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第1章 勇者ライオネル・ブラッド
第8話 転生神デュイス
しおりを挟む転生神デュイスはこちらをじっと見つめてこう言ってきた。
「転生?俺が他の人になるってこと?」
「そうです。世界線は元の世界。つまり勇者ライオネル・ブラッドが存在するいや既に死んだ世界への転生となります。」
「なんで俺なんだ?転生なんてホイホイとやってるものなのか?」
「まぁ、一応こちらでは人物を選別していますが、どうしても聞きたいですか?」
急に真剣な眼差しのデュイスに対して少し怖くなったため、今回は聞くことを諦めた。
「転生か‥。転生先は選べないんだよな?特に選ぶ対象があるわけでもないが。」
「こちらで希望だけは聞いておきましょう。ランダムと言う正義のもとで転生は行っていますが、参考にします」
頭の中をフル回転させて自分が後世でなりたい人物像を思い浮かべようとした。
思い浮かべようとしたが、何も思い浮かばなければ、転生と言うこと自体に疑問さえ思えてきた。
「なんでもいい。兎にも角にも求めることはただ一つだけ。普通。これだけは必要だ。やれ勇者だ、貴族だ、王族だ、どうでもいい。普通こそ正義!これさえ与えてくれれば俺は幸せだよ」
ライオネルの熱弁にデュイスは少し引き気味になった。
こればかりはしょうがないが、言っておいて損はない。
勇者なんて。
ーーーーーークズだ。
「それでは転生を開始しましょう。光の中央に立っててください。」
白い空間にただ一つ空?天井?から差し込んだ一筋の光をデュイスは指差した。
指図されるがままに俺は光の中心に立った。
上を見るとあまりの神々しさに目が焼けそうになった。
「ようやく勇者という枷から解放されるんだ。感謝するよ、転生神デュイスよ。」
「いえいえそんなこと言わないでください。勇者という功績を鑑みれば当然のこと。思う存分、セカンドライフを楽しんでください」
「あぁ」
光が強くなった。
目を開けるのにも苦労する程に光は輝きだした。
「転生開始」
デュイスの言葉と共に今立っている地が唸り声を上げてグラグラと揺れだした。
何度か目を開けるとデュイスが見えた。
しかし、その後ろにはもう一人の誰かがいた。
「デュイス‥と誰だ?」
次の瞬間にはその光の中に吸い込まれていった。
ーーーーーーライオネル・ブラッド転生
「行ったようだな、デュイス」
「えぇ、そうね。話してみると思っていたよりも人間味がある人よ。あなたも一度会ってみれば?」
「いずれはその時もくるさ。今は様子を見ることとしよう」
デュイスともう一人は静かに白い空間から姿を消した。
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