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21章
125.エンドラスト国へ
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門に到着し、まず感じたのが寒さ。まだちょっと冷えてる程度ではあるが、国境を越えたらどの程度寒いのだろう。
イナトを見た門番は敬礼する。ここでもやはり顔が知られているようで、スムーズだ。すぐに門を潜り抜け、エンドラスト国に入る。
白い世界が広がっており、寒さも比べ物にならないくらい寒い。
「これを渡しておきますね」
赤色をした宝石をイナトから受け取った瞬間、先ほどの寒さが嘘のように暖かい。以前青色の宝石を持たせてもらった時は涼しかった。
この世界にある宝石は偉大だな。見つけたら絶対回収する。そう私は意気込むのだった。
私はポーチに宝石をしまいこんで雪を踏み締める。
踏むたびにザクザクと音を立て、足跡が増えていく。ロクはそれを興味津々に眺めている。
「ゲムデース国とスタート国では雪ってあんまり降らないの?」
「降りませんね。もし降っても積もるほどではありません」
「へぇ。そうなんだ」
一応この世界にも四季があるようだが、日本ほど何か変わるわけもないようだ。春になっても桜のように春に咲く花があるわけでもない。夏だから暑いなんてこともない。
いつの季節も安定していると言えば良いのだろうが、少し物足りなさを感じる。きっとそれは、私が四季を楽しんでいたからだろう。
「ここで待ちましょう」
門から少し離れたワープポイントを解放したあと、イナトは立ち止まる。どうやらここで迎えを待つようだ。
「エンドラストはゲムデースよりも凶暴な魔物が多くいます。気を引き締めていきましょう」
エンドラストは、1番魔族に侵食されている土地らしい。そのため魔物が多く、魔族も横行しているとか。
だが、こうして国として保っていられるのは、エンドラストの人々が強く、今以上の侵攻を防いでいるからだと言う。
「イナト様! ご足労いただきありがとうございます」
大きめの馬車が到着したかと思えば、中から四角いメガネをかけたイケメンが現れた。和風っぽいような中華っぽいようなそんな服装をしている。
切れ長の目をしており、髪色は頭のてっぺんは黒く、毛先は赤い。前髪はセンター分けにしており、長い髪はヘアゴムで1つに縛っている。耳はヒスイと同じく尖っている。
じっと眺めてしまっていたか、イケメンは私を見てお辞儀をした。
「貴女が救世主様ですね。エンドラスト国までご足労いただき感謝いたします。俺はコウギョクです」
コウギョクと名乗ったイケメンは馬車へ入りやすいようにと台を置きエスコートしてくれる。イナトは何か言いたげだったが、黙ってそれを見守り後に続いた。
全員が乗り込んだ後、コウギョクも乗り込み王のいる街へ。
到着するまでは、コウギョクが街の見どころやグルメを説明してくれ、エンドラスト街の地図をくれた。
そして、コウギョクは先程までニコニコしていた表情とは打って変わって真面目な表情を見せた。
「王の姿を見ても驚かないようお願いいたします。見た目の割に意外と繊細なので」
スタート国でも似たようなセリフを聞いたなと思いながら、私は頷いた。きっと子供かかなりをお年の人とかなのだろう。多分。
「あ、あそこにワープポイントが見えます! 行ってきてもいいですか?」
「もちろんです。そちらに寄りましょう」
ワープポイントを馬車の中にいるまま開放し、改めて街へと進む。
「初めて開放の瞬間を目にしましたが、綺麗ですね」
開放の時は目潰しくらいに眩しいのだが、コウギョクは目をキラキラとさせ、遠ざかっていくワープポイントを名残惜しそうに眺めていた。
「それにしても、こういっては失礼かもしれませんが……救世主様は華奢でいらっしゃいますね。もっと屈強な方を想像していました」
「俺もそう思っていた」
コウギョクの話に頷くロク。「ですよね?」ととても嬉しそうに笑っている。
「やっぱり女性はこの世界では戦わないからですか?」
「それが1番ですね。エンドラスト国では、戦う女性がいます。でも、腹筋が割れていたり妙に凛々しい顔立ちだったりと男顔負けな方が多いのです」
所謂イケ女。エンドラスト国の戦う女性は、女性に好かれるタイプ。ぜひ会ってみたいものだ。
「会ってみたいんですけど、会えますかね?」
「喜ぶと思いますよ。"スタート国とゲムデース国のワープポイントの解放を完遂した強い女"としてこちらの国に伝わっていますし」
「落胆されそうな気がしてきた……」
「大丈夫ですよ。まあ、もしかしたら手合わせして欲しいと頼まれるかもしれませんが」
血気盛んとまでは言わないらしいが、本当に実力があるのか気になるのは無理もないだろう。
私の希望ではないが、強い男を引き連れているのは事実だし。全部男に任せてんじゃないか? と思われる可能性も十分ある。
「あ、そろそろ到着しますよ。俺は先に出ますね」
動いている馬車から降り、コウギョクは街の方へと走っていった。遠くて見えづらいが、門番と話しているようだ。
