悪役令嬢に難癖をつけられ、飼い犬と共に国外追放されましたが、私は聖女、飼い犬は聖獣になりました。

冬吹せいら

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孤児院

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「シーナ!遊ぼう?」
「あぁ~ずるい!シーナは私と遊ぶの!」
「違うよ!僕が先だもん!」
「はいはい、みんな喧嘩しないで?一緒に遊べばいいでしょ?」

私は集まってきたみんなの頭を、それぞれ優しく撫でてやった。

両親が亡くなって、もう七年経つ。父は兵として、母は戦地での治療部隊のメンバーとして、それぞれ役目を終えた。私が五歳のころだ。

それからこの孤児院に預けられた。
最初は未熟で、ただ両親が死んだことを嘆くだけだった私も、今では他の子たちと比べると、お姉さんと呼べる年齢になった。

だから今日もこうして、みんなと一緒に遊んであげる。少しでも、みんなの孤独が紛れるように……。

「ありがとうシーナ。いつも助かるよ」
「メリカーさん……。いえ、私は楽しくて、みんなと遊んでますから」
「メリカーも遊ぼう!」
「いやいや私は……。ここでみんなが遊んでいるところを、じーっと見ておくことにするよ」

メリカーさんは、この孤児院の院長だ。私がここへ来たときから、すでに高齢で……。今では、杖が無いと歩くことが難しいほど、衰えてしまっている。
そんなメリカーさんを支えることが、今の私の務めだ。

「みんな!今日は積み木で遊ぼう!」
「やった~!積み木だぁ~!」
「えぇ~積み木?外で遊ぼうよ~!」
「外はダメよ。カーペンハイト家の方々が、仕事をなさっているから」

仕事……。と言えば聞こえはいいけど、検閲だ。

月に一度、城下町を回って、未払いの税金の徴収や、抵抗勢力の弾圧をする。

別に、悪さをしていなければ問題無い。だけど、外に出るのは気が引けた。道ですれ違うことすら、恐ろしい。何をされるかわからない。

「でも、ランバーは遊びたいみたいだよ?」
「え?」

子供たちが、庭を指差すと、飼い犬のランバーが元気に走り回っていた。

……そうか。もうすぐ散歩の時間だっけ。

本当は、外に出たくないけど、ランバーが吠えると、運悪くカーペンハイト家に目をつけられた場合、罰金が生じる可能性がある。

「はぁ……。じゃあ、私ちょっと、ランバーを散歩させてくるね。私が帰って来るまでに、積み木でかっこいいものを作った人が優勝!それでどう?」
「ご褒美は!?」
「甘いお菓子かなぁ……」
「やったぁ~!よ~し頑張るぞ~!」

子供たちが、一生懸命に積み木を積み始めたのを見て、私は笑顔になった。貧しくても、子供たちの元気な姿を見ると、幸せな気持ちになる。

「……シーナ。気を付けるんだよ?」

メリカーさんは、どうやら私を心配しているようだった。

それを払拭するため、私は明るい笑顔を見せる。

「大丈夫です。すぐに戻りますから」
「そうかい。わかったよ」

メリカーさんも笑顔を返してくれた。

外に出て、待ちきれないと言った様子のランバーを、撫でて上げる。嬉しそうな顔をしながら、軽く吠えた。

「行こう。ランバー。お願いだから、大人しくしててね」
「ばうっ!」

……なんて言っても、通じるわけないよね。
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