プリズム・オムニバス＝オムニバス ドシリアスからギャグまで色々な世界を覗けます

バトル

　
「うぉおおおおおおお！！」

「ふぉっふぉっふぉっふぉ、無駄じゃ無駄じゃ」

　冒険者たちは四人、手に手に剣を持っているが、たった一人の老人に手を出せない。
　
　そう、彼が操っているのは植物。そのむちが冒険者に襲い掛かる。その一本一本は切れないほどではないが、その量が問題だった。
　
　徐々に体力を消耗していく冒険者たち。
　
「くそ・・！！この山姥め・・！！」

　この世界には、数多くの未開の地がある。それを踏破するのが開拓者、すなわち冒険者だった。
　
　だが、彼らには魔法や特殊なスキルを操る能力があった。もし現代の地球に来たならば、どんな過酷な道や環境でも進み続けるステータスもあるだろう。
　
　それでも依然踏破なされていない地が多いのは、彼らと同じく野生動物や原住民も魔法やスキルを操るからである。
　
「ここは一旦撤退だ！！」
「ああ！！」

　リーダーと思わしき冒険者がそう提案し、阿吽の呼吸で逃げ出そうとしたが、しかしそれを見逃すほど相手は優しくはなかった。
　
「おっと、貴様ら帰れると思っているのか？」

「ぐっ！！」

　足を縛られた。逃げられない！！

「ふぉっふぉっふぉ、ゆっくりしていきなされ」

　そうしてムチを放ち続けるのだが・・！！

　ぎゅいいいいいいいいい！！

「「っ！？」」

　この場に居た全員が耳を抑えた。

　そしてずんっずんっずんっと、何かの足音がこちらに近づいてきているのである。

「ワイバーンか？！」