107 / 232
『ヒール95』
しおりを挟む
『ヒール95』
戦いが終わり熱気が高まった。
俺は観客席を眺めていた。
パピアナは負けたミヤマを笑ってる。
ふと観客席の方を眺めていたら、俺の視界に気になるのがあった。
かなり遠くに座っていた人物。
遠目で見たからはっきりと確認していないけども、俺の中でざわざわ感が起きた。
それは俺の知っている人物の姿に似ていたからであるが、見間違いだろうと視線を変えた。
しかしまた気になったので、再びその人物の座る席を見たら、席を立ち上がり場内から離れた。
俺は落ち着かなかった。
席を離れたので、今なら確認しに行けるチャンスはある。
「トレイル、休憩?」
「うん、少し席を離れたい。戻ってくるよ」
「はい」
ローズに席を少し間離れると伝えて、例の人物の足取りを追うとした。
その人物は観客の人混みの中にいた。
良く似た背中をしていて、近くまで寄る。
もう少しで肩に手が届く位置まで接近した時。
人混みが多くなり、その人物が消えてしまった。
しまった、見失ったか。
せっかく近くまで行けたのに、見失うのは痛かった。
辺りを見ても居ないし、失敗した。
「おい、トレイル。俺を探しているのか?」
「ええっ」
急に声をかけてきた男の声に振り返った。
男は剣士ムジカだった。
「ムジカ。やはり似ていたから後をつけてきたら」
「俺もトレイルに用事があった。来てくれ」
「ええっ、どこに」
「いいから来い」
まさか森の王のメンバーとここで出会うとは思いもしなかった。
他の観客は賭けに夢中なのかムジカの存在に気づいていなかった。
言われるままに歩いて行くと、とある部屋に通された。
狭い部屋だった。
なぜか部屋の前には警備している兵士がいて、ムジカに挨拶をした。
「この部屋がわかるか?」
「わかるわけない。説明してくれ」
部屋の中は俺とムジカだけだ。
何もなく変な感覚。
一体ムジカは何をしたいのだろう。
重要な話でもするのか。
そう言えばジェンティルが暴れたのは伝えておくべきだろう。
「この前さ、ジェンティルに会った。彼女は酒場で大暴れしたんだ。知ってた?」
「何? ジェンティルが酔って暴れた。あははは、あの女もバカだな。酒に酔いつぶれるまで落ちたか」
信じられない言葉だった。
森の王は3人が揃って最強のパーティー。
ムジカから彼女をけなすような発言が出たことに驚きだった。
「ジェンティルとサリオスがケンカしたと聞いた」
「ふふふ、俺は知らん。ジェンティルがどうなろうとな。それよりも自分のことを心配しなくていいのかトレイル」
「なぜ俺が」
「次の試合に出場するからだ」
ジェンティルに対する発言も驚いたが、今のは次元の違う驚きだった。
俺が出場すると言ったな。
出場て闘技場にか?
