「ギャルゲーの親友ポジに憧れた俺が、なぜかモテてしまう話。」

はっけよいのこっ太郎

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クリスマス編

51話「クリスマスの夜」

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クリスマスの前日を迎えた。
明日は再び付き合ってからは初デートである。
やっぱり少し緊張する。

ブーブーブー
風夏ふうかから電話が来た。

「もしも~し優希ゆうき君!」

「風夏、どうしたの?」

「いや、緊張して寝れないからイタ電だよ!
忙しかった?」

可愛い。イタ電する風夏‥最高だった。

「いや、俺も実は寝れなくて、ちょうど良かったです。」

「そうなんだ!なら良かった。明日楽しみだね。」

「うん!付き合ってからの風夏とのデートするのも久々だからさ。」

「そうだね~トコトコタウンも懐かしいよね!」

「うん!初めて4人で行った時のこと思い出すよ、あの頃はまだ暖かったな~とか!」

「そうだね、もうかなり昔のことに思うよね、
って、あ!!」

ん?どうしたんだろうか‥

「え!!」

何故か風夏がビデオ通話になっていた。

「間違えて押しちゃったよ~」

間違える所もそもそもちょっとエッチな部屋着も全部が良すぎる‥

「風夏‥可愛い‥」

「なに、急に!照れるし可愛くないよ~!」

「いや本当、どんな風夏も好きだな~」

「こ、これからもどんな私でも好きで居てね?」

「もちろん!」

「って事で優希君の顔も見せてよ~」

「嫌だよ!」

「え~ケチ!」

「明日たくさん見て良いからさ!」

「ま、そうだよね、じゃあそろそろ寝ようか!」

「はい!」

そうして電話を切った。

「寝る前にちょっと喉乾いたな‥」

そうして、リビングに行った。

「おー!優希、ただいま!」

「お、親父!」

珍しすぎる、なんと親父が帰ってきてた。

「悪いな最近帰ってこれなくて!」

親父は出張ばかりで滅多に家に帰ってくる事がない。

「気にしないでよ!」

「夏には婆さんの所にも言ったらしいし最近なんかあったんか?」

「いや、その彼女ができてさ、一回七夕に別れたんだけどなんだかんだでまた付き合い始めたんだ。」

「そ、そうなのか、優希は俺に似てイケメンだからな?」

親父は俺と違いナルシストである。
顔は確かに親父譲りでまいは母親譲りだけど‥

「で、相手はどんな子なんだ?」

「なんつーか学園のマドンナ的な人だったんだけど」

「ハッハッハー、さすが俺の息子だな!母さんも昔は学校1の美人でよ、俺なんかじゃ話す事も出来ないぐらいで俺はそれでもあの優しい笑顔に惚れてな‥」

両親の馴れ初めってなんだか小っ恥ずかしいな‥

「でも諦めないで、ずっと好きで良かったって思うよ。いやぁでも優希にも彼女か~俺はてっきりゆいちゃんの事好きだと思ってたけどな?」

「それは小学生の頃の話だろ、あ、でも彼女はゆいとかおりのいとこって言ってたよ?」

彩香あやかさんの娘か?それだったら優希が子供の頃会ってるぞ!」

「え?マジ?」

いきなりすぎて何も言えなかった‥

「彩香さんはめちゃくちゃ玉の輿でよ、旦那さんが社長でその会社の創業祭みたいなのに俺と文也ふみやが呼ばれてよ、どうせならって言って子供も連れて行ったんだよ、確か写真が‥」

まさか小さい頃にゆい、かおり、だけでなく風夏にも会ってたとは‥

「あったあったこれだ!確かみんな5歳ぐらいだったような‥」

「マジか、全然記憶にないわ‥」

子供だけで撮った写真には本当に風夏と俺が写っていた。

「でもお前、朝比奈家って言ったらここら辺じゃ凄い有名な朝比奈建設の社長だからな‥」

「え、そうなの、急に怖くなってきた~」

「ま、優希の気合い‥だな‥」

本当に世間って狭いんだなって思わされた。
まあ両親に会うなんてまだまだ先の話だろうし‥

「早くに母さんが亡くなったのによ、お兄ちゃんやって辛い事沢山あって迷惑かけただろうけど優希が大人になってくれて嬉しいよ。」

「いや、まだまだ子供だよ。」

「ま、それもそうか‥明日はクリスマスデート行くんだろ?ほれ!」

「え?いいのか‥」

「舞には内緒だぞ?」

なんとお小遣いをくれた。

「ありがとう、親父。」

「良いって事よ、まあ優希‥」

「ん?」

「幸せになれよ。」

久しぶりにゆっくり親父と話した。
前とは変わったところも沢山あるけどそれでも親父は親父だし俺も俺のままだ。
でもなんか少し大人になってく気持ちが分かった気もした。

.

.

.

そうしてクリスマスデート当日を迎えた。
今日は一段と寒かった。
場所はトコトコタウン。
初めて4人で行った場所だ。
色々な事を思い出していた。
初めて会った時の事、文化祭の事や七夕の事も全部思い出していた。
最初は億恋読んでてそれで出会って、翼に紹介するために距離を縮めていって気がついたら俺が好きになってたな。

「お待たせ~」

「今来た所だよ!」

冬服の風夏は一段と可愛かった。
世の中にこんなにも可愛い人が居ても良いんだろうか‥

「じゃ早速行こうか!」

「うん!」

「あのさ‥」

「どうしたの?風夏?」

「手、繋ぎたい‥」

前は当たり前のようにやってた事すら初々しく感じるぐらいお互い緊張していた。

「いいよ!なんか‥恥ずかしいね。」

「ちょっと~言わないでよ‥」

頬を染める風夏
こんなにも寒いのに身体が熱くなった。

食事をしたり買い物をしたり、初めて遊んだ時の事なんかも話しながら俺らは色々な所を回った。

「いや、すっかり暗くなっちゃったね!」

「うん!あのさ、イルミネーション見に行かない?」

「いいよ?」

「早く行こ~」

トコトコタウンのイルミネーションは毎年話題になるぐらい派手で有名であった。

「着いた~」

「おお~」

そこにはとてつもなくデカいクリスマスツリーが飾ってあった。

「風夏、これプレゼント!」

俺は3本のバラを渡した。

「え、これって!」

普通のバラではなくドライフラワーなのである。


ー続くー
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