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小山田栞菜編
47話「恋とマシンガン」
しおりを挟む2学期も数ヶ月が経った。
謎の事故から無事退院した俺も平凡な日常を過ごしているつもりでいた。
しかしまあ、風夏と別れた事を何となく察していたみんなは何となく俺に優しくしてくれていた。
「2学期のテスト勉強は自力でやらなきゃな‥」
「俺が教えてやろうか?」
「おいおい、翼、俺だっていくら何でも全部お前にお任せって訳にもいかないんだよ。」
「別に勉強ぐらい良いのに、てか栞菜に教えて貰えば良いんじゃね?」
「栞菜にも迷惑かけたくねぇよ。」
そう、俺が病院で眠ってた数日、実は妹の舞だけでなく、翼や栞菜、それに風夏や日向先輩に萌まで心配で来ていたらしい‥
俺が起きた瞬間誰も来てくれなくなったけどな。
「おはよ~優ちゃん、翼!」
「おはよ栞菜、今度のテスト優希に教えてやれよ!」
「え!私~そんなに勉強出来ないし‥それに‥」
「栞菜、無理しなくて良いからな?俺は俺で頑張ってみるよ。」
「いや!みんなで勉強会しようよ~」
「ま、それもそうだな!」
俺らは結局いつまでも幼馴染なのかもしれない。
これ以上もこれ以下もない。
2人はずっと俺の今までを見ててくれたんだからな。
少しはこいつらにも何かお返しできればな‥
.
.
.
「そんな訳で来週からテストだから、勉強会といきましょう!」
「は~い!」
「なんで舞までいるんだよ!」
「いいじゃん!栞菜ちゃんと翼くんに会いたかったし!」
「本当、舞ちゃんは栞菜の事好きだな~」
「いや、わ、わたしはつ、翼君も‥」
さすが兄弟だ、本当に好きな人への気持ちを伝えるのが下手くそすぎる‥
「でさ~テスト終わった何だけど‥」
「ん?」
「あの、良かったらみんなで遊園地行かない?」
「いいね!栞菜ちゃん!いいよ!いいこと言うよ!」
お前は何様なんだ‥
「いいじゃん、優希も行くよな?」
「うん、久しぶりに4人で遊ぶか!」
「そうこなくっちゃ!」
「まあ、俺と舞が赤点回避出来たらだけどな‥」
「兄貴、マジで今言うことじゃないよ?」
「ま、まあ舞ちゃんは俺が教えるから、栞菜は優希に教えてあげてよ!」
「うん!そうだね!優ちゃんはどの教科が苦手?」
「現文とかだな‥」
「たしかに、兄貴は人の心情とか読めなさそう~」
「うるさいなぁ~お前は全教科だろ!
ま、まああれだな‥英語とかもよく分からん‥」
「てかそれって教える必要ないような‥」
「とりあえず、みんな勉強すっぞ‥」
そんなこんなで俺たちの勉強会は始めた。
来る日も来る日も勉強、勉強‥
.
.
.
「回避した‥回避したぞ!」
「兄貴、私もだよ~」
こうして無事にみんな赤点を回避したのであった。
意外と翼も栞菜も頭いいんだよな‥
.
.
.
「懐かしいな、ここ」
「うん!」
ここは昔、家族ぐるみでみんなで遊園地に遊びに来たところだった。
「10年ぶりぐらいに来たな‥」
地元では1番でかい遊園地だが地元民だからこそなのか、あまり来る事も無かった。
「とりあえずみんなテストお疲れ様~
今日はとりあえず~」
「沢山遊ぶぞ~!!」
「優ちゃんなんか乗りたいものある?」
「う~んみんなは?」
「私はね、これとこれとこれとこれと‥」
「じ、じゃあとりあえず舞ちゃんの乗りたいもの乗ろうか?」
「そうだね~」
「別にいいよ。」
「ありがとう!」
正直あまり、乗り気じゃ無かったがせっかく栞菜が誘ってくれてし楽しむか‥
コーヒーカップにジェットコースター、とりあえず完全制覇の勢いで俺達は遊び回った。
「次、ここ行きたいな!」
「お、お化け屋敷‥」
「栞菜ちゃん苦手だっけ?」
「い、いや~」
「栞菜、無理すんなよ。」
そう、栞菜は昔から暗いところや狭いところ怖いものが苦手である。
「翼、舞と2人で行ってきてくれ、少し栞菜と休憩するわ!」
「分かった、じゃ舞ちゃん行こっか?」
「は、はい!!、」
舞よ今まで世話になってる分、この時ぐらい俺の大親友の翼を存分に堪能していいぞ。
「私、大丈夫だよ~!」
「栞菜!俺が疲れたから休みたいんだよ。」
「ありがと、優ちゃん‥」
「じゃあ私達行ってくるね!」
「栞菜、なんか飲むか?」
「うん!」
「ありがとな。」
「え?」
「なんつーかさ、最近すごい自分の事でいっぱいいっぱいでさ、てか最近ってのは気付いたのが最近でよくよく考えれば高2になってからずっと何かに追われててさ、桃花《ももか》の時も嫌な気持ちにさせちまったしな。」
「気にしないで良いのに!」
「いや、本当に助けられてばっかだよ。」
俺はみんなに何かを返せるだろうか。
貰ってばかりの俺がなにか出来るなら全力でやってあげたい。
俺という人間が出来ることなんてあるんだろうか‥
「ただいま~」
「おう、お帰り!」
「いや~怖かったね翼君!」
「うん!」
なんか2人に微妙な距離感みたいなのを感じるけど、何かあったのだろうか‥
.
.
.
お化け屋敷にて‥
「翼君、栞菜ちゃんって兄貴の事好きだよね?」
「い、いきなりだね‥」
「いやだってさ!見ればわかるじゃん?」
「ま、気付いてないのは本人達ぐらいだらよ。」
「でもさ、」
「ダメだよ。栞菜ちゃん、それ以上はダメだ。」
「でも!」
「傷つくのを恐れて前に進めない程、栞菜は弱くないよ、それに俺たちも、そろそろ前に進む時が来たんじゃないかな‥」
「翼君‥」
ー続くー
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