近づくにつれ重い門をゆっくりと開かれ、敬礼している姿が見える。
「ようこそ、エンドラスト国へ」
イナトを見た門番は敬礼する。ここでもやはり顔が知られているようで、スムーズだ。すぐに門を潜り抜け、エンドラスト国に入る。
白い世界が広がっており、寒さも比べ物にならないくらい寒い。
「これを渡しておきますね」
赤色をした宝石をイナトから受け取った瞬間、先ほどの寒さが嘘のように暖かい。以前青色の宝石を持たせてもらった時は涼しかった。
この世界にある宝石は偉大だな。見つけたら絶対回収する。そう私は意気込むのだった。
私はポーチに宝石をしまいこんで雪を踏み締める。
踏むたびにザクザクと音を立て、足跡が増えていく。ロクはそれを興味津々に眺めている。
「ゲムデース国とスタート国では雪ってあんまり降らないの?」
「降りませんね。もし降っても積もるほどではありません」
「へぇ。そうなんだ」
一応この世界にも四季があるようだが、日本ほど何か変わるわけもないようだ。春になっても桜のように春に咲く花があるわけでもない。夏だから暑いなんてこともない。
いつの季節も安定していると言えば良いのだろうが、少し物足りなさを感じる。きっとそれは、私が四季を楽しんでいたからだろう。
「ここで待ちましょう」
門から少し離れたワープポイントを解放したあと、イナトは立ち止まる。どうやらここで迎えを待つようだ。
「エンドラストはゲムデースよりも凶暴な魔物が多くいます。気を引き締めていきましょう」
エンドラストは、1番魔族に侵食されている土地らしい。そのため魔物が多く、魔族も横行しているとか。
だが、こうして国として保っていられるのは、エンドラストの人々が強く、今以上の侵攻を防いでいるからだと言う。
「イナト様! ご足労いただきありがとうございます」
大きめの馬車が到着したかと思えば、中から四角いメガネをかけたイケメンが現れた。和風っぽいような中華っぽいようなそんな服装をしている。
切れ長の目をしており、髪色は頭のてっぺんは黒く、毛先は赤い。前髪はセンター分けにしており、長い髪はヘアゴムで1つに縛っている。耳はヒスイと同じく尖っている。
じっと眺めてしまっていたか、イケメンは私を見てお辞儀をした。
「貴女が救世主様ですね。エンドラスト国までご足労いただき感謝いたします。俺はコウギョクです」
コウギョクと名乗ったイケメンは馬車へ入りやすいようにと台を置きエスコートしてくれる。イナトは何か言いたげだったが、黙ってそれを見守り後に続いた。
全員が乗り込んだ後、コウギョクも乗り込み王のいる街へ。
到着するまでは、コウギョクが街の見どころやグルメを説明してくれ、エンドラスト街の地図をくれた。
そして、コウギョクは先程までニコニコしていた表情とは打って変わって真面目な表情を見せた。
「王の姿を見ても驚かないようお願いいたします。見た目の割に意外と繊細なので」
スタート国でも似たようなセリフを聞いたなと思いながら、私は頷いた。きっと子供かかなりをお年の人とかなのだろう。多分。
「あ、あそこにワープポイントが見えます! 行ってきてもいいですか?」
「もちろんです。そちらに寄りましょう」
ワープポイントを馬車の中にいるまま開放し、改めて街へと進む。
「初めて開放の瞬間を目にしましたが、綺麗ですね」
開放の時は目潰しくらいに眩しいのだが、コウギョクは目をキラキラとさせ、遠ざかっていくワープポイントを名残惜しそうに眺めていた。
「それにしても、こういっては失礼かもしれませんが……救世主様は華奢でいらっしゃいますね。もっと屈強な方を想像していました」
「俺もそう思っていた」
コウギョクの話に頷くロク。「ですよね?」ととても嬉しそうに笑っている。
「やっぱり女性はこの世界では戦わないからですか?」
「それが1番ですね。エンドラスト国では、戦う女性がいます。でも、腹筋が割れていたり妙に凛々しい顔立ちだったりと男顔負けな方が多いのです」
所謂イケ女。エンドラスト国の戦う女性は、女性に好かれるタイプ。ぜひ会ってみたいものだ。
「会ってみたいんですけど、会えますかね?」
「喜ぶと思いますよ。"スタート国とゲムデース国のワープポイントの解放を完遂した強い女"としてこちらの国に伝わっていますし」
「落胆されそうな気がしてきた……」
「大丈夫ですよ。まあ、もしかしたら手合わせして欲しいと頼まれるかもしれませんが」
血気盛んとまでは言わないらしいが、本当に実力があるのか気になるのは無理もないだろう。
私の希望ではないが、強い男を引き連れているのは事実だし。全部男に任せてんじゃないか? と思われる可能性も十分ある。
「あ、そろそろ到着しますよ。俺は先に出ますね」
動いている馬車から降り、コウギョクは街の方へと走っていった。遠くて見えづらいが、門番と話しているようだ。
近づくにつれ重い門をゆっくりと開かれ、敬礼している姿が見える。
「ようこそ、エンドラスト国へ」
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