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第一幕:【魔盗団】殲滅作戦編
森の奥で
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「はぁ…全くお前らときたら」
模擬戦を終えたアドスとシエルはユリセスに簡易テントまで呼び出されて説教を受けていた。というのも、親交会を開くと聞いていたユリセスは、いざ様子を見に行った所、彼らが戦っていたのを目撃。更には軽い模擬戦ではなく本気の本気で戦っており、シエルの放った技で鎧を全損させた瞬間が最後の引き金だった。ユリセスは怒髪天をつく勢いでアドスとシエルの首根っこをつかみ、今の状況に至るわけだ。
「明日には作戦開始だと言うのに、貴重な防具を破損させるとは…。オマケに親交会と嘘をついて模擬戦なんぞをするとは…。貴様ら二人は罰としてこの付近の見回りをしてこい!」
先程のような義弟大好きモードはどこえやらといった感じの正に鬼厳しい騎士団長モードのユリセスの威圧に押し負け、アドスとシエルはその場から逃げ出すように簡易テントを飛び出した。
「はぁ…はぁ…」
「ぜぇ…ぜぇ…」
簡易テントの外で激しく息を吐く二人。他の騎士団員達は遠目からご愁傷さまという表情をしている。余計なお世話だ、とシエルは舌打ちをして、言われた通り見回りに一足先に向かう。
「なんで俺がこんなこと…」
一人になった事で一人称を『私』から『俺』に戻す。丁寧な口調というのはあまりにも慣れず、なんかムズムズしてしまうシエル。オマケに【暗獄の大樹林】は魔の者が好む生態系の為、大気に漂う魔素は禍々しくて気分が悪くなる。
「ここまで魔素が黒ずんでるなら、【魔盗団】の本拠地があるってのも信ぴょう性が高いな」
スタスタと歩きながら、そう言葉を零す。人っ子1人いない大樹林には本来いるはずの動物達もいないため、あまりにも静か。ここに来る道中で鳥達が避けるように飛んでいたのを見かけた。どうやら動物達も、この魔力に体が合わず避けているようだった。
「かく言う俺の魔力も微かに汚染され始めてるっぽいしな」
本来、生物や植物に宿る魔力は消費すると戻ってこない。では、どうやって魔力を回復するのかと言うと、それは大気に漂う魔素に触れることで自然と回復されていく。ただし、魔の者に汚染された地域の魔素は神聖力を失い『毒』となる。致死性の毒のように人間の生命自体に危害を与えるものではなく、魔力だけに危害を与えるもの。その為、汚染され続けると最終的には魔法を使用する際に機能する回路器官が黒ずみ魔力を失うと言われている。そしてそれを防ぐ為に魔素抑制剤が作成されている訳だが、シエルの様に免疫を持つ者はそこまでの汚染をしない為、使用しない事が多い。
「ただ、明日の作戦中に魔力の喪失なんてもんが起こったら、意味がねえから飲むしかないよなぁ」
懐から魔素抑制剤の入った縦長の瓶を取り出す。正直な所、シエルは薬というものが苦手のため、飲みたくないのだが魔力の喪失は今後の仕事にも支障をきたす為、諦めて魔素抑制剤を口に含む。
「…おぇ」
口の中いっぱいに広がるとてつもない苦味に顔を歪めるシエル。スゥーと汚染されていた魔力が微かに抑制されていく感覚を確かめて再び見回りを始めようとした瞬間、
『この先に来てはダメ』
頭の中に少女の声が響いた。警戒を怠ってはいないため、周囲に人の気配はない。シエルは分散させていた影全ての索敵範囲を広げてみるが、やはり何も無い。
『お願い…。私を…信じて』
少女の声は泣きそうな声でそう告げる。だが、シエルは姿も見せない存在の声を信じるほどお人好しでは無いため、ガン無視して歩を進める。その時、
『この先はダメって言ってるでしょう!!』
そんな怒声と共にシエルの道を遮るように左右にそびえ立つ木々がまるで生きているかのように動いた。シエルは突然の自然現象に驚くが、直ぐに隙間を抜けて進み続け--
『ほ、ほんとにこの先はダメだってば!ねえ!ちょっと!聞いてるの!?』
制止の声を無視して更に進み続け--
『ほ、ほんとにお願いだからはこの先はやめて!ねえ!ねえってば!!そこのお兄さん!!ねえ!』
焦り始めている声を無視して更に更に進み続け--
『…最悪』