「待て、闘技場の試合じゃないよな」
「闘技場しかないだろ。もう登録してある。そしてここは試合前の控え室だ」
「待てよ、魔物が戦うだろ」
「いいや、魔物だけとは限らない。人も参戦可能だ。登録すれば。登録しておいたトレイルを」
なぜ勝手に俺を参戦させる。
意味がわからない。
「相手は魔物か」
「そうだ」
「ふざけるな。俺は帰る」
あまりのバカさに俺は部屋を出ようとしたら。
「部屋は出れない。もう闘技場に進むしかないお前は」
「なぜか言えよ。理由を!」
「お前が来るのは商人から聞いていた。商人に会いたいのだろう。勝てば会わせてやろう。負けたら森の王に戻ること」
「なんだその条件は。負けて死んだらどうするんだ」
相手が魔物じゃ負けたら死ぬだろう。
戻るも何もない。
「トレイルの真の力を見たい。あの雑用係だった弱小のトレイルがどうしてCランクパーティーになったかを。信じられない短期間でだ」
「教えない」
「戦いを見ればわかる。なぜか理由は発見したい。さぁ闘技場に行け」
「ムジカ本気なのか」
「ふあはは」
本気らしい。
剣士ムジカに逆らっても勝ち目はないし、抵抗しても無駄だった。
竜の守りが、Cランクなのも知ってた。
調べたのか。
ジェンティルと不仲になったのはサリオスだけでなくムジカもらしい。
森の王はどうなっている。
世界最強ランクのSランクパーティーが崩壊しているなら一大事だろう。
こうなると俺の選択は闘技場に進むしかなくて、魔物と戦うのが生き残る道。
嫌ながら薄暗い通路を進んだ。
俺のレベルは異常に上がっているから、勝てる確率は高いが、何が出てくるかわからないのが不安。
進むと明るい光がさしたら、そこは闘技場の中だった。
柵に覆われた中。
さっき魔物が戦っていた。
魔物は片付けられていた。
観客席から大拍手が起きた。
俺の姿にだったから、ショックである。
ローズやパピアナはどこかの席で俺を見ているはずで、かなりびっくりしているに違いない。
「さあ、次の試合はトレイル選手。対戦相手はアンタイオスです。アンタイオスは連勝中です!」
連勝中の魔物かよ。
それも半端なくでかい、巨人系の魔物だ。
殴られたら終わりだろう。
いっそうの大歓声。
人対魔物の戦いに。
人対魔物は、ルール違反じゃないらしいから、とにかく戦い勝てばいい。
負けたら森の王に入る前に死ぬだろう。
考えていたら、敵のアンタイオスが前進してきた。
試合開始していた。
前進する速度は速いし、地震のようだ。
足に揺れが伝わる。
急いで剣を構える。
アンタイオス
巨人
レベル450
体力 8750
魔力 500
スキル
大地震
大きな足で俺を踏み潰す気だ。
戦いが終わり熱気が高まった。
俺は観客席を眺めていた。
パピアナは負けたミヤマを笑ってる。
ふと観客席の方を眺めていたら、俺の視界に気になるのがあった。
かなり遠くに座っていた人物。
遠目で見たからはっきりと確認していないけども、俺の中でざわざわ感が起きた。
それは俺の知っている人物の姿に似ていたからであるが、見間違いだろうと視線を変えた。
しかしまた気になったので、再びその人物の座る席を見たら、席を立ち上がり場内から離れた。
俺は落ち着かなかった。
席を離れたので、今なら確認しに行けるチャンスはある。
「トレイル、休憩?」
「うん、少し席を離れたい。戻ってくるよ」
「はい」
ローズに席を少し間離れると伝えて、例の人物の足取りを追うとした。
その人物は観客の人混みの中にいた。
良く似た背中をしていて、近くまで寄る。
もう少しで肩に手が届く位置まで接近した時。
人混みが多くなり、その人物が消えてしまった。
しまった、見失ったか。
せっかく近くまで行けたのに、見失うのは痛かった。
辺りを見ても居ないし、失敗した。
「おい、トレイル。俺を探しているのか?」
「ええっ」
急に声をかけてきた男の声に振り返った。
男は剣士ムジカだった。
「ムジカ。やはり似ていたから後をつけてきたら」
「俺もトレイルに用事があった。来てくれ」
「ええっ、どこに」
「いいから来い」
まさか森の王のメンバーとここで出会うとは思いもしなかった。
他の観客は賭けに夢中なのかムジカの存在に気づいていなかった。
言われるままに歩いて行くと、とある部屋に通された。
狭い部屋だった。
なぜか部屋の前には警備している兵士がいて、ムジカに挨拶をした。
「この部屋がわかるか?」
「わかるわけない。説明してくれ」
部屋の中は俺とムジカだけだ。
何もなく変な感覚。
一体ムジカは何をしたいのだろう。
重要な話でもするのか。
そう言えばジェンティルが暴れたのは伝えておくべきだろう。
「この前さ、ジェンティルに会った。彼女は酒場で大暴れしたんだ。知ってた?」
「何? ジェンティルが酔って暴れた。あははは、あの女もバカだな。酒に酔いつぶれるまで落ちたか」
信じられない言葉だった。
森の王は3人が揃って最強のパーティー。
ムジカから彼女をけなすような発言が出たことに驚きだった。
「ジェンティルとサリオスがケンカしたと聞いた」
「ふふふ、俺は知らん。ジェンティルがどうなろうとな。それよりも自分のことを心配しなくていいのかトレイル」
「なぜ俺が」
「次の試合に出場するからだ」
ジェンティルに対する発言も驚いたが、今のは次元の違う驚きだった。
俺が出場すると言ったな。
出場て闘技場にか?
