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クリスマス編
50話「snow halation」
しおりを挟む冬もまた一層深まり、期末テストの時期になった。
「ほら、優希君また間違えてるよ?」
「嘘だ~って本当だ‥」
色々ありすぎたが俺と風夏はまた付き合う事になった。
「てか、すいませんこんな事また付き合わせちゃって‥」
「良いんだよ?私は2人で一緒にいれる事が幸せだからね?」
可愛い、優しい、好き‥
もうそれしか出てこない‥
こんなに幸せで俺は良いんだろうか‥
「勉強辛いな‥」
「終わったらクリスマスデートが待ってるんだからね?」
「え?それマジですか?」
「え?逆にクリスマス会わないの?」
「もちろん会うよ!!」
「じゃあ赤点は回避してね?」
「了解です‥」
頑張るしか無いみたいだった。
もうクリスマスか‥
そろそろ俺もあれがあるな‥
「風夏、俺実は誕生日が近くてですね‥」
「え~そうなの??知らなかった‥いつ?」
「12月20日です!」
「分かった!じゃあ、テスト終わったらまずは誕生日パーティーだね?」
「ありがとう!尚更頑張る!」
こんなに優しくて可愛い先生が居たら頑張らない理由がないのであった。
付き合ってから変わったりまた戻った事もあった。
学校のみんなが空気を読んで別れた事を言ってこなかったが、逆に付き合い始めた事もみんなが空気を読んでくれるみたいだった‥
萌からは
おめでとうございます。
ちゃんと1人の人を想い続けてください。
とFINEがきていた。
自分で言うのも変かもしれないが確実に今年この学校で一番のお騒がせ大賞は俺である。
文化祭といい3年間誰とも付き合わなかった朝比奈風夏を振り向かせた唯一の男であるからである。
自分でもまさかこんな大事になるとは思ってなかった。
「優希君、集中してる?」
「あ、すいません‥」
そんなこんなでテスト勉強を教えて貰ってる内に疲れた風夏は眠っていた。
「風夏‥ありがとう。」
俺は自分の制服を布団代わりにかけてあげた。
普段からどうしようもなく可愛い風夏がさらに可愛く見えてしまいやっぱこの可愛さは誰にも見せたくないぐらいだった。
正直、今まで離れてた分思う事も沢山ある。
でも、今はこんな何も無い時間ですら幸せだったんだと改めて実感した。
でも、そんな余裕も無いぐらい俺の世界は目まぐるしく回っていたんだなとも思った。
「あれ、優希君?」
「起きました?」
「あ!ごめん寝ちゃってた‥」
「良いんですよ!」
「制服までかけてくれたのね。ありがとう!」
寝ぼけてる風夏も可愛い‥
「そろそろ帰りますか!」
「うん!」
.
.
.
「おはよう、翼!」
「おはよ、優希。」
「あのさ、俺、また風夏と付き合う事になった。」
「最近やけに2人仲良いと思ったらやっぱりか!」
「うん。」
「おめでとう。」
翼はやっぱり優しいな。
もしかしてギャルゲー主人公の親友ポジションって翼の方が相応しいんじゃ‥
いやいや、そんな事ないよな‥
「おはよ~優ちゃん、翼!」
「おはよう!栞菜!、あのさちょっと話いいかな?」
「うん~どうしたの?」
「それがさ、風夏と付き合う事になった。」
「そ、そっか~おめでとう。」
「どうしてもこの事は栞菜に言おうと思ってて‥」
「おめでとう。」
正直栞菜にはこの前の事があったから凄く言いにくかった。
「やっぱ、私の告白が効いたか~」
「いや、そう言う訳じゃないけど‥でも、ありがとな。」
「良いって事よ~私はさ、この3人の関係が無くならないなら大丈夫だよ。」
栞菜も翼もやっぱり優しい‥
この2人が幼馴染で本当に良かった。
「あ、あのさ、2人とも本当にありがとう。」
「優希、本当変わったな。」
「え?」
「本当、前向けて良かったよ。」
.
.
.
無事に期末テストを乗り切った俺は誕生日を迎えたのであった。
「誕生日おめでと~」
放課後にカラオケルームに待ち合わせだったのだが、てっきり2人きりだと思っていたがそこには、翼、栞菜、舞、萌、日向先輩までいた。
「まさかこんなに豪華になるとは‥」
「兄貴なんだかんだで人気者だよね~」
「みんなありがとう。まさか萌まで来てくれるとは‥」
「まさか、朝比奈先輩に呼ばれるとは思ってなかったんですけどね~」
「いやさ、私たち”お付き合い”したからそれの報告もあったしさ??」
「優希‥この人やばいから別れた方が良いですよ??」
「あのねぇ?」
相変わらず2人は喧嘩腰だった‥
「あの、今日の主役、俺なんですけど‥」
こうしてカラオケ大会が始まった。
意外だったのが日向先輩の歌が意外と上手かった事と妹の舞とカラオケに来たのが初めてだった事だ。
意外と気にしてないだけでまだまだ知らないことは沢山あるな。
「じゃあみんなからプレゼント渡すか。」
そうしてみんながプレゼントをくれた。
「みんな‥ありがとう。」
こんなに楽しい誕生日会も初めてかもしれない‥
「日にちが微妙なんでみんな俺の誕生日頃にはクリスマスでソワソワしちゃうんですよね‥」
「確かに栞菜と俺ぐらいしかいつも祝ってないからな!」
「じゃあ!最後に私から。」
そうして風夏からプレゼントを貰った。
中身は手編みのマフラーだった。
「こんなのいつの間に作ったんですか?」
「こっそりやったんだよ~
結構大変だったけど、その分気持ち込めたから。」
「俺、こう言うの初めて貰ったんで嬉しいです。あの、ありがとうございます。」
「優希君、本当におめでとう!!」
みんなの優しさと共に俺の誕生日パーティーは終わった。
幸せな日は終わるのが早い。
ー続くー
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