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第2章 全知全能のゴブリン
第9話 新生ゴブリン
しおりを挟む「おい。起きろ、ライオネル。そろそろ朝会が始まるぞ」
「え、あ、あん?」
目をゆっくり開けると心地よい光が差し込んできた。
頭の中は真っ白のまま、重たい腰をゆっくり起こす。
「俺はどうしたんだっけ?」
あたりを見渡すと、木製の部屋の中に何個かのハンモックがかかっており、そのうちの一つに俺は寝ていたようだ。
喉から自分ではないような声を出しながら腕を伸ばした。
まず見えたのは緑色。
「ん?」
緑色?
何かで塗られているような色合いではない。
どうやら脚も緑色。
全身が緑色に変色していた。
若干の焦りと共に近くにあった鏡に急行した。
「何だよ、これ」
俺の顔は鼻筋がピンと伸びており、目はやや吊り目、耳はエルフ族のように上に高く伸びている。
ゴブリン。
その瞬間、すべての記憶が頭の中に入ってきた。
「俺は確か、転生したはず。そうだ、デュイスって奴が俺を転生するって言ってて‥」
まず浮かんだ可能性は「失敗」。
これが一番確率としては高い。
転生先はランダムと言っていた。
ゴブリンになる可能性もゼロではないということか。
次に思いつくのは、「故意」。
故意に俺をゴブリンに転生させた可能性もある。
今の頭の中は戦闘中のような回転を見せていた。
あの時、転生開始とデュイスが唱えた時、背後に確かに、別の誰かがいた。
そいつが黒幕だったとしたら?
兎にも角にもこのままゴブリンとして生活するということに未来を想像できなかった。
「ライオネル!」
俺の名前?
ここでも俺は前世と同じ名前なのか?
「あぁ、今行く」
声の主は木製の部屋の外からした。
部屋から出ると、外には別のゴブリンがいた。
腰には短剣を備えており、あとは普通のゴブリンと変わらない。
戦闘力も普通かやや下。
「どうした?ライオネル?なんか顔色が悪いぞ。まぁいいい。さっさと朝会に行くぞ」
「お、お前は?」
平然を装うような余力は今残っていなかった。
「お前は?って。アルだけど‥頭でも打ったか?」
「アル‥それがお前の名前か‥」
「本当にどうしたんだ、とにかく下に行くぞ」
手を引かれて釣られるままに朝会?に向かった。
頭の中は色々な感情、考えが渦を巻き、考えれば考えるほど訳がわからない。
そうこうしている内にゴブリンがたくさん集まる広場のような場所についた。
「俺たちF級戦士はここだ」
「F級戦士?」
「今更それを聞くか?俺たちゴブリンはSからFまで戦闘力順で分けられている。S級戦士はゴブリンキングの親衛隊のような重役も任せられる。俺たちには生涯関係のないことだがね」
「F級か。って一番下じゃないか!」
周りを見渡すと確かに戦闘力が極端に低い。
「おい、ライオネル。静かにしとけ。戦士長が来たぞ。絡まれたら面倒だ」
後ろから禍々しいオーラを感じた。
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