、風の音でかき消され、風圧で目も開けてられない。
息苦しくなってきた頃、その風が勢いを失くすのを感じた。
鼓膜に煩かった風の音が遠ざかって、普通に息がつける。
お、終わったのかな?
そろっと目を開けてみる。
新緑を透かす日差しがきらきらしてる―――――って、はいぃ!?
苔むした大地に青々と茂る木々のど真ん中。
あたしは一人ぽつんと立っていた。
石の壁に囲まれた部屋も、そこにいた他の二人の姿も見当たらない。
目をごしごし擦ってみたけど、目の前の景色は変わらなかった。
何であたし外にいるの?
ここ、何処?
「リフさん」
返事なし。
呼びづらいけど、もう一人も呼んでみる。
「ジェ、ジェラールさん?」
呼び声は木々の間に吸い込まれて消えた。
しーんと静まり返る森の中。
……あたし、白昼夢でも見てるのかな?
試しに頬っぺた抓ってみる。
――――あ痛っ。
じんじんする頬を押さえて辺りを見回すけど、やっぱり同じ景色。
「い、いったいどうなって……っんぶ」
生ぬるい風が顔面に吹き付けて言葉が詰まった。
うっ。
不安感の所為か風の音が人の泣き声みたいに聞こえてきたよ。
ざわざわと木々が擦れ合う音に紛れて、あれ……これ、本当に女の人の泣き声みたいじゃ、ない?
鳥肌立ってきた。
や、やだな。
気のせいに決まってるよ。
まさかそんな。
はははは……。
≪ァ……アァ…≫
怖いの笑い飛ばそうとして、びしりと固まる。
森全体がざわめき、周囲が急に薄暗くなった。
ひぃぃっ。
嘘でしょ!?
確かにお城の地下で出るかもとか思ったけど、本当に幽霊が出るの!?
馴染みのない魔法や魔女より、そっちのがより怖いっ。
≪チカラ……感ジル…≫
ああ、気を失えたらいいのにっ。
空中を飛ぶ何かが見えちゃったよっ。
わかりたくないけど、女の人だ。
長い髪をしてて身体の輪郭線が柔らかい。
≪チョウダイ、ソノ力、ワタシニ≫
ひっ、ひぃいいっ!
凄い勢いでこっちに来る――――――!
あたしに憑りついたっていい事なんて何もないってばっ!!
ぎゅっと目を瞑って固まったあたしの傍で、ビシャンッて音が響いた。
≪ギャアア≫
高い悲鳴は、勿論あたしのじゃない。
な、何?
「ごめん、遅くなって」
すぐ近くで、聞き覚えのある穏やかな声がした。
この声っ!
「リフさん!」
光に縁どられた片手を下げて、こっちに来る。
リフさんが何かしてくれたんだ。
た、助かった~。
心細かったから、心底ほっとしたよっ。
「……君、もしかして魔法を使えたりする?」
「は?」
この状況で何でその質問なの?
魔法何て言葉、あたしの国にはないも同然ですよ。
「資質確認もしないうちに、単身こちら側へ跳ぶなど、どういうつもりだ」
背後から現れたジェラールさんの低く咎める物言いで、二人が何を言いたいのかぴんときた。
あたしが自分の意思で、勝手にここへ移動してきたと思ってる?
「ま、魔法なんて使えませんよっ。気づいたらここにいたんです!あなた達が送り込んだんじゃないんですか!?」
「僕らは資質の確認途中で君が消えて、慌てて後を追ってきた。足元に転移方陣が残ってたから、てっきり君が発動させたのかと」
「違います!転移なんたらなんて、さっぱりわかりません!だいたい、何であたしがここへ移動してくる必要があるんですか!」
いきなりこんな所に一人だし、説明して貰いたいのはこっちなのに。
むっとして強く言い返すと、リフさんは腑に落ちない顔の後、息をついた。
「……そう、だよね。それじゃあ、その話はまた後にして、ひとまず確認するよ。あれ、見えてる?」
つられて見れば、宙で苦し気に身悶えるアレがまだそこにっ。
「ゆ……幽霊?」
「いいや。けど、放って置くと魔物化する」
魔物って言いましたか、今。
大昔にいなくなったとかいうアレのこと?
