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章末イベント
空町との冬休み前
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学園・外。すっかり暗くなっている。
空町
「コーチ、その……っ(かあああ赤面
すす、すすみませんでした……」
主人公
「いや……そう赤面されると……
こっちも大変非常に赤面なんだが……」
空町
「そ、そのっ」
主人公
「あのな、……や、なんだ?」
空町
「……嬉しかった……です。」
主人公
「……えっ」
空町
「あのままだと私、雷之丞に……」
主人公
「あ、ああ。危なかったな。
それはおれも防げてよかったと思っている。
しかし、だからと言って、おれは……。
(よかったのか。これで……。)」
空町
「それから私、実は……
こないだ、雷ジュニの子と……その……」
主人公
「なんだ。無理に、
言う必要はないのだぞ。」
空町
「い、いえ、その!
み、未遂みたいなものだったんです。
だから、ごめんなさい……」
主人公
「いや、しかし、謝られてもなあ。
おれは、恋人というわけではないだろう?
今回のことは、まあ、事故とでも……」
空町
「えっそうなんですか。
そっか、まあそうですよね……はい。」
主人公
「(意外とさっと割り切った(吹っ切った?
なあ……」
空町
「でもこれからも……
……色々、相談させて下さい……ね。」
主人公
「う、うむ……それは勿論……だ。
おれはTACTIC部のコーチなのだから……」
空町
「……。
はい。私だけじゃなく、皆のこともしっかり
見てあげて下さい。」
主人公
「そうだ。間に合わなかったが、
皆にも労いの言葉をかけよう。」
主人公
「って、明日から冬休みなのか!
怒られないか? 皆に……」
空町
「大丈夫ですよ。皆コーチのことを
信頼し始めてますし、今回のエリアを
踏破しきれたのも、コーチのおかげだって。」
主人公
「そうか……それなら、よかった。」
空町
「コーチ、冬休みにどこか出かけましょうか。」
主人公
「えっ?」
空町
「あ、すみません……
誰かに見られでもしたら、まずいか?
デートできる場所もあんまりないし?」
主人公
「でっ、デート?」
空町
「ああっ、すみません、すみません……
そだ、七ッ家達も誘えばいいか?」
主人公
「まあかまわんよ、おれはコーチ、
おまえはチームのキャプテンだ。
ミーティングってことなら、普通だろう?」
空町
「そ、そっか、そうですね!
じゃあ、二人で……
あ、コーチ。雪ですね!」
主人公
「いやあそんなベタな……
鳥の羽か何かだろう?
というかここ≪ハザマ≫に雪なんか降るのか?」
それはしかし、雪だった。
世界と世界ならざるこの地に降る、雪……
つめたく、音もなく、ただ静かに狭間に積もっていく雪。
二人は無言で少しだけ見つめ合った後、その静かな雪の中を帰途に着くのだった。
(Chapter1・了)
空町
「コーチ、その……っ(かあああ赤面
すす、すすみませんでした……」
主人公
「いや……そう赤面されると……
こっちも大変非常に赤面なんだが……」
空町
「そ、そのっ」
主人公
「あのな、……や、なんだ?」
空町
「……嬉しかった……です。」
主人公
「……えっ」
空町
「あのままだと私、雷之丞に……」
主人公
「あ、ああ。危なかったな。
それはおれも防げてよかったと思っている。
しかし、だからと言って、おれは……。
(よかったのか。これで……。)」
空町
「それから私、実は……
こないだ、雷ジュニの子と……その……」
主人公
「なんだ。無理に、
言う必要はないのだぞ。」
空町
「い、いえ、その!
み、未遂みたいなものだったんです。
だから、ごめんなさい……」
主人公
「いや、しかし、謝られてもなあ。
おれは、恋人というわけではないだろう?
今回のことは、まあ、事故とでも……」
空町
「えっそうなんですか。
そっか、まあそうですよね……はい。」
主人公
「(意外とさっと割り切った(吹っ切った?
なあ……」
空町
「でもこれからも……
……色々、相談させて下さい……ね。」
主人公
「う、うむ……それは勿論……だ。
おれはTACTIC部のコーチなのだから……」
空町
「……。
はい。私だけじゃなく、皆のこともしっかり
見てあげて下さい。」
主人公
「そうだ。間に合わなかったが、
皆にも労いの言葉をかけよう。」
主人公
「って、明日から冬休みなのか!
怒られないか? 皆に……」
空町
「大丈夫ですよ。皆コーチのことを
信頼し始めてますし、今回のエリアを
踏破しきれたのも、コーチのおかげだって。」
主人公
「そうか……それなら、よかった。」
空町
「コーチ、冬休みにどこか出かけましょうか。」
主人公
「えっ?」
空町
「あ、すみません……
誰かに見られでもしたら、まずいか?
デートできる場所もあんまりないし?」
主人公
「でっ、デート?」
空町
「ああっ、すみません、すみません……
そだ、七ッ家達も誘えばいいか?」
主人公
「まあかまわんよ、おれはコーチ、
おまえはチームのキャプテンだ。
ミーティングってことなら、普通だろう?」
空町
「そ、そっか、そうですね!
じゃあ、二人で……
あ、コーチ。雪ですね!」
主人公
「いやあそんなベタな……
鳥の羽か何かだろう?
というかここ≪ハザマ≫に雪なんか降るのか?」
それはしかし、雪だった。
世界と世界ならざるこの地に降る、雪……
つめたく、音もなく、ただ静かに狭間に積もっていく雪。
二人は無言で少しだけ見つめ合った後、その静かな雪の中を帰途に着くのだった。
(Chapter1・了)
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