冒険者狩りをしている青年の表稼業

雪鵠夕璃

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第一幕:【魔盗団】殲滅作戦編

穢人

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「はぁ…はぁ」

『ここまで逃げれば、もう大丈夫でしょ』

シエルの手から逃走したアイリスとエレロラは森の外側ではなく内側の方まで来た所で一息つく。外側と違い内側の方が魔素が濃く、神聖なる白い魔力を有するアイリスには毒に近い。しかし、妖精であるエレロラとの契約によりアイリスの魔力は守られている為、問題は無い。また、彼女が纏うワンピースは四大妖精の魔力で編まれた特殊な服の為、神聖な魔力を高める効能を持っている。

『この魔素の濃さからして目的地辺りまで来てたみたいね』

「う、うん。もう少しで一族の念願が叶うね」

エレロラの言葉にアイリスが頷く。

『さて、さっさと目的を達成しに行くわよ』

「そ、そうだね。その為にこの濃い魔素を私の全身に触れさせ調べる事で、浄化する為の魔法を創り出したんだもん」

【魔法の創造】--アイリスは出来て当たり前のような感じに告げているが、簡単なことではない。魔法というのは数多の魔法の研究や魔法専門の人間達が魔法式を作り上げるまでの構造や仕組み等を何度も何度も考え研究する事で創造される代物だ。しかし、アイリスは一瞬にして魔法を創造した。というのも彼女は妖精使いの一族の中でも特別な存在【八大妖精の寵愛】を与えられている。
  【八大妖精】とは【火妖精サディーラ】・【水妖精ウィーゼル】・【風妖精リビューネ】・【土妖精グリューゾ】・【雷妖精アリュード】・【氷妖精エレロラ】・【光妖精シィリューネ】・【闇妖精ラーヴァ】の八体。全員が各属性を総べる妖精の王と女王だ。彼・彼女らは妖精一族の中で最も神聖な魔力を持って生まれた者に寵愛を与える。そして今回選ばれたのがアイリス。この様に寵愛を与えられたものは特殊な力を有し、大きな使命を下される。それが【世界中に漂う穢れを浄化せよ】というもの。その第一目標がかつての故郷という訳だ。

「それにしても奥に進むにつれて穢れ以外にも邪悪なナニカがいる気が…」

『確かに感じるわね。アイリス、十分警戒しながら進むわよ』

「う、うん!」

エレロラと契約した事で索敵能力を有したアイリスは広げていた索敵範囲を更に広げる。すると、広げたタイミングでナニカを感じ取った。淀み穢れすぎた魔力の波がアイリスの肌を撫でる。魔獣にしては穢れすぎている。その穢れた魔力を有したナニカが徐々にアイリスの元へと近づいてくる。

『アイリス!この穢れは危険よ!早く離れ--』

ないと、と言う前にそのナニカは、二人の前に姿を現した。

額から【穢角ゼネル】と呼ばれる穢れた魔素を吸いすぎた原因で生える漆黒の角を携え、本来は肌色であるべき体の色が黒く濁り、右胸の位置に【魔盗団レルメル】の象徴である【空洞の眼に矢が刺さった骸骨】の紋章が刻まれていた。

「--【穢人けがれびと】」

アイリスの口からナニカの名が呟かれる。

そして、それと同時にアイリスの右腕が消えた。
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