「今すぐ故郷へ帰っていいですか!?明らかにあたしの許容量範囲を超えてるんですけどっ」
「それは無理。とりあえず――――あれに暗く光る塊は見える?」
光る塊?
改めて半透明なアレを見る。
目を凝らすけど、そんなの見えない。
「……見えないです、けど」
リフさんの目がこっちを向く。
真剣な眼差しにちょっと気圧されそう。
「本当に?ぼんやりとでも?」
「……はい」
心なしか、リフさんの表情が硬くなった気がする。
けどそれも一瞬のことで、あたしの手首を放すと彼は前に進み出た。
「わかった。君は危険だから下がっていて」
「えっ、逃げないんですか!?」
「逃げても無駄だから」
「無駄って、ど」
「しかし、生命石の位置がわからないと討てないのでは?」
ジェラールさんの眉間の皺が更に深い。
「脱出するまでの時間稼ぎができればいい」
「……了解しました」
リフさんに倣うジェラールさんが横目にあたしをひと睨みする。
あ、あたしの所為じゃないですよ、この状況は。
見えないものは見えませんってば!
≪ジャマヲスルナッ≫
怒らせるだけですってば!
逃げた方が絶対いい――――。
ズバッ
鋭い音をたてて振るわれたジェラールさんの剣が、アレを横真っ二つに引き裂いた。
な、なんだ。
以外にあっさり決着?
「や、やりましたね!」
二人に向かって駆けよろうとしたら、鋭い声が飛んできた。
「来ちゃ駄目だっ」
びくっ。
戦闘後で気が立ってるわけじゃないのはすぐにわかった。
真っ二つになったはずのアレがまた元に戻ってるっ。
斬られたのに、身体くっくとか有りなの!?
高速で後ずさると同時、シャキンって音がした。
ひっ。例の女の人の爪が長く伸びてる。
その爪が鋭く宙を裂いた。
二人は飛び退けたけど、二人がさっきまで立ってた地面が深く抉れてるっ。
斬ってもキリがなし、唯一効いてるらしいのは、リフさんの手から出る光る刃だけど、致命傷にはなってなさそう。
しかも、さっきまでは完璧に避けてた爪が二人に掠り始めてるのは疲れ始めてるんだよね!?
「も、もう止めて逃げましょうよ!やっつけられないなら、相手にするだけ無駄ですよっ」
振り下ろされる爪を避けて距離を取るリフさんが態勢を整えながら答える。
「コレを倒すか時間が経たないと、元には戻れないから」
「何それ?」
「わ、……リファリス殿。何か妙です。そろそろ城へ戻っても良い頃では?」
あたしの声を遮るようにジェラールさんがリフさんに話しかける。
「そうだね。何か妙だ。……一か八か試してみようか」
いまいちよく分からないやり取りの後、呟くように言いリフさんは宙に指を滑らせる。光の軌跡が、文字を刻む。
「ティコ・クルル・シー・ラ・ラズ、その内に眠りし月よ、今ひと時、解放する」
ばくんっ
瞬間、あたしの中で自分の耳に聞こえるくらい大きい鼓動がした。
リフさんの持つランプがないと、真っ暗だ。
古い歴史を持つお城って感じだし、幽霊とかでそうで怖い。
こんな場所に来るなんて聞いてないよ。
びくびくしながら辺りを見て歩いてたら、前を行くリフさんが立ち止まって、危うく背中にぶつかりそうになった。
ん?
行き止まり?
ランプの光に照らし出された突き当りの壁。そこにリフさんの右手が置かれた瞬間、ふっと壁が消えた。
は……?
何事もなかったようにリフさんは進んでいく。
い、今、壁が消えたように見えたんですが?
「ぼやぼやしないで早く進め」
つんけんした声が背後から追い立ててくる。
わ、わかりましたよ!
