婚約破棄ですか?畏まりました(はい、喜んでっ!)

ゆきりん(安室 雪)

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 「ローゼリアがいるんですって?あの子、あの子を殺してやるわ!!私を不幸にしたんですもの、当然よね~。そこっ、どきなさいよっ!!」

 ギャンギャン叫ぶカサブランカかは、何人かの男に宥められながら暴れ、どこかにつれていかれたようだ。静かになったが、扉の外の男達のボヤキが聞こえてきた。

 「あの人、クスリのやり過ぎなんじゃないの?あんなに興奮して」

 「でも、興奮してる時にヤるとイイらしいぜ、へへっ」

 「中のねぇちゃんもクスリ漬けにするんだろ?俺達にも回って来るかなぁ?」

 「回ってきても、キチガイになってたらイヤだなぁ」

 「あ?ヤれりゃいいだろ?お嬢様らしいぜ」

 男達の下品な笑いが聞こえてきた。




 ココに連れてきた男が『今日のゲスト』って言ってた。それならば、今日の夜怪しいパーティがあるのかも知れない。何とかしてココを出なければ。

 部屋の中に突如キツイ香の匂いがただよてきた。本能的に吸い込んではいけないと思い、口元をドレスの布で覆うが、頭が朦朧としてくる。

 ダメだわ、しっかりしなければ・・・。

 

 
 次に意識が浮上した時、目の前にはキャスバル様がいた。必死に名前を呼ぶ声、そして口移しで何度も水を飲まされ、何か錠剤も飲まされた。

 「・・・。キャスバル様?何?」

 「ローゼリアッ!!分かるか?気分はどうだ?気持ち悪くないか?」

 「頭、クラクラする」

 そして、身体がぽおっとする。

 キャスバル様に触れられている所もピリピリして落ちつかない。

 「だろうな。興奮する作用のある香を嗅がされてたんだ。媚薬入りのな。もう少し水を飲め、解毒作用のある薬もさっき飲ませたから、じきに治る」

 そう言って、横抱きにして歩き出した。

 身体中の血液が沸騰しているかのように、ドクドクと騒いでいる。

 「ローゼリア嬢、その顔は目の毒だ。せめて目を瞑っていてくれ」

 そう言われ目を閉じた。

 屋敷に戻る馬車の中で、救出されるまでの出来事を説明してもらった。




 
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