婚約破棄ですか?畏まりました(はい、喜んでっ!)

ゆきりん(安室 雪)

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27 〜キャスバル視点〜

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 今日はスノーランドの屋敷に、午後からローゼリアがいると言っていたので、警備の話をしに屋敷で待っていた。シャーロック伯爵とティールームにて、周りのキナ臭い話しと警備を増やす話をしていると、御者が飛び込んできた。

 「ローゼリア様が拐われましたっ!!申し訳ありませんっ!!」

 警護の者は付けていなかったと言う。

 「相手はどんなヤツだっ!?」

 「多分、カサブランカ様をお送りした屋敷の方だったと思います。実は、ローゼリア様が拐われた馬車の屋根には、教会の子供が飛び乗りました。手にパンの袋を持っていたので、道しるべにパンを落として行ってるかも知れません」

 「あの没落貴族か・・・。シャーロック伯爵、私はすぐに向かいますので、王都騎士に至急連絡し、没落貴族の屋敷に向かわせて下さい。その時に、香による興奮作用を抑える薬も持って来るように伝えて下さい。水は今、もらって行きますっ!」

 シャーロック伯爵の護衛騎士数人と共に、没落貴族の屋敷へ向かった。

 ローゼリア、無事でいてくれっ!

 ああっ、俺は何でもっと屋敷の警備だけじゃなくて、日頃行動するときにも警護をつけるように助言しなかったのだろう・・・。



 ローゼリアの誘拐現場から没落貴族の屋敷へ向かう途中、分かれ道には必ず細かい馬の葉パンが落ちていた。馬の葉パンのお陰もあり、道に迷う事なく、屋敷へは早く着いた。シャーロック伯爵家で馬を借り、馬車は後から追って来る事にしたのだ。

 没落貴族の、屋敷には馬車がいくつか停まっていたが、気にせず屋敷の入り口近くまで馬で入り、短時間で屋敷内に入れる様にした。

 屋敷内には薄っすらと香の匂いが漂っていた。スカーフで鼻と口を覆い、匂いの強い方へ進んでいく。すると、扉の前に男2人が立ちはだかる部屋があった。

 ソコに違いない。

 確信し男を倒し、鍵のかかっている部屋の扉を蹴破った。

 部屋の中でローゼリアは倒れたいた。

 部屋の窓を破り、香の煙を外に出す。そして、ローゼリア自身も別の部屋に運んだ。

 服を確認してみるが、とりあえず乱暴された形跡はない。強い香で意識を飛ばしてしまっているだけの様だ。持って来た水を口移しで飲ませる。目を覚まさないが、水は飲んでくれる。更に水を飲ませて行く。途中で王都騎士団も到着し、解毒の薬を渡してくれたので、ソレも口移しで飲ませると、微かにローゼリアの目が開いてきた。更に水を飲ませる。

 そして、ローゼリアは覚醒した。

 媚薬効果のある香のせいでローゼリアはかなり煽情的な目をしていた。目の毒だ。

 ローゼリアを馬車に乗せ、これまで経緯を説明した。

 最終的な報告は明日届くだろう。

 ローゼリアを屋敷に送り届け、シャーロック伯爵に今夜は泊めて欲しいとお願いし、快く了承してもらった。




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