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第1章 勇者ライオネル・ブラッド
第2話 秩序
しおりを挟む「お前ら、フラグ立ててどうすんだよ。
まぁ、死ぬ気は最初からねーんだけど。」
その場の全員が大破した門付近へと視点を移した。
勇者ライオネルはそう言って再び英雄剣を手に取った。
「お前、自爆したはずじゃなかったのか?」
魔王護衛のリザードマンの一人がとっさに質問。
「俺は確かに能力『自爆』という片道切符を使ったが、同時に『超回復』を自分に使うことによって生き返ることができた。勿論、自爆は底辺能力だけど俺が使うんだから計り知れないよね?残りの人生の魔力全部使えるんだから」
ライオネルの口角は話す時間とともに上へと上がった。
「バケモンかよ…」
「バケモン?まぁ、俺に言わせれば見た目“だけ”ならお前らの方がバケモノ偏差値70だけどな」
一体こいつはいつ死ぬんだ?
こいつは何種類の能力を持っているんだ?
魔王軍には勝つという糸口は見えなかった。
「何を凹んでいるんだ、お前たち」
中央に伸びる階段からひとりの男が現れた。
「其方が勇者ライオネル・ブラッドだな。
遠路はるばるご苦労。どうぞ、ここで眠っていってくれ、永遠にな。我の下には数万を超える兵がいる。ここで我が死ぬわけにはいかんのでな」
威厳。
周囲からは歓声とともに「どうかお逃げください」という声。
どれだけのことをすればこうなるんだという疑問。
全てがライオネルには新鮮だった。
「お前ら、いい上司も持ったな。
俺もこんないい先輩を持ちたかった…」
「どいていろ、兵士達よ。我がこれよりこの勇者を永遠の眠りへと誘って差し上げよう」
魔王はゆっくりと階段を降り、腰から美しい剣を取り出した。
「確かに、この世から葬ってはもらいたいが、痛いのは嫌いでね。あと、国には俺の家族も待っている。まぁ、逃げてもいいのだが、その後が怖い。よって、死んでもらう」
「やれるもんならやってみるがよい、最強と謳われる勇者ライオネル・ブラッドよ」
兵士達を横に分断し、魔王は光沢を放つ剣を下げ、こちらに向かってきた。
「オリジナル能力『極限結界』!」
忽ち、勇者の爆発によってボロボロになった魔城から周囲の様子が姿を変えた。
「こ、ここはどこだ?どうなっている」
「この場所は俺の想像。どちらかが死ぬまで解けることはない、俺のオリジナル能力。極限の収束が行われるまで一生このままだ。さぁ、殺し合いを始めようぜ」
再度、二人は手に持つ剣を再度握りしめた。
「来い、最強勇者よ」
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