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白雪雫
44話「スノーホワイト3」
しおりを挟む新川優希衝撃の展開へ‥
「おはよう、優希!」
「おう!翼!」
「昨日の事なんだけどさ、」
「ん?昨日?なんか話したか?」
「元の世界に戻る方法だよ!」
朝から翼が変な事を言い始めた。
都市伝説か何かの話をしたっけな?
てかここ数日の俺って何してたっけ‥
「元の世界とか何言ってんだ?」
「いや、だから、お前がきた世界に戻るって話だよ!」
「何言ってんだよ翼!おかしくなったか?」
「どういう事だよ、俺と栞菜にその話してくれただろ?」
なんだか話の辻褄が合わないな。
俺にドッキリでも仕掛けてるのか?
「悪いけど、ここ数日の記憶がないんだ。」
「お前昨日、有栖に会ってきたって‥」
「有栖にか?そんなのある訳ないだろ‥冗談ならよしてくれよ~翼」
「おはよう優ちゃん!」
「おう!栞菜!朝からこいつ変なんだよ」
「違うよ、おかしいのはお前だよ。
栞菜、こいつこの前言ってた元の世界の話とか一切覚えてないってよ。」
「え?じゃ、あの話嘘だったの~?」
栞菜まで仕掛け人なのか‥
こういうドッキリが今流行ってるんだろうか‥
「まあ2人とも、ドッキリか知らんが程々にしとけよ~」
.
.
.
昼休み、ある人から電話が来た。
「もしもし優君?」
「なんで、有栖が俺のFINE知ってる訳??」
「なんでって、昨日会って交換したでしょ?元の世界がどうこうって!」
有栖までもこのドッキリの仕掛け人らしい‥
「その、元の世界のドッキリって流行ってるのか?」
「優君大丈夫?昨日の事覚えてないの?」
「ごめん、ここ数日の記憶がないんだ。」
「あんたねぇ真剣に話してきたから心配したのに‥まあ、なんかあったらいつでも連絡してきなさいよ?」
俺はまだ過去のトラウマが残ってて有栖と話す気にもなれないっていうのに‥
「みんなどうしちまったんだ‥」
誰が仕掛け人なのか分からないがよく分からないドッキリが俺の記憶のない数日のうちに流行ってるらしい‥
そもそも元の世界ってなんなんだ‥
.
.
.
今日は翼も栞菜も用事があるらしく1人で帰る事にした。
「新川君!」
「雫?」
「一緒に帰ろ?」
「あ、そうだよな、俺たち付き合ってるんだからって‥あれ?」
あ、そうだった、俺は雫と付き合ってたんだ。
なんで忘れたんだ
なんか記憶が曖昧になっている。
「良かった。なんか最近新川君おかしかったから~」
「ごめん、俺なんか数日記憶ないし、なんか元の世界がどうのこうのってドッキリ朝から仕掛けられてさ!」
「なにそれ~変なの~」
やっぱり雫は可愛いな、優しい話し方がすごく落ち着くんだよな。
「今日帰りどっか寄ってく?」
「いいね、新川君は行きたいところある?」
「雫が行きたいところでいいよ~」
雫と一緒にいる時間が1番幸せなのになんか忘れてた気がする。
でもなんでこんな事忘れてたんだろうか‥
.
.
.
「栞菜、優希の奴やっぱおかしいよな‥」
「うん!だってさ元の世界の話してる時も今日も嘘つく時の仕草してなかったもんね~!」
「あいつは嘘つくのが下手でいつも左手で右肘を触る癖があるからな‥
でもどっちでもその仕草をしてないって事は確実におかしいよな‥
もしかして、元の世界に帰れたんだろうか‥」
「でもそんな簡単に帰れるなら私達に相談とかしなさそうだよね~?」
「やっぱり、そうだよな。」
「なんか翼は良い事思いついたの~?」
「とりあえず俺は有栖に会いに行ってみる。
栞菜はそんな有栖と話したくないだろ?だから来なくて良いよ、なんか解決方法とか考えてくれてると嬉しい!」
「分かった!ありがとう。」
「とりあえず二手に分かれてなんかできる事ないか探そう!」
.
.
.
「とりあえず俺は有栖に会いに行ってみるか‥多分この学校だったはず‥」
「おい、お前!」
「は、はい!!」
「チッ、人違いか‥」
「あ、あのこの学校に有栖桃花って人が居ると思うんですけど‥」
「お前もか!昨日の奴といい‥」
「お前もって事はやっぱり優希がここ来てたのか‥」
「ちょっと、和也相変わらず色んな人に喧嘩売って‥」
「あ、有栖?」
「優君の幼馴染?」
「そう、俺、今井翼。」
「優君が元の世界に戻りたいとか言ってて‥」
「やっぱ会いに来てたか、そのことで話があるんだ!」
.
.
.
「私ってやっぱりダメだな~結局全部翼任せだし‥」
「あれ、栞菜ちゃん??」
「舞ちゃん~??」
「お久しぶりです。」
「そっか、舞ちゃんも裏高入ったんだもんね~!」
「はい!栞菜ちゃんに中々会えないから学校違うのかと思っちゃったよ!」
「私も会えて嬉しいよ~!!」
「今日は翼様と兄貴は?」
「それがさ‥」
「え!兄貴そんな元の世界とか中二病的な事言ってる訳??」
「そうなの。」
「そんな事気にしなくて良いのに、」
「それで、翼は頑張って色々やってるのにさ、私、私何もできなくて‥怖くてさ~」
「栞菜ちゃん、泣かないでよ~家での変化とかあったら私が教えてあげるからね?」
「ありがど~」
「だから泣かないで‥」
.
.
.
「やっぱ有栖の所にも来たけど今日電話したらそんな事知らないって感じだったか‥」
「そうなのよ、かなり真剣な顔で話してるし私に会いに来るぐらいだから凄く重要な事だと思ったから嘘って事はないと思うんだけどね‥」
「で、それも含めて一緒に解決策を探して欲しいんだけどさ‥有栖って元の世界の事聞いてるんだよね‥」
「振られたって話でしょ!気にしなくて良いのよ今井君が気にする事じゃないよ。だって振られたって仕方ないよ、それにその朝比奈先輩って人が大事だった訳でしょ?」
「有栖って昔から思ってたけど結構大人だよな‥」
「が、我慢してるだけよ‥
まあその事なら大丈夫だから、私も力になるよ。」
「ありがとう。とりあえず明日また優希に話聞いてみる。」
「分かった。」
ー続くー
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