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電子的世界
しおりを挟む「人は脳に操られている存在なのだろうか」
「俺の世界は、俺が支配する!!」
「というよりも、物質の法則的な意味でね」
「対局がスピリチュアル的なね」
ラプラスの悪魔という言葉がある。
物質の動きを完全に試行できるのならば、この世に起こる全てのことを知ることができるということだ。
つまり、人々の脳の働きも物質の運動にすぎず、だとするならば、物理運動の結果が人の判断に関わっている。いや、自身の心の動きさえ、その物質の動きに支配されているということなのだろうか?
これには諸説あるだろうが、しかし、その答えはここでは語らない。
「語らないのか?答え聞きたいぞ」
「それはたぶん、客観的に証明は無理だ。でも、そんなことはないと思うけどね。少なくとも自分の精神は」
「でも、他人に説明するのは難しいよね」
「でも、良い考えがある。確実にわかることを語ればいい。そんなあやふやなことを語るよりも」
そう、絶対的に正しいと思われる事柄が一つある」
それは、人々は歴史に支配されているということだ。
人ひとり、個人ならばどうと言えないだろう。しかし人全体を対象に取れば、確率的に傾向が読み取れる。
例えば、宗教。作法、そして常識。あるいは教養、
最近の言葉でいえばミームと呼ばれているものだ。
人々は、良くも悪くもそれらに囚われている。
お祭りなどと言った良い習慣、あるいはたばこ酒暴力行為などと言った悪い習慣。
普段意識しないが、ジェンダーというものも強力なその中の一つだろう。
他の習慣と比べてそれが強いのは、体が違うことである。
女は基本的に外見が美しく、男はそうでないものが多い。それが、女と男の習慣を形作っていると言っていいだろう。
「ならば・・体が無ければ?」
そう、あるその世界において、もはや人は人ではなくなっていた。
いや、知性はある。
そう、人は電子世界におけるシミュレーションの知性となっていたのだ。
ほぼ完全に物質の動きを再現し、その中で生きることとなっていた人類。
そしてそれは情報でしかないのだから、自信の姿は変化することができる。筋力など何の意味もない。
つまり、女だから力が弱い、だとか、男だから強い、だとか、そういうものが完全に払しょくされていたのだ。
「そして、人はだれしも利己的だ。
それが意地汚いというのおは、単に文化にすぎない。
そう、性別を使い分ける。他人に自分の意見を押し通すときは男に、自身の弱さをアピールし守ってもらうときは女になるのだ。
「だけど、、なんとなく相手が女でも男のように思えるときがあるし、男でも女に見えるときがあるよね」
「ああ、それは、性別には二種類の意味があると思う。ジェンダー(性質)とセックス(データ)の意味だ。
セックス(データ)のほうは分かるだろう。ウィンドウを出して変更するほうの性別だ。
そしてジェンダー(性質)は、いわば抽象的な性別だ。
男というものは、力持ちで戦い、頼れるもの、または粗暴だったり悪いものだったりするというイメージが定義されていた。、また女というものは、弱く、家庭的な存在であり、優しく美しいものと歴史によって定義されてきた。
例えば、セックス(データ)が男だとしても、女として見えるのは、そういった定義に引きずられるのだろう」
「そしてそれは、、性別以外の他のあらゆる概念でも見られることだと思う。いわば、物体とその印象、あるいは、定義と、その印象(独り歩きしたイメージ)、、、
「つまるところ、その両者はいったい・・?
「前者は、公的な概念、後者は個人的な概念といったところだろうか。定義というものも不変のものではなく、変化していくものなのだろうからね。変化する者は、まず先行する者は個人的な概念、つまり印象から変化していって、本体の定義が変化していくものなのだろうね。
「例えば、、●●を評価するとして、AさんにとってはBと感じるが、他の大勢はCと感じることがある。
時代が変わり、Aさん以外の人たちがBと感じる人が多くなっていくことで、大勢がBと感じ、最終的にその評価がBということになっていくということか。」
「まあ、回りくどい言い方だけども、定義とその印象、つまり言葉で説明できる概念と、そしてそのクオリア、という言い方もできるかもしれない。クオリアはヒトに説明できないからね。自分で感じることしかできない、クオリアは極めて個人的な存在と言えるだろう」
「ならば、、クオリアは僕だけの者、、ということはクオリアを操作することも自由・・?
「それを言うならば定義も自由だろう?
「まあ、クオリアと定義も同一のものとして扱うことはできるのだがね
「まあ要するに、定義とクオリア、定義と印象と区別してきたが、定義に付随する者としてクオリアや印象をここで例として挙げたが、それ以外にも定義に付随する概念というものが存在するのかもしれない」
「(概念とは必ずしもデジタル的なものではなく、アナログ的なものという考え方もできるということか・・)
「だが、言語はデジタル的なものだろう。
「詳しくするほどアナログに近づきはするけど、最終的にはデジタルなのだろうね」
「ならば、精神とはアナログ的なものか。
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