婚約破棄されて次は異世界かなと思ったら異星人が来た件

Giovenassi

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2話

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 アルペンスキー型やサーベルタイガー型であればもう少し賞味期限は延びていたのだろうか?
 私としては、小学校高学年くらいのロリコン御用達体型の生命体、もとい地球外生命体なら一番ときめくのだけど。

 そんな超どうでも良いことを考えながら、私はアンティークそのもののキーボードに指を這わせていた。
 液晶の画面に映し出されているのは太古の昔に放棄された電子掲示板の書き込みだ。
 デブリと化してネットの海の底に埋没したそれらをサルベージするのは、私のささやかな日課だった。
 何十年も昔のネットの住人は、坂谷和彦という人について熱く語っていた。
 坂ノ上和彦--それはアイルトン・ホシマール・ダ・シルバやヘンリー・サロライネンらと並んで誰もがよく知る歴史上の人物である。
 しかし、その名前が世間で語られるのは主に悪人としてであり、卑劣な犯罪者として、もしくは地球外生命体に対して無益な戦いを始めたキ〇ガイとしてその悪名は広く知られるようになっただけなのである。
半世紀以上前のこと民間人からなる傭兵部隊を組織して、宇宙からの訪問者に対して武力抗争を目論んだというのがその罪状のすべてである。
 その結果、地球の約半分を戦場として焦土に変えた挙句に捕まり史上希に見る大量殺戮者として処刑されてしまった。一説によると民衆から強制徴用や略奪も行っていたらしく、後世からの評判はとてつもなく低い。
 ところが目の前の画面には、その坂谷和彦を賞賛する書き込みばかりが並んでいるのだ。
 
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