すばくんの毎日 ～発達障害の子育てエッセイ～

じいちゃんのランドセル

じいちゃんのランドセル。

  運動会が終わり、そろそろ小学校で使うランドセルを準備しなければいけない季節になりました。

   ランドセルは亡くなった父が唯一孫の為に送ってあげたかったものでした。
   以前父が入院していた時に同じ病室の友人が孫の為にランドセルを買ってあげたと自慢をしていたのを聞いて自分も孫の為にランドセルを絶対贈りたいと言っていました。
   父が直接子供に渡すことは残念ながら叶いませんでしたが、父の想いを弟が汲み取ってくれてランドセルを買ってくれました。

   ランドセルを注文する時、色んな種類のランドセルがあってビックリしました。
   私の子供の頃は赤、黒の二色だけ。
   今はオシャレなものだったり、カッコイイものがあったり、色んな色があって本当に凄かったです。

   六年間使うものだから子供が気に入る物を子供に選ばせました。
   子供はランドセルにエンブレム、キラキラのボタンが付いたカッコイイランドセルを選びました。

   そして帰る時。
「すばくん、このランドセル見本でお店のだから返してね」
「いやだ！！！！」
「すばくんのはちゃんと今度お家に届くんだよ」
「だってかったよ」
「うん。そうだよね…。でも今からちゃんとすばくんのランドセル作るの。その後にお家に届くんだよ」
「いやだ～～」

   子供はランドセルが楽しみすぎて、家に持って帰れると思っていました。
   そして結果お店でだだをこねました……。
   そうだよね……。
   この流れだとお家に持って帰れると思っちゃうよね……。
   そんなことを思いながら、ただをこねる子供を抱っこして連れて帰りました。
   この頃は体も少しずつ大きくなっていたので、……重かったです……。

   これは私自身体力をつけないとなぁ…と感じました。

   この時はそう感じましたが、今はランドセルをからって元気に学校に行っています。
   亡くなった父もランドセルをからった子供の姿を見ていてくれている。

   そう思いました。