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第三話:隣の部屋には家族がいる(沈黙の誓い)【前編】
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第三話:隣の部屋には家族がいる(沈黙の誓い)【前編】
「これは、親としての休息だ。……声を殺せば、何も起きていないのと同じことだろ?」
休日の午後。俺の家のリビングからは、子供たちの賑やかな声が聞こえていた。
俺の息子と、彼女の息子。同級生の二人は、テレビゲームに夢中になっている。そしてキッチンでは、俺の妻が夕飯の買い出しに出かける準備をしていた。
「……じゃあ、ちょっと行ってくるわね。二人で子供たちのこと、見ててくれる?」
「ああ、任せておけよ。広報委員の資料の続きも、ついでにやっておくから」
妻は疑う様子もなく、軽い足取りで玄関を出て行った。
ドアが閉まる音がした瞬間、リビングの空気が、微かに、だが確実に変質した。
俺と彼女は、子供たちのいるリビングに隣接した、襖一枚で仕切られた和室へと移動した。
「資料の確認」という、もはや使い古された、しかし絶対的な『ロジック』を抱えて。
「……あなた」
彼女が、襖の隙間からリビングの様子を伺いながら、震える声で囁いた。
丸顔で童顔な彼女の顔は、緊張と期待で上気している。
襖の向こう側からは、子供たちが放つゲームの効果音と、楽しげな笑い声が絶え間なく響いてくる。
「静かに。……子供たちに、変だと思われたら困るだろう?」
「……っ。わかってます。でも、こんな……すぐそこで子供たちが遊んでいるのに」
「だからこそだよ。これは、日々育児に追われる僕たちへの、ほんの少しの『休息』だ。親が精神的に安定していることは、子供たちにとってもプラスになる。……そうだろ?」
俺は彼女の腰を引き寄せ、耳元で歪んだ正論を吹き込んだ。
彼女は、子供たちの声に怯えるように肩をすくめながらも、俺のシャツの裾をギュッと掴んだ。
「……ひどい人。そんな理屈で、私を……」
「君だって、望んでいるはずだ。この、見つかるかもしれないっていう……極限の刺激を」
俺は彼女を、畳の上に敷かれた座布団へと押し倒した。
カサリ、と衣類が擦れる音が、静かな和室に妙に大きく響く。
隣の部屋では、息子たちが「やった!」「次、僕の番!」とはしゃいでいる。
その声が聞こえるたびに、彼女の体はビクリと跳ね、秘められた場所からは、無意識のうちに熱い蜜が溢れ出していた。
俺は彼女のスカートを捲り上げ、その清楚な下着を指先でなぞった。
「……んっ……あ」
彼女が慌てて自分の口を両手で塞ぐ。
丸い瞳を大きく見開き、涙目になりながら俺を見上げるその姿は、深夜のリビングの時よりもずっと、背徳的な色香を放っていた。
「声を出したら、子供たちが様子を見に来るかもしれない。……いいかい、絶対に、漏らすんじゃないぞ」
俺は彼女の耳たぶを甘噛みしながら、最後通告のように告げた。
彼女は、コクコクと激しく首を振った。
家族の気配がすぐそばにある。
日常と非日常を隔てているのは、わずか数ミリの襖一枚。
俺たちの、最も危険で、最も静かな『共同作業』が幕を開けた。
「これは、親としての休息だ。……声を殺せば、何も起きていないのと同じことだろ?」
休日の午後。俺の家のリビングからは、子供たちの賑やかな声が聞こえていた。
俺の息子と、彼女の息子。同級生の二人は、テレビゲームに夢中になっている。そしてキッチンでは、俺の妻が夕飯の買い出しに出かける準備をしていた。
「……じゃあ、ちょっと行ってくるわね。二人で子供たちのこと、見ててくれる?」
「ああ、任せておけよ。広報委員の資料の続きも、ついでにやっておくから」
妻は疑う様子もなく、軽い足取りで玄関を出て行った。
ドアが閉まる音がした瞬間、リビングの空気が、微かに、だが確実に変質した。
俺と彼女は、子供たちのいるリビングに隣接した、襖一枚で仕切られた和室へと移動した。
「資料の確認」という、もはや使い古された、しかし絶対的な『ロジック』を抱えて。
「……あなた」
彼女が、襖の隙間からリビングの様子を伺いながら、震える声で囁いた。
丸顔で童顔な彼女の顔は、緊張と期待で上気している。
襖の向こう側からは、子供たちが放つゲームの効果音と、楽しげな笑い声が絶え間なく響いてくる。
「静かに。……子供たちに、変だと思われたら困るだろう?」
「……っ。わかってます。でも、こんな……すぐそこで子供たちが遊んでいるのに」
「だからこそだよ。これは、日々育児に追われる僕たちへの、ほんの少しの『休息』だ。親が精神的に安定していることは、子供たちにとってもプラスになる。……そうだろ?」
俺は彼女の腰を引き寄せ、耳元で歪んだ正論を吹き込んだ。
彼女は、子供たちの声に怯えるように肩をすくめながらも、俺のシャツの裾をギュッと掴んだ。
「……ひどい人。そんな理屈で、私を……」
「君だって、望んでいるはずだ。この、見つかるかもしれないっていう……極限の刺激を」
俺は彼女を、畳の上に敷かれた座布団へと押し倒した。
カサリ、と衣類が擦れる音が、静かな和室に妙に大きく響く。
隣の部屋では、息子たちが「やった!」「次、僕の番!」とはしゃいでいる。
その声が聞こえるたびに、彼女の体はビクリと跳ね、秘められた場所からは、無意識のうちに熱い蜜が溢れ出していた。
俺は彼女のスカートを捲り上げ、その清楚な下着を指先でなぞった。
「……んっ……あ」
彼女が慌てて自分の口を両手で塞ぐ。
丸い瞳を大きく見開き、涙目になりながら俺を見上げるその姿は、深夜のリビングの時よりもずっと、背徳的な色香を放っていた。
「声を出したら、子供たちが様子を見に来るかもしれない。……いいかい、絶対に、漏らすんじゃないぞ」
俺は彼女の耳たぶを甘噛みしながら、最後通告のように告げた。
彼女は、コクコクと激しく首を振った。
家族の気配がすぐそばにある。
日常と非日常を隔てているのは、わずか数ミリの襖一枚。
俺たちの、最も危険で、最も静かな『共同作業』が幕を開けた。
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