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戦争好きの王様

　
　ある王様がいた。


　王様は戦争が好きだった。

　だが、その国は、王様が絶対的な権力を持っているわけでなく、話し合いで政治を決めていた。

　故に、戦争がしたいときは、王様はいつだってこういって皆を説得した。

「一人は皆のために、皆は一人のために、

　少しのものが犠牲になり、多くの者が豊かになるためには戦争をするしかない」

　王様は演説がうまかったので、皆ころっと騙されて、戦争をするようになった。

　最初のころは、戦争で富が潤った。

　近隣の小さな国を滅ぼし、自国の少数の兵士の犠牲で、多くの富が国に入ってきた。


　だが、、小さな国を滅ぼした後、大きな国を攻めようとした。

　それには皆、本当は反対したかった。だが、一度富という甘い汁をすすったものは、引き戻れなかった。


　議員たちは満場一致で、大きな国への侵攻を開始した・・だが

　科学レベルが違った。

　占術レベル、人口、どれもかなわない。

　マシンガン、飛行機械、などなど、あらゆる面でレベルが違う。



　当然、戦争は敗色濃厚になった。

　だが、不幸中の幸いか、相手の国は、降参を求めてきた。

　それでも王様はそれを受けることを拒んだ。

　戦争は続けるべきだ。

　何のために今まで尊い自国の兵士を犠牲にしてきたのだ。

　彼らに失礼ではないか。

　少ない犠牲で、多くのものが喜ぶのならば、その方法を取るべきだ。と。



　少ない犠牲で、多くのものの得になることをせよ・・・？


「だったら、、今必要な犠牲は、王様、あなた自身なんじゃあないか？」


　そう気が付いた彼らは、暗殺を実行し、平和を手に入れた。