「待て、闘技場の試合じゃないよな」
「闘技場しかないだろ。もう登録してある。そしてここは試合前の控え室だ」
「待てよ、魔物が戦うだろ」
「いいや、魔物だけとは限らない。人も参戦可能だ。登録すれば。登録しておいたトレイルを」
なぜ勝手に俺を参戦させる。
意味がわからない。
「相手は魔物か」
「そうだ」
「ふざけるな。俺は帰る」
あまりのバカさに俺は部屋を出ようとしたら。
「部屋は出れない。もう闘技場に進むしかないお前は」
「なぜか言えよ。理由を!」
「お前が来るのは商人から聞いていた。商人に会いたいのだろう。勝てば会わせてやろう。負けたら森の王に戻ること」
「なんだその条件は。負けて死んだらどうするんだ」
相手が魔物じゃ負けたら死ぬだろう。
戻るも何もない。
「トレイルの真の力を見たい。あの雑用係だった弱小のトレイルがどうしてCランクパーティーになったかを。信じられない短期間でだ」
「教えない」
「戦いを見ればわかる。なぜか理由は発見したい。さぁ闘技場に行け」
「ムジカ本気なのか」
「ふあはは」
本気らしい。
剣士ムジカに逆らっても勝ち目はないし、抵抗しても無駄だった。
竜の守りが、Cランクなのも知ってた。
調べたのか。
ジェンティルと不仲になったのはサリオスだけでなくムジカもらしい。
森の王はどうなっている。
世界最強ランクのSランクパーティーが崩壊しているなら一大事だろう。
こうなると俺の選択は闘技場に進むしかなくて、魔物と戦うのが生き残る道。
嫌ながら薄暗い通路を進んだ。
俺のレベルは異常に上がっているから、勝てる確率は高いが、何が出てくるかわからないのが不安。
進むと明るい光がさしたら、そこは闘技場の中だった。
柵に覆われた中。
さっき魔物が戦っていた。
魔物は片付けられていた。
観客席から大拍手が起きた。
俺の姿にだったから、ショックである。
ローズやパピアナはどこかの席で俺を見ているはずで、かなりびっくりしているに違いない。
「さあ、次の試合はトレイル選手。対戦相手はアンタイオスです。アンタイオスは連勝中です!」
連勝中の魔物かよ。
それも半端なくでかい、巨人系の魔物だ。
殴られたら終わりだろう。
いっそうの大歓声。
人対魔物の戦いに。
人対魔物は、ルール違反じゃないらしいから、とにかく戦い勝てばいい。
負けたら森の王に入る前に死ぬだろう。
考えていたら、敵のアンタイオスが前進してきた。
試合開始していた。
前進する速度は速いし、地震のようだ。
足に揺れが伝わる。
急いで剣を構える。
アンタイオス
巨人
レベル450
体力 8750
魔力 500
スキル
大地震
大きな足で俺を踏み潰す気だ。
0
あなたにおすすめの小説
お前には才能が無いと言われて公爵家から追放された俺は、前世が最強職【奪盗術師】だったことを思い出す ~今さら謝られても、もう遅い~
志鷹 志紀
ファンタジー
「お前には才能がない」
この俺アルカは、父にそう言われて、公爵家から追放された。
父からは無能と蔑まれ、兄からは酷いいじめを受ける日々。
ようやくそんな日々と別れられ、少しばかり嬉しいが……これからどうしようか。
今後の不安に悩んでいると、突如として俺の脳内に記憶が流れた。
その時、前世が最強の【奪盗術師】だったことを思い出したのだ。
生贄にされた少年。故郷を離れてゆるりと暮らす。
水定ゆう
ファンタジー
村の仕来りで生贄にされた少年、天月・オボロナ。魔物が蠢く危険な森で死を覚悟した天月は、三人の異形の者たちに命を救われる。
異形の者たちの弟子となった天月は、数年後故郷を離れ、魔物による被害と魔法の溢れる町でバイトをしながら冒険者活動を続けていた。
そこで待ち受けるのは数々の陰謀や危険な魔物たち。
生贄として魔物に捧げられた少年は、冒険者活動を続けながらゆるりと日常を満喫する!
