「ギャルゲーの親友ポジに憧れた俺が、なぜかモテてしまう話。」

はっけよいのこっ太郎

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白雪雫

43話「スノーホワイト2」

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新川優希しんかわゆうき白雪雫しらゆきしずくの過去とリセットされた世界の話

過去の俺は雫の名前も知らぬまま色々な話をした。

「俺さ実はさ、最近嫌な事があってさ、好きな人に振られたんだ。」

「そうなんだ…」

少し気まずい話をしてしまったか。

「私、なんて言えばいいか…」

「ごめん、こんな話あれだよね…」

「私でよければ、話聞くよ?」

「ありがとう。」

俺はこうして桃花ももかの話をした。
振られた事、自分の作った物を馬鹿にされた事色々を話した。
雫はすごい話しやすい人であった。

「い、いやでも凄いよね!私だったらすごく嬉しいな!
曲とか作ってくれたら!」

「嘘でもそんなこと言ってくれて嬉しいです。」

俺はその後も母親が亡くなっている事や、自分のあらゆる相談を聞いてもらった。

「新川君、大丈夫だよ。私はあなたの味方だから…」

「本当にありがとうございます。」

俺は当時誰も見たこと無いからトラウマによるストレスから幻覚を見ていたのかと思っていたが、その後高校に出会う事で本当に実在するんだと思った。
でもその再会が嬉しいかはまた別の感情である。








あの日から数日経ったが、リセットされた世界から抜け出す所かこの世界になじみ始めていた。
というかあの日以降、雫が居なくなってしまった。

つばさ栞菜かんな、ちょっと話あるんだけど…」

俺は2人にこのリセットされた世界について話す事にした。

「2人に話があってさ。」

「どうした優希?」

「最近優ちゃん、おかしいよね?なんかあった?」

「実はさ、この世界、本当の世界とは違うんだよね…」

「???優希何言ってるんだ?」

「ま、そうなるよな…」

「実はさ、この世界本来の世界とは違うんだよ
おかしいってのはわかると思うんだけど、俺のせいで、その本当はもう、高2の夏休みなんだよ…」

「要するに、優希だけ過去に来たって事なのか?」

「優ちゃんって、そんな凄いことできるの??」

正直2人が信じてくれるとは思っていなかった。
真面目に解決しようとする翼に、都市伝説を聞いてるような面白そうにする栞菜
2人のおかげで少しこの世界も悪くないと思ってしまった。

そうして俺は風夏ふうかもえ桃花ももかの事や文化祭、夏休みのことなど色々話した。

「こんな訳もわからないこと、聞いてくれてありがとう…」

「って事はもう過去の事乗り越えたのか。」

「ま、そうだけど。」

「そっか…良かった…」

翼がその事を聞いて安堵していた。
俺は知らない所でかなり心配されてたんだな…

「で、過去に来れたってことは元の世界にどう戻るの?てか、どうやってきたの?」

「そう、それなんだけどさ、俺が中学の頃話聞いてくれた人が居たって話したでしょ、その人に元の世界でキスされたんだ。」

「え?????」

「まじか…」

まあその反応になるよな…

「それでその人、白雪雫って言うんだけど、その人の力でこの世界に飛ばされたんだよね…」

「じゃあ、その人に会えば…」

「それがよ、前にも同じことがあったんだけど、その時と違って、雫はそんな力もない普通の女の子になってたんだ。」

「じゃあ、元の世界に戻れなくないか?」

「優ちゃん、それってヤバくない??」

「そうなんだよ、だから2人に話したんだ…仮に元の世界に戻れなくても、2人にはこの事を知ってて欲しかったからさ。」

「そうなのか…とりあえずみんなで解決策とか考えよう。」

「ありがとう、2人とも。」

俺は仮に帰れなくなってもこの2人がいれば、生きていける気がした。
その後、風夏や、萌に話しかけたが、やはり初めて話すって感じだった。
俺は桃花に会いにいくことにした。
白雪や、幼馴染の2人が俺のことを知ってるってことは中学時代の人は普通に話せるはずだと思ったのだ。

「久しぶり、桃花。」

「え、優君…」

「おい、誰だお前?」

桃花と七海和也ななみかずやが一緒にいた。

「和也、ちょっと1人で帰ってて…」

「あ、分かったよ…」

「なんで優君が私に会いにきたの?」

正直覚えている事は嬉しかったが、前と違いこの世界の異変に気がついてる訳でもないらしい。
多分、元の世界で有栖として小さくなる力を失ってるから仕方ないとは思っていたが…

「ちょっと話が…」

こうして桃花にもこのリセットされた世界の話をした。

「久々に会って、私にそんな訳のわかんない話をするってことは本当のようね…
ほんらの世界じゃ私、優君に振られちゃうんだ…嫌だな…でも私力になりたい。」

「ごめん、ありがとう。」

「謝らないでよ、それに私は久しぶりに優君と話せて嬉しいんだから。」

「私のせいで中学時代傷付けた訳だしね。」

「それは俺も本当にごめん。」

桃花には何度も助けてもらっている、本当に感謝しきれないよ。

「とりあえず俺のことを知ってる人に会えて良かった、なんか力になって欲しい時連絡する。」

「分かったわ、ありがとね、優君。」

こうして、中学時代に知り合ってるやつとはなんとかコンタクトを取れた。
今思えば自分が殻にこもってただけでみんな俺の為に動いていたのを気づいて無かっただけだった。
みんなには本当に感謝しきれないよ…

「よし、翼に色々相談しよう…」

「新川君久しぶり。」

「え、雫?」

雫に会った俺は完全に元の記憶が消えてしまった。

ー続くー
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