『【実録】深夜リビングの密事 ―寝静まった家族の足下で、僕はママ友の深淵に堕ちる―』

まさき

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第3話:雨宿りの誘い ―「お掃除」の予感―

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​第3話:雨宿りの誘い ―「お掃除」の予感―

​保育園の門を出た瞬間、空が本気を出した。さっきまで小降りだった雨は、音を立ててアスファルトを叩き始め、傘の内側まで湿った空気が入り込んでくる。
「……降ってきちゃいましたね」
彼女は自分の息子の手を引きながら、少し困ったように笑った。濡れた黒髪の柔らかなパーマを耳にかける仕草が、やけに目に残る。
​あの日、理性が弾け飛び、あられもない姿で眠る彼女に近づいた自分を、僕は何度も呪った。家族がすぐ上で眠るあの静寂の中で、野蛮な衝動に身を任せた自分を、紳士を自認する僕のプライドは許せなかった。
だが、そんな自己嫌悪さえ、彼女が放った「昨日、旦那ともしてるから」という一言で、無残に突き放された。彼女にとって僕は、日常の隙間にこぼれ落ちた意味のない余興に過ぎないのだ。だからこそ、園で顔を合わせるときも、あえて「普通」を演じてきた。僕たちは、完璧な「良きパパ」と「良きママ」であり続けなければならなかった。
​彼女はスマホで天気予報を確認し、ため息をついた。
その沈黙のあと、ほんの一瞬だけ迷うような間があって、彼女は小さな声で言った。
「……よかったら、少し雨宿りしていきませんか?」
その言葉の裏に、何があるのか。お互い、もう分からないふりはできなかった。
​彼女の家に着く頃には、靴先までしっとり濡れていた。玄関に入ると、彼女の夫のものと思われる黒い革靴が、整然と並んでいた。その横に僕の靴を並べる。
「着替えてきなさい。二人でアニメ見てていいからね」
彼女が子供たちを奥の部屋へ促すと、テレビから賑やかな音が聞こえてきた。
​「コーヒー、飲みますか?」
キッチンから聞こえる声。僕はリビングのソファに腰を下ろした。目の前の棚には、家族旅行で撮ったと思われる写真が飾られている。笑顔の彼女と、優しそうな夫。その幸せな構図が、僕のどろりとした欲望を逆なでする。
彼女がカップを差し出したとき、僕の指先に彼女の指が絡んだ。
​「……この前のこと」
彼女は視線を逸らさず、僕の瞳をじっと見つめた。
「忘れようと思ったんです。でも……無理でした。あなたが私に触れた時の感触が、ずっと消えなくて」
雨音が、窓を激しく叩く。
「それは……僕も同じです。ですが、ここはあなたの家で……」
紳士としての理性が、最後の抵抗を試みる。しかし彼女は、僕の手を自分の柔らかな膨らみに押し当てながら、艶然と微笑んだ。
「……いいのよ。子供たちには、雨の音が聞こえているから」

​(第4話へ続く)
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