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番外編5ー1
しおりを挟む「おぉーい!猫坊主~~!」
「....................また来たの?兄。きしだんってのはそんなに暇なのか?」
オリエンの兄が来た。
こいつは結構遊びに来る。暇なのか?暇ならオリエンのお仕事少しくらい減らしてくれないだろうか。................................むりか。
「なんだぁ?そんな目で見て。別に俺だってサボってるわけじゃないさ。今日だって本当は午後から部下達を絞るつもりだったんだが................」
ザァァァァァァァァーーーーッッ
「....................兄、お前、雨男だろ。」
それもやる気を出した時に限って雨が降るタイプの。
「わっはっはっ!うまいこというなぁ、猫坊主!そうかもしれんなぁ!ま、そんなわけで午後の予定は街の巡回強化に変更になったわけだ。団長様はまぁ、お前のご主人........旦那への報告やら提出やらで............一応仕事ではあるんだぞ?」
「ふぅーーーーーーーーん?」
今日はな。
「そんな顔すんなって。ほら、土産だ、猫坊主。ほらよッ!」
ポンッ!
「んっ?木?」
木というか、枝か?
「兄さん!!!!だからなんでいつも真っ先にカリーの所に行くんです!!!」
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
今日は午後からいきなり雨が降り始めた。それも土砂降りの。『あー、また兄さんがやる気を出してしまったんだろうな。』と思いながら、その雨で騎士団の予定が変更になり、兄さんがまた屋敷に来るであろうことまで予測した上でカリーを探していた。
............................何故この兄さんは毎回違う場所にいるカリーの所に真っ直ぐ向かえるのか。メイドや部下に止められずに毎回カリーの所に行けているという事は恐らく本当に真っ直ぐ行っているのだろう。........................兄さん動物説が俺の中で浮上する。
まぁ、とりあえずこの脳筋とカリーを無事に見つけられて良かった。....................何故かカリーが枝を両手で持って不思議そうにしているが。............可愛いな............。
「よぉ、弟よ。今日は雨だから騎士団の予定が変わってな。その報告と書類の提出に、この騎士団長様がパシられたわけだ。」
「元々貴方の仕事でしょうが............。毎回副騎士団長に押し付けないであげてくださいよ。可哀想に。」
「いやぁ!あっはっはっはっ!」
毎回疲れた顔してこの屋敷に来る副騎士団長が目に浮かぶ。毎日このサルに振り回されて可哀想に。ボーナスを考えてやろうか............。
「ハァーーーーー。まぁ、いいです。とりあえずその報告と書類は受け取りました。はい、お帰りください騎士団長サマ。」
「カァーーーー!お兄様に向かってなんだそれは!お兄ちゃんは寂しいぞ?」
「兄さん............今日やる気出したのに雨のせいで不完全燃焼だからってここで爆発させるのやめません............?」
「弟が冷てぇなぁ........。仕方ねぇ、庭師と腕相撲でもしてくるか................。」
「はいはい、行った行った。」
はぁ........やっとサルが去る................(別に上手いこと言ったとかは思ってないが。)と思っていたら
「ん♡にゃ、にゃあぁ~~~~ん♡」
「................................................は?」
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