そう告げた声の正体は、背中から白と黒の翼を生やした手の平サイズの妖精であり、その背後に着替え途中だったらしい下着姿の白髪の少女がいた。
模擬戦を終えたアドスとシエルはユリセスに簡易テントまで呼び出されて説教を受けていた。というのも、親交会を開くと聞いていたユリセスは、いざ様子を見に行った所、彼らが戦っていたのを目撃。更には軽い模擬戦ではなく本気の本気で戦っており、シエルの放った技で鎧を全損させた瞬間が最後の引き金だった。ユリセスは怒髪天をつく勢いでアドスとシエルの首根っこをつかみ、今の状況に至るわけだ。
「明日には作戦開始だと言うのに、貴重な防具を破損させるとは…。オマケに親交会と嘘をついて模擬戦なんぞをするとは…。貴様ら二人は罰としてこの付近の見回りをしてこい!」
先程のような義弟大好きモードはどこえやらといった感じの正に鬼厳しい騎士団長モードのユリセスの威圧に押し負け、アドスとシエルはその場から逃げ出すように簡易テントを飛び出した。
「はぁ…はぁ…」
「ぜぇ…ぜぇ…」
簡易テントの外で激しく息を吐く二人。他の騎士団員達は遠目からご愁傷さまという表情をしている。余計なお世話だ、とシエルは舌打ちをして、言われた通り見回りに一足先に向かう。
「なんで俺がこんなこと…」
一人になった事で一人称を『私』から『俺』に戻す。丁寧な口調というのはあまりにも慣れず、なんかムズムズしてしまうシエル。オマケに【暗獄の大樹林】は魔の者が好む生態系の為、大気に漂う魔素は禍々しくて気分が悪くなる。
「ここまで魔素が黒ずんでるなら、【魔盗団】の本拠地があるってのも信ぴょう性が高いな」
スタスタと歩きながら、そう言葉を零す。人っ子1人いない大樹林には本来いるはずの動物達もいないため、あまりにも静か。ここに来る道中で鳥達が避けるように飛んでいたのを見かけた。どうやら動物達も、この魔力に体が合わず避けているようだった。
「かく言う俺の魔力も微かに汚染され始めてるっぽいしな」
本来、生物や植物に宿る魔力は消費すると戻ってこない。では、どうやって魔力を回復するのかと言うと、それは大気に漂う魔素に触れることで自然と回復されていく。ただし、魔の者に汚染された地域の魔素は神聖力を失い『毒』となる。致死性の毒のように人間の生命自体に危害を与えるものではなく、魔力だけに危害を与えるもの。その為、汚染され続けると最終的には魔法を使用する際に機能する回路器官が黒ずみ魔力を失うと言われている。そしてそれを防ぐ為に魔素抑制剤が作成されている訳だが、シエルの様に免疫を持つ者はそこまでの汚染をしない為、使用しない事が多い。
「ただ、明日の作戦中に魔力の喪失なんてもんが起こったら、意味がねえから飲むしかないよなぁ」
懐から魔素抑制剤の入った縦長の瓶を取り出す。正直な所、シエルは薬というものが苦手のため、飲みたくないのだが魔力の喪失は今後の仕事にも支障をきたす為、諦めて魔素抑制剤を口に含む。
「…おぇ」
口の中いっぱいに広がるとてつもない苦味に顔を歪めるシエル。スゥーと汚染されていた魔力が微かに抑制されていく感覚を確かめて再び見回りを始めようとした瞬間、
『この先に来てはダメ』
頭の中に少女の声が響いた。警戒を怠ってはいないため、周囲に人の気配はない。シエルは分散させていた影全ての索敵範囲を広げてみるが、やはり何も無い。
『お願い…。私を…信じて』
少女の声は泣きそうな声でそう告げる。だが、シエルは姿も見せない存在の声を信じるほどお人好しでは無いため、ガン無視して歩を進める。その時、
『この先はダメって言ってるでしょう!!』
そんな怒声と共にシエルの道を遮るように左右にそびえ立つ木々がまるで生きているかのように動いた。シエルは突然の自然現象に驚くが、直ぐに隙間を抜けて進み続け--
『ほ、ほんとにこの先はダメだってば!ねえ!ちょっと!聞いてるの!?』
制止の声を無視して更に進み続け--
『ほ、ほんとにお願いだからはこの先はやめて!ねえ!ねえってば!!そこのお兄さん!!ねえ!』
焦り始めている声を無視して更に更に進み続け--
『…最悪』
そう告げた声の正体は、背中から白と黒の翼を生やした手の平サイズの妖精であり、その背後に着替え途中だったらしい下着姿の白髪の少女がいた。
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