進めばいいんでしょ?
思い切って足を踏み入れると、石の壁に囲まれた空間だけが広がってる。
拍子抜けしてると、リフさんが壁の出っ張りにランプを置いて振り返った。
「部屋の真ん中に立ってみて」
真ん中って……ここ?
「そう。そこで少しじっとしてて」
立ってるだけで確かめられるんだ?
大人しく従うと、リフさんは目を閉じた。
「火の月に問う。この者、その力に耐えうるか否か」
かっと足元に光が走った。
それは円を描いて、あたしを中心に見た事もない記号や文字を刻んでいく。
「可なら、証を。不可なら沈黙を持って……」
光はどんどん強くなって下から風が吹き上がってくる。
リフさんの声は、風の音でかき消され、風圧で目も開けてられない。
息苦しくなってきた頃、その風が勢いを失くすのを感じた。
鼓膜に煩かった風の音が遠ざかって、普通に息がつける。
お、終わったのかな?
そろっと目を開けてみる。
新緑を透かす日差しがきらきらしてる―――――って、はいぃ!?
苔むした大地に青々と茂る木々のど真ん中。
あたしは一人ぽつんと立っていた。
石の壁に囲まれた部屋も、そこにいた他の二人の姿も見当たらない。
目をごしごし擦ってみたけど、目の前の景色は変わらなかった。
何であたし外にいるの?
ここ、何処?
「リフさん」
返事なし。
呼びづらいけど、もう一人も呼んでみる。
「ジェ、ジェラールさん?」
呼び声は木々の間に吸い込まれて消えた。
しーんと静まり返る森の中。
……あたし、白昼夢でも見てるのかな?
試しに頬っぺた抓ってみる。
――――あ痛っ。
じんじんする頬を押さえて辺りを見回すけど、やっぱり同じ景色。
「い、いったいどうなって……っんぶ」
生ぬるい風が顔面に吹き付けて言葉が詰まった。
うっ。
不安感の所為か風の音が人の泣き声みたいに聞こえてきたよ。
ざわざわと木々が擦れ合う音に紛れて、あれ……これ、本当に女の人の泣き声みたいじゃ、ない?
鳥肌立ってきた。
や、やだな。
気のせいに決まってるよ。
まさかそんな。
はははは……。
≪ァ……アァ…≫
怖いの笑い飛ばそうとして、びしりと固まる。
森全体がざわめき、周囲が急に薄暗くなった。
ひぃぃっ。
嘘でしょ!?
確かにお城の地下で出るかもとか思ったけど、本当に幽霊が出るの!?
馴染みのない魔法や魔女より、そっちのがより怖いっ。
≪チカラ……感ジル…≫
ああ、気を失えたらいいのにっ。
空中を飛ぶ何かが見えちゃったよっ。
わかりたくないけど、女の人だ。
長い髪をしてて身体の輪郭線が柔らかい。
≪チョウダイ、ソノ力、ワタシニ≫
ひっ、ひぃいいっ!
凄い勢いでこっちに来る――――――!
あたしに憑りついたっていい事なんて何もないってばっ!!
ぎゅっと目を瞑って固まったあたしの傍で、ビシャンッて音が響いた。
≪ギャアア≫
高い悲鳴は、勿論あたしのじゃない。
な、何?
「ごめん、遅くなって」
すぐ近くで、聞き覚えのある穏やかな声がした。
この声っ!
「リフさん!」
光に縁どられた片手を下げて、こっちに来る。
リフさんが何かしてくれたんだ。
た、助かった~。
心細かったから、心底ほっとしたよっ。
「……君、もしかして魔法を使えたりする?」
「は?」
この状況で何でその質問なの?
魔法何て言葉、あたしの国にはないも同然ですよ。
「資質確認もしないうちに、単身こちら側へ跳ぶなど、どういうつもりだ」
背後から現れたジェラールさんの低く咎める物言いで、二人が何を言いたいのかぴんときた。
あたしが自分の意思で、勝手にここへ移動してきたと思ってる?