※とりあえず、一時完結いたしました。
今後は、短編や別タイトルで続けていくと思いますが、今回はここまで。
その際は、ぜひ読んでいただけると幸いです。
少し冷めた村人少年の冒険記
mizuno sei
ファンタジー
辺境の村に生まれた少年トーマ。実は日本でシステムエンジニアとして働き、過労死した三十前の男の生まれ変わりだった。
トーマの家は貧しい農家で、神から授かった能力も、村の人たちからは「はずれギフト」とさげすまれるわけの分からないものだった。
優しい家族のために、自分の食い扶持を減らそうと家を出る決心をしたトーマは、唯一無二の相棒、「心の声」である〈ナビ〉とともに、未知の世界へと旅立つのであった。
S級冒険者の子どもが進む道
干支猫
ファンタジー
【12/26完結】
とある小さな村、元冒険者の両親の下に生まれた子、ヨハン。
父親譲りの剣の才能に母親譲りの魔法の才能は両親の想定の遥か上をいく。
そうして王都の冒険者学校に入学を決め、出会った仲間と様々な学生生活を送っていった。
その中で魔族の存在にエルフの歴史を知る。そして魔王の復活を聞いた。
魔王とはいったい?
※感想に盛大なネタバレがあるので閲覧の際はご注意ください。
侯爵家三男からはじまる異世界チート冒険録 〜元プログラマー、スキルと現代知識で理想の異世界ライフ満喫中!〜【奨励賞】
のびすけ。
ファンタジー
気づけば侯爵家の三男として異世界に転生していた元プログラマー。
そこはどこか懐かしく、けれど想像以上に自由で――ちょっとだけ危険な世界。
幼い頃、命の危機をきっかけに前世の記憶が蘇り、
“とっておき”のチートで人生を再起動。
剣も魔法も、知識も商才も、全てを武器に少年は静かに準備を進めていく。
そして12歳。ついに彼は“新たなステージ”へと歩み出す。
これは、理想を形にするために動き出した少年の、
少し不思議で、ちょっとだけチートな異世界物語――その始まり。
【なろう掲載】
最難関ダンジョンをクリアした成功報酬は勇者パーティーの裏切りでした
新緑あらた
ファンタジー
最難関であるS級ダンジョン最深部の隠し部屋。金銀財宝を前に告げられた言葉は労いでも喜びでもなく、解雇通告だった。
「もうオマエはいらん」
勇者アレクサンダー、癒し手エリーゼ、赤魔道士フェルノに、自身の黒髪黒目を忌避しないことから期待していた俺は大きなショックを受ける。
ヤツらは俺の外見を受け入れていたわけじゃない。ただ仲間と思っていなかっただけ、眼中になかっただけなのだ。
転生者は曾祖父だけどチートは隔世遺伝した「俺」にも受け継がれています。
勇者達は大富豪スタートで貧民窟の住人がゴールです(笑)
40歳のおじさん 旅行に行ったら異世界でした どうやら私はスキル習得が早いようです
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
部長に傷つけられ続けた私
とうとうキレてしまいました
なんで旅行ということで大型連休を取ったのですが
飛行機に乗って寝て起きたら異世界でした……
スキルが簡単に得られるようなので頑張っていきます
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる