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もみあげ
しおりを挟むもみあげ
【怪奇!もみあげが伸びる奇病!】
そんな新聞記事の見出しを見て、俺たち三人怪奇単包チームは、笑い声をあげた。
「んなわけねぇだろwww」
「ああ、そうだな。だいたいもみあげが伸びたからと言って、なんだというのだ。なあモーミン」
「全くである」
僕ら三人組は、ある一つの趣味を共通して行動をしている。
それは、巷に伝染する怪奇。
それの正体を見破るために活動しているのだ。
いうなれば自称少年探偵団ごっこのようなものをしているのである。
そのイカレタメンバーは、行動力の化身であるボルボロと、チームの頭脳であるリケジョ、そしてもみあげが自慢のモーミンの三人組だ。
そして探索のネタを供給しているのが、この新聞記者、カルト怪奇新聞部部長、シンブーンである。
「ちょっとあんたたち!1私の記事がガセだって言いたいわけ?!」
「いや、そういうんじゃないけどさぁ、」
「ねぇ」
二人は、モーミンのほうを向いた。モーミンはそのもみあげを端正に撫で上げている。
いつ見ても見事なもみあげ。
そうこのもみあげは数年に一度あるかないかのもみあげ。もはや才能といっても過言ではなく、それを磨くための訓練もしているのである。
そんなもみあげのスペシャリストが知らないもみあげに関する情報などないのだ。
そんなモーミンは、三人の視線を受けて頼もしくうなづく。
「ああ、俺のもみあげスキルで探索したが、そんな事例はないな」
「だってよwww」
「モーミンが言うなら絶対だな」
「むー」
シンブーンがほっぺを膨らますが、しかし彼女であっても彼の言うことに疑う余地はなかった。
モーミンはもみあげに関する特殊なスキルを使えるのである。
それは現代科学では全く説明がつかない異世界タイプのやつだったが、しかしそんなスキルに何度もシンブーン含む彼ら救われているのだ。
そんなモーミンは、紳士然とした態度の彼女に近づくと。
「まあまあ、もみあげでももんで落ち着いてくれたまえ」
「そんな、まあ、少しだけなら」
もみあげとは、万物の根源。ゆえに、もみもみすることによって極上なリラクゼーション効果があった。
「ふう・・・確かに、私の思い違いだったかもしれないわね・・この記事は取り消しておくわ」
そう言って彼女は教室から出ていった。
そんな事件にもならない一時の出来事だったが、しかしモーミンの目が一瞬きらーんと険しく光ったのを、誰も見ていなかったのである。
そして放課後。
「あれ?モーミン、帰らないのか?」
椅子に座ったまま腕組みをして微動だにしないモーミン。彼はどっしりとうなづいて言った。
「先に帰ってくれ。俺はここで少しもみあげの手入れをしておくからな」
「そうか、大会近いもんな」
「がんばれよ!もみあげ全国大会!」
「ああ」
彼は、もみあげを微振動させながら、夜が来るのを待つ。そのもみあげには、静かな殺気が内包されており、実際わずかに光っていた。
真のもみあげを持つものがもつオーラが、発光という現象を生み出しているのである。
そして、外套の光が差し込む丑三つアワー。奴は現れた。
ガララッと教室のドアが開く。
「「もみあげ~!!」」
そう、それは今、裏社会でやばいことになっているとうわさのもみあげモンスターだ。シンブーンが言っていたことは本当だったのである。
なのに何故モーミンは何事もないと言ったかというと、彼らを危険に巻き込みたくなかったからなのだ。
もみあげモンスターとは、即ち怪奇の上位互換。怪奇のあるところもみあげありなのだ。
他の二人は気が付いていなかっただろうが、今まで彼らが解決してきた事件のあらゆるところにもみあげが関連していたのである。
そして、モーミンは静かに席を立って言ったのだ。
「さあ、始めようか。
もみあげを冒涜するもの。死、あるのみ」
「もきゅ?」
もみあげモンスターは、かわいらしく首をかしげるが、しかしそれで彼が一切の隙を見せることがない。
事実一瞬であっても隙を見せたら、その瞬間彼はもみあげをちぎられていただろう。それほどの高レベルの戦い。そう戦いは既に始まっていると言えた。
そして、彼は動く。
「もーみーあーげ!!!波ァッ!!」
もみあげから発行するビーム。すごいビームだ。大抵のもみあげモンスターならばかすっただけで蒸発するだろう。
対するもみあげモンスターは、「キシャァアアアアアアアアアア!!」と叫んだ。
そう、彼が裏からこの世界のもみあげを守っているのである。
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