「ま、魔法なんて使えませんよっ。気づいたらここにいたんです!あなた達が送り込んだんじゃないんですか!?」
「僕らは資質の確認途中で君が消えて、慌てて後を追ってきた。足元に転移方陣が残ってたから、てっきり君が発動させたのかと」
「違います!転移なんたらなんて、さっぱりわかりません!だいたい、何であたしがここへ移動してくる必要があるんですか!」
いきなりこんな所に一人だし、説明して貰いたいのはこっちなのに。
むっとして強く言い返すと、リフさんは腑に落ちない顔の後、息をついた。
「……そう、だよね。それじゃあ、その話はまた後にして、ひとまず確認するよ。あれ、見えてる?」
つられて見れば、宙で苦し気に身悶えるアレがまだそこにっ。
「ゆ……幽霊?」
「いいや。けど、放って置くと魔物化する」
魔物って言いましたか、今。
大昔にいなくなったとかいうアレのこと?
「今すぐ故郷へ帰っていいですか!?明らかにあたしの許容量範囲を超えてるんですけどっ」
「それは無理。とりあえず――――あれに暗く光る塊は見える?」
光る塊?
改めて半透明なアレを見る。
目を凝らすけど、そんなの見えない。
「……見えないです、けど」
リフさんの目がこっちを向く。
真剣な眼差しにちょっと気圧されそう。
「本当に?ぼんやりとでも?」
「……はい」
心なしか、リフさんの表情が硬くなった気がする。
けどそれも一瞬のことで、あたしの手首を放すと彼は前に進み出た。
「わかった。君は危険だから下がっていて」
「えっ、逃げないんですか!?」
「逃げても無駄だから」
「無駄って、ど」
「しかし、生命石の位置がわからないと討てないのでは?」
ジェラールさんの眉間の皺が更に深い。
「脱出するまでの時間稼ぎができればいい」
「……了解しました」
リフさんに倣うジェラールさんが横目にあたしをひと睨みする。
あ、あたしの所為じゃないですよ、この状況は。
見えないものは見えませんってば!
≪ジャマヲスルナッ≫
怒らせるだけですってば!
逃げた方が絶対いい――――。
ズバッ
鋭い音をたてて振るわれたジェラールさんの剣が、アレを横真っ二つに引き裂いた。
な、なんだ。
以外にあっさり決着?
「や、やりましたね!」
二人に向かって駆けよろうとしたら、鋭い声が飛んできた。
「来ちゃ駄目だっ」
びくっ。
戦闘後で気が立ってるわけじゃないのはすぐにわかった。
真っ二つになったはずのアレがまた元に戻ってるっ。
斬られたのに、身体くっくとか有りなの!?
高速で後ずさると同時、シャキンって音がした。
ひっ。例の女の人の爪が長く伸びてる。
その爪が鋭く宙を裂いた。
二人は飛び退けたけど、二人がさっきまで立ってた地面が深く抉れてるっ。
斬ってもキリがなし、唯一効いてるらしいのは、リフさんの手から出る光る刃だけど、致命傷にはなってなさそう。
しかも、さっきまでは完璧に避けてた爪が二人に掠り始めてるのは疲れ始めてるんだよね!?
「も、もう止めて逃げましょうよ!やっつけられないなら、相手にするだけ無駄ですよっ」
振り下ろされる爪を避けて距離を取るリフさんが態勢を整えながら答える。
「コレを倒すか時間が経たないと、元には戻れないから」
「何それ?」
「わ、……リファリス殿。何か妙です。そろそろ城へ戻っても良い頃では?」
あたしの声を遮るようにジェラールさんがリフさんに話しかける。
「そうだね。何か妙だ。……一か八か試してみようか」
いまいちよく分からないやり取りの後、呟くように言いリフさんは宙に指を滑らせる。光の軌跡が、文字を刻む。
「ティコ・クルル・シー・ラ・ラズ、その内に眠りし月よ、今ひと時、解放する」
ばくんっ
瞬間、あたしの中で自分の耳に聞こえるくらい大きい鼓